働く女性の復職問題。

妊娠5カ月になった。

つい先日、戌の日に安産祈願にも行ったし、里帰り出産なので実家に帰って近所の総合病院で分娩予約もしたし、そのタイミングで主要な友人には今の現状を報告出来たし、何とか出産までの道筋は出来たように思う今日この頃、表題の問題が私を悩ませている。

私は今の仕事について13年、社会人のほぼすべてをこの会社で過ごしてきている。最初は違う部署で全然違う仕事をしていたけれど、勉強や資格取得を経て、現在は特殊な部署に身を置くことになり、社員の管理業務や労務や法務などの仕事に携わっている。

と、いっても今の部署も色々改変などがあって事実上私1人がこの部署にいる状況で、先輩や上司もいなければ後輩もいないという特殊環境。そんな私が来年出産をして1年程休むことになるので、会社には迷惑をかけているけれど仕事の調整や後任を雇うために採用活動真っ只中なのである。

とは言え、やっていることは特殊なので経験者となるとどうしても50代や60代の方が多く、年齢としては別に気にしないけれど、2人体制になった際にパワーバランスが崩れるのではないか、と、会社としても私として頭を悩ませている。それに加え「未経験者を育ててもいいのではないか?」という(現場の状況わかっていないであろう)上層部の話もあり、未経験者の20代の若い子もわんさか面接に来ていて「どうすんだよこれ」状態なのである。

まじで収拾がつかなくて困惑している。

腹を括って出産半年で戻ろうかとすら思うほど、自分の仕事の落としどころが見つからなくて毎日頭を抱えている状況である。


更にはアウトソーシングの話が出てきていて「そうきたかあ」って心境。

正直言えば人を育てる余裕もないし、それでもいいと思っているけれど、アウトソーシングを期間限定で、というのは難しいと思う。きっとアウトソーシングしたら、アウトソーシングしたままになるだろう。だって、教える人がいないから後任と言うものが育てられないから。

そうなれば、私が築き上げたものや私が経験したもの、というのは、仕事に戻ったとしても、会社で活かすことは出来なくなる。つまり私がメインでやってる仕事がなくなってしまう、というわけ。

産休・育休制度はきちんとしていて実績もある会社だから戻っては来れる、でも「同じ仕事」「同じような勤務」は出来ないのである。

と、ここ1か月、そんな脅威(に似たモヤモヤのような何か)を感じている。そう「何か」を感じてる。

こういう時「育休や産休取れて戻れるから良い会社だね~!!」なんて言われると「そうなんだよね~!!」なんて答えたいくらい、私は今の会社が好きだし、働いている人も仕事内容も嫌いじゃない、むしろ自分の人生において重要な場所だと認識している。でもそんな甘いもんじゃない。

「そんな制度を完璧に置いている会社だって結局戻ってきた時短の人間は腫れもの扱いになるんだぜ」と言いたくなる。

これは私が過去に休んだ人のことを見てきて思うことだけど、戻ってきても会社としてはうまく落とし込めないでいる。いわゆる『腫れもの』になるのだ。それを傍観していた私が、ついに『腫れもの』になる時が来てしまった、というわけ。

ここまであれだこれだと悲観的なことを言っているけれど、これはあくまでも「私視点の考え」。結局、会社視点になって考えればキャリアなんか続けられないのは重々承知している。そう、経験値もスキルも何もかもがゼロになってしまうのである。ゼロならまだいい、マイナスになってしまう可能性も否めない。色々な先駆者の様子やネットを徘徊して、そう言うところは自分の中で落とし込んできたし、妊娠が分かった時に納得して辞める選択ではなく、復職できるよう産休と育休を取得しようと思ったんだけど、やっぱりどこか考えるのだ。

「1年休むだけ」なのにって。

でも違う、会社としては「1年休むだけ」じゃない。復職後の私は子どもの体調不良で早退や有給を沢山とるだろうし、時短になって今より3時間は早く会社を出ることになる。そんなやつにこれまで通りの給与も待遇も仕事も任せられないし、キャリアを継続させる気持ちなんか起きないだろう。それが当然だ。

それに1年で戻れる保証なんかない。だからこそ、私は腫れものになる覚悟をして休むのだ。

でも。

そう、「でも!!!!!!!!!!」なのである。

これは「自分がしてきた仕事を取り上げられる」という感覚を感じているからなんだろうけど、それを客観視した時なんかすごく情けない気持ちにもなる。情けないついでに言うけど、こんな私でも「私がやってきた仕事なんだよ」というプライドがちらつく。そんなプライド誰が見てもメンドクサイ泥臭いバカみたいな感情なんだろうけど。

時間は有限ではないので結論に達する日が来る。

それまで私は自分の中の葛藤とひたすら向き合うだろうし、出産後育児に追われて忘れ去るかもしれないけど、このどす黒くて、汚い感情はまた復職の時期が近付くとフツフツと湧き上がるんだろうな。

母親になる壁というのは色々なところに聳え立つ。

子育てという次のフェーズに進むにあたり、私はこの日本に生まれた以上受け入れないといけないことがあるのだ。きっと、子供のように大切にしてきたこの「仕事」については独り立ちさせなければいけない時が来たんだろう。

と、前向きなことでも私自身が考えていないとやってらんない。

もう、君(仕事)は他の人が携わっても問題ないところまで成長したし、私1人が抱えるには大きくなり過ぎた。今までそばにいて、色々考えて、君(仕事)がよくなるようにと尽力を注いできた結果なんだろう。なんて思ったら、また時間が経って、私の元に戻ってくることがあればいいよね。それまでお互い、離れることも必要なのかもね。

あと僅かとなった君(仕事)と向き合う時間を大事にしなきゃな。なんて、ポエミーなことを考えて今昼食を食べてる。