なおのA to Z:【P】peace 平和
peace:平和
平和とは。
そんなことを漠然と考え始めたのは、忘れもしない、ニューヨークのツインタワーに飛行機が突っ込んだ日だった。
当時わたしはチリに住んでいて、インターナショナルスクールに通っていて、そのニュースが耳に入ってきたのは1時間目の授業中。 アメリカ、カナダ、韓国、中国、日本、イスラエル、チリ、ボリビア、イタリア・・・いろんな国籍のクラスメートたちと、なすすべもなく、ラジオやテレビから流れてくる混乱に満ちた情報に溺れるしかなかった。
ある先生の友達がまさにあの突っ込んだ飛行機に乗っていたり。親戚や知り合いがツインタワーで働いていたり。いつ何が起こるかなんて本当にわからないものなんだという事実を目の当たりにした。そして、その後のアメリカのイラクへの攻撃へと続く一連の悲しみと憎しみの連鎖は、正義とは、という答えの見えない問いをわたしの中に刻み込んだ。
そんなこともあって大学では国際関係学部を専攻。でもやっぱり平和への答えはいまいちよくわからなかった。国連とか、政府とか、偉い人たちがずっとずっと何年も平和について議論をしているのに、世界は一向に平和に向かっている感じはしないし、だとしたらわたしはいったい全体何をどうすりゃいいんだよと、無力感に苛まれたこともある。
今も、答えは出ていない。
けれど、いろんな人との出会いを経て今思っていることは、まずはわたしの手の届く範囲の人を幸せにしよう、幸せにできる最大限の努力をしよう、幸せにできる人であろう、ということ。世界は変えられなくても、ミクロの単位で平和を作っていくことはできる。そしてそんなミクロだけど平和な世界が増えていけば、きっとそれがパズルのピースのようにくっついて広がって、世界だって、昨日よりも今日、今日より明日、もっと平和であれると思うのだ。そんな単純な話じゃないんだよ、と言われるかもしれないけれど。
これからも、世界でどんなことが起きているのかを知ろうとする意識は持っていたいし、募金とか、できることはやっていきたい。
けれどまずは、目の前のひとを大切に。
それがわたしなりの、平和との向き合い方。
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