蔦谷好位置さんとヒラギノ遊ゴ(ヒラノ遊)さんの「音楽を生業とすること」がテーマのスペースが面白かった話 (2023年12月14日)
最近多忙で、ソーシャルメディアをチェックしたり新しい音楽情報を入手する時間が激減しているのだが、ホテルにチェックインしてやっと腰を落ち着けて、Xを開けたらたまたま蔦谷好位置さんとヒラギノ遊ゴ/ヒラノ遊さんがスペースでお話しされていて、私の推しアーティストの名前が複数出ていたので聴いてみたらとても面白かった。アーカイブを蔦谷さんは消してしまわれたので、たぶんここのあたりかな?という繊細なトピックの部分は割愛して、ご紹介しても差し障りのなさそうな部分だけ簡単に。
テーマは「音楽を生業とする」ことについて
蔦谷さんのコメントで興味深かったところがいくつか。
「今のファンダム文化もそうだけど、AIがどんどん進化していくと、創作の部分が小さくなってしまって、音楽の本質じゃなくて人間力の見せ物小屋になってくる。特に繊細な才能にとっては、相対的に難しくなってくるような気がする」
「関ジャムなどのマスメディアで時々話したりするのは、サンレコで話されているような和声やコード進行などの専門的な話をわかりやすく話す必要があるのではないかと思っているから」
「音楽の好き嫌いは別として、クリエイティブなアーティスト、例えば、米津玄師、ヒゲダンとかKing Gnuとか、 Vaundyとかが、ちゃんと売れているということは、SNSの成熟とともにいい時代になったと思う。 それが制作者(Producers)の世界でももっと起きるといい」
藤井 風さんのお話も出て、蔦谷さんが「藤井 風さんはすごい、俺は彼のデビュー前の、5バンドくらいの対バンライブを見てる、あの時は「何なんw」以外は全部カバーだったんだけど、めちゃくちゃ良かったけど、まだ今の感じじゃなかった。でも彼のシャイなチャーミングな部分もすごく出てて。彼の動画が好きで高校生ぐらいの時の動画からずっと見ていたんだけど、オリジナルでここまで行くとは思わなかった、彼は言葉を持っているのがすごい」
ハイライトはこんな感じでしょうか。
私の個人的な感想だが自分も好きなアーティストを積極的に推している身としては、蔦谷好位置さんのおっしゃる「人間力の見せ物小屋」に関しては感じることが多い。誰かを推すとき、私はその人の音が好きだというのはもちろん大前提なんだけど、アーティストの人格や音楽を通して発されるメッセージなどに自分が共感しているからというケースがよくあって、音楽は素晴らしいと思っていてもそれ以外の部分を知らないアーティストよりも、多面的に音楽以外のことも知っているアーティストの方に親しみを覚えたり、より応援したいと思ってしまうことがある。
いろんなアーティストをフォローしていると「この人は本当に才能がある」「こんなアレンジよく作れるな、こんなコード進行驚く」とか音楽性に関して色々と感銘を受けるミュージシャンはたくさんいるのに、その方達のSpotifyのリスナー数が思っていたよりずっと少なくて、びっくりすることがある。そういうアーティストはビルボードやラジオチャートの上位の常連という訳ではないし、全く上がってこない人もいる。
「音楽性が素晴らしければ自然に売れる」という人がいるけれど、それは絶対に無いと感じることがあまりにも多い。もちろん、売れていることと音楽性が素晴らしいことは必ずしもイコールではないと思う。ただ、商業的に成功しているアーティスト達は、素晴らしい才能と努力に加えて、周りを惚れ込ませるコミュニケーション能力や人間性だったり、バズったりする運や、強い能動的なファンダムに支えられていたり、あまりこれは言いたくはないけど現実としては容姿も含めて、複数の要素が重なって「売れる」んだなと思う。
だからファンダム文化に若干クリティカルな意見が出た今回のスペースは、色々考えてしまったな。
蔦谷さんいつも興味深いトピックをありがとうございます。ヒラギノ遊ゴさんのお話の振り方もとても良くて、良いお話が聞けました。ありがとうございます。またインスタライブも入らせていただきますね。
それでは今日はこのあたりで。
読んでくださった方ありがとう。
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