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教育格差とイノベータ②
「教育格差に対して支援そのものを不要にする」という改革アプローチに「イノベータ育成」が処方箋のひとつになりえないか の第2回です。
未来のイノベーターはどう育つのか
子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2179
訳者 : 藤原朝子
今回は「2章 若きイノベータの肖像」で掘り下げてみます。
カーク・フェルプスは若くしてiPhoneのプロダクトマネジャーに抜擢されたイノベータ。何がどうなってそういった子に育つのか。
プロダクトマネジャーの仕事は、製造工程を動かすことではありません。何が妨げになっているかを理解して、それをチームに明確に示し、感情に流されず(社内外の関連部門と)冷静に緻密な取引をすることです。
これをスムーズにやるにはマルチリンガルな人間になること、つまりいろいろなことがどう絡み合っているか理解する必要があります
実は僕自身、プロダクトマネジャーの経験があります。企画、商品開発、背製造生産、営業企画、宣伝とまさに多岐にわたる横断的なポジションであり、様々な知識や経験が必要でした。
多くの人々にうまいこと動いていただくためのコミュニケーションスキルも必要でした。お客様に受け入れていただく商品を提供する過程で、社内外の様々な人々との取引に折り合いをつけなければなりません。
今までの人生で最も過酷で多忙で挫折を繰り返した時期でした。
カークがイノベータへ成長していく経路にはいくつかポイントがあったと筆者は記載いています。
カーク・フェルプスは高校も大学も中退した
カークは自分が受けた教育についてどう思っているだろうか。「何を勉強するかは重要ではない。自分が興味のあることの見つけ方を知るほうがずっと大事です」
カークの両親は、カークの興味あることを自身でみつけさせるために様々な環境を経験させたそうです。
子どもの行動範囲や自身で経験できる環境は大きくはないと思います。つまり知らないことに興味を持つというのは理論上ありえないのではないでしょうか。
裕福ではなかったり親自体に経験がないと難しい場合もあるでしょう。逆に裕福ではないものの親に経験がある場合は意外に簡単な場合もあるかもしれません。
一方で、学校や地域が、多くの経験できうる環境を子どもたちの与えることはできないのでしょうか。図書館の本を読むことで疑似経験を得られる場合もありますが、もっとリアルで生の経験も有用ではないかと考えます。
この辺り、教育格差問題を解決するパズルのピースの1つかもしれません。
カークの父親はIT企業を経て、スタートアップで働いてるようです。父親の生きてきた環境や経済的な余裕のある状況もカークに良い影響を与えたのかもしれません。
様々な環境下でもイノベータは育つのでしょうか。そういったところに話は続いていきます。
次回はSTEM系イノベータについて考えます。
STEM:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)