風の魔法

風鈴を、撮りにいこう。

カメラ仲間から誘われて川越に行ったのは、暑い夏の盛りだった。

ただでさえいつもよりも暑かった平成最後の夏の、その日は見事な晴天で、じりじりと照りつける太陽に、汗が止まらない。小江戸と呼ばれる川越の街並みを抜け、たどり着いたのは、「川越氷川神社」。

鳥居をくぐった瞬間に、ため息がでた。

無数の風鈴。

涼やかな風に、揺れる。軽やかな音色が響く。

一瞬にして、暑さを忘れた。

それはまるで、そう、魔法だった。

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