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なおのAtoZ【C】classical music
さて、3日目。
Cって結構思い当たる単語があって迷ったのですよね。昨日からの続きでChile(チリ)とか、大学で少しかじったcapitalism(資本主義)とか、clothe(服)とかcandy(キャンディ)とかね、いろいろある。
けど、その中でふと選んだのは、classical music クラシック音楽。
最近音楽に触れる機会も増えたので、筆の赴くままに書いてみようと思う。
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クラシック音楽、と聞いてまず思い浮かぶのは、実家の父のレコードだ。LP盤…って言うのかな。詳しくはよくわからないけど、丸くて黒くて薄くて、レコード盤で針を落として聞く、あれ。
収集癖のある父のコレクションの1つがレコードで、実家には、なんだかそう気軽には触れられない空気を醸し出しているレコードプレーヤーと、それこそ何枚あるんだかわからない枚数のレコードがある。
転勤族だった我が家は、「極力荷物は増やさない」という母のゆるぎない方針があったので、父のそのレコードたちはレコードプレーヤーと一緒に、おばあちゃんち、つまり父の実家に置かれていた(この家が、今はわたしの実家になっている)。なので父は夏休みや冬休みに帰省すると、普段聴けないぶんも聴きためておこうと思うのかなんなのか、決まってそのレコードたちを延々と聴いていて、従って記憶にある限りわたしのおばあちゃんちでのBGMは、父のレコードが奏でる音楽だ。
そしてそれは、多くの場合、クラシック音楽だった。
別の部屋から聞こえてくる音楽が耳に入ってくるだけなので、誰のなんという曲なのかはさっぱりわからない。どこのなんていう交響楽団の演奏なのかなんて、さらにわからない。けれど、クラシック音楽はそうしてわたしの中に溶け込んでいった。
大人になって、何度かクラシック音楽のコンサートに行く機会もあって、そういう場面で抵抗感もアレルギーもなくすっと聴けたのは、この経験があったからだろうなあ。普段の生活の中で積極的にクラシックを聴こう!と思うことはないけれど、たまにコンサートに行くと、心身が清められる感じがする(大人になった気分にもなれる)。
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大人になって、お休みの日は学生の頃よりもの貴重な時間で、それを何に使うかを考えるようになった今だから思うのは、父のあの音楽を聴く時間は、彼にとって心身のメンテナンスの時間でもあったのかもしれない。わたしにとっての旅や読書や睡眠が、彼にとってはクラシックだったのかも、と。
父は今では定年退職をして、レコードの置いてあるおばあちゃんちが今は彼の住処で、故に毎日レコードを聴ける生活になった。昼間はなんだかんだ忙しくしているようだけれど、夜になると父は自分専用の部屋に改築した離れにこもって、夜な夜なレコードを聴いているらしい。先日も夏休みで実家に帰ったら、車もめったに通らない、虫の声しか聞こえないような静かな夜に、父の部屋からもれ聞こえてくる音楽が心地よくて、いい趣味を持ったなあとうらやましく思った。
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ちなみに数あるクラシックの中で、わたしが一番好きなのは、ヨハン・パッヘルベルのカノン。あ、カノンもCで始まりますね。きっと聞いたら「ああ~、これね」って思う方がほとんどじゃないかと思うぐらいメジャーな曲でですが、同じようなメロディーが繰り返されながら、だんだんといろんな音が混ざってメロディーが重なり合って1つの音楽を作っていく感じがとても好きで。結婚式の両親への手紙のBGMはカノンにしたぐらい、好きです。クラシックに触れさせてくれた父への感謝も込めて、というのはちょっと後付け笑
9月はドラマ「相棒」の劇中歌のクラシックコンサートを聴きに行く予定で、久しぶりのクラシックコンサートにちょっとわくわくしている。
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