物事の見方が一生を左右する■□下田コラム□■vol.82
先日は、秋山木工、秋山利輝さんの勉強会でした。
秋山さんは、日本一の家具職人と呼ばれ高級ホテルの家具などを多く手掛けている人です。
そんな秋山さんから毎回 生き方、考え方を多く学んでいます。
勉強会後の懇親会で、お酒を飲んで上機嫌になった秋山さんは自分の半生を振り返り一流の職人になるまでのストーリーを話してくれました。
貧乏な家庭に生まれ、中学校を卒業して大阪に上京して丁稚として木工家具の会社に入った秋山さんが、兄弟子をも飛び越えさまざまな仕事をもらい経験を重ねて一流になられたストーリーです。
それは、工夫と努力の連続です。
しかし、兄弟子たちも一流の職人になりたいと思いそこに集ってきた人達です。
私は、同じ動機で同じ場所に集ってきたのにその違いは何なのだろうと不思議に思いました。
そこで「秋山さんと兄弟子の違いは何ですか?」と質問しました。
秋山さんは、間髪入れずにこう答えました。
「兄弟子たちは親方を嫌っていた」
兄弟子たちは、親方を嫌って文句ばかり言っていた。つまり、親方の悪いところから見ていた。
それに対して秋山さんは、親方の良いところをまずは見るようにしていた。次に悪いところを見て、それは真似しないようにしようと決めていた。
同じ状況にいるのに、物事の見方が違うのです。
兄弟子は先に悪いところを見てしまうので、その人の良いところが見えなくなってしまいます。
秋山さんは良いところを見ようとしていた。だからありのままが見えるのです。
そんな見方が人生を変えていくのです。
多くの人は、兄弟子のように悪いところをまず見てしまいます。
そしてあの社長はおかしい、あの会社はおかしい。あの国の政策はおかしい。あの議員はおかしい。
そうやって、先に悪いところを見ることで、良い部分が見えなくなってしまいます。
それでは本人も不幸ですし、その対象となる人も不幸です。
世の中全体を不幸にする見方だと思いました。
人の良いところをまずは見てそれを真似してみる。
そして、悪いところは真似しないようにする。
この順番を自分の中にしっかりと根付けたいです。
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