【言語心理学】「しなければならない」
この言葉をよく使う人シリーズ、今回は「しなければならない」をみていきます。
■「~しなければならない」を多用する人
同じ意味で使われる場合の「~すべき」も同様。
英語で言うところの「must」です。
などの直接的な表現と、
などの間接的な表現があります。
■「~しなければならない」を多用する人の心理
無意識下で
という心理があります。
「しなければならない」というのは、
そう『決まっているんだから』しなければならない。
そう『なっているんだから』しなければならない。
『そういうものだから』しなければならない。
『それをしないと困ったことになるから』しなければならない。
というような前提条件があります。
これらの前提条件は、全て
ということを基本に成り立っています。
よって、自分では決めることができず、選べず、自由にはできないのです。
■「~しなければならない」を多用する人の傾向
組織的で集団行動が得意
規律を重んじる
積極的に村八分を行う
自由に自分で決める人を見ているとイライラしたり、ストレスを溜め込む
何かを行うときに、常識や前例に縛られる
よって、新しいことを行うにはタイプ的に向かない
人の意見に流されやすい
などの特徴があります。
この言葉を多用する人は、
いい意味でも、悪い意味でも常識人です。
常識に沿って行動し、それを守ることに安心を覚え
それに反すると不安になります。
身近な周囲の人にもそれを求め、反すると攻撃的になることもあります。
また、「しなければならない」を多用する人は、
「~したい」を多用する人とうまく行かない傾向にあります。
「しなければならない」タイプが常識を基準にして自分では何も決定できないことを受け入れてやりくりしています。
そういうときに「~したい」というタイプの人を見ると、ちゃんと考えない、甘えていると映ります。
「世の中は勝手ばかりが許されないのに、いつまでも子どものように勝手を言っている」ことが癇に障ります。
しかし、本当は自分で決めたいのに決めることができないというストレスがあります。
それを自分は無理に押さえ込んでいるのに、(つまり本当は自分も「~したい」と言いたいのに)それをやってしまう人を目の当たりにすることで感情が爆発してしまうのです。
本来は自分に対する怒りですが、それを認めることはできないので「~したい」というタイプを嫌うことで心のバランスを取ろうとします。
■「~しなければならない」を多用する人との付き合い方
いい意味で、常識的な意見や付き合いが必要な部分は積極的に付き合っていいでしょう。
また、組織的なこと、規律などをしっかり守れる人が多いので、もし部下を使う立場にいるのであればそういった仕事をさせたほうがいいです。ただし、内向的な人は強い自己説得を自分にしている傾向にありますので、規律を押し付けるといつか爆発する危険性があります。
上司がこのタイプであれば、やるべきことをしっかりとやっていれば一定の評価がもらえます。新しいことを提案するときは、それは冒険ではなく少し工夫することで組織や規律をよくすることができるというポイントをつくことが大切です。「提案しても意見が通らない」などといってしまってはその後永遠に認められるチャンスはやってきません。
恋人がこのタイプであれば、男女にかかわらず自分も常識的なラインで生きていくことが性に合っているかどうかをよく考えた方がいいでしょう。
合わないのなら別れるべきです。
物事の相談はしないほうがベターです。
なぜなら、相談事は常識から外れているからこそ相談したいことであって、意見を求めても、ありきたりの答えが返ってくるか、常識外の相談をしていること自体を軽く見たり、場合によっては怒り出す傾向があるからです。
■「~しなければならない」の多用を変える
何事も自分では決めることができない、選ぶことができないという潜在意識は生きていくうえで何かと不便です。
ストレスも溜まります。
言葉と心はつながっているので、この言葉を多用する場合もまずは使う言葉を変えます。
わかりにくければ最初のうちは「~を選ぶ」
感情が高まったときは「~したい」という言葉を使う。
「~する」という言葉の裏側には、
「物事は自分で選ぶしかない」という潜在意識があります。
言葉を変化させることで潜在意識のパラダイムシフトが起こり、定着すればこれまでの常識を重んじる傾向と、自分らしい傾向に折り合いがつくようになります。
また、もう少し緩やかに行うには
「~してみてもいいんじゃない?」という言葉を使うようにします。
自分に対しても、誰か相手に対してもこの言葉を使ってみます。
これまで「決められている」「選ぶことはできない」が基準になっていたものが、この言葉を使うことで潜在意識の中に
という価値観が備わります。
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