ミルトン・エリクソンとは、こんな人だった!
1980年代に亡くなったアメリカの精神科医・ミルトンエリクソンは、現代催眠の父と呼ばれる精神療法の権威だった。
普通の会話をしながら、いとも簡単に催眠誘導してしまう。
その繊細な言葉の使い方は、彼自身が開発したものであり、芸術とすら称えられたほど。
彼は17歳の時に、全身が麻痺し、病床についたが、そこでの退屈しのぎとして、自分の家族を観察し、知らなかった言葉の側面について発言した。
例えば、自分のネクタイを緩めながら、「この部屋はちょっと暑くないか?」と言うと、その仕草に気付いた相手は、「窓を開けましょうか?」と席を立ち、窓を開ける。
また、「窓が開いているのですね」と言うだけで、「窓を閉めて下さい」と同じ意味をなし、それはつまり「窓を閉める」という催眠をかけたことになる。
相手に直接命令することなく、自発的に行動させる。
それが、エリクソンの誘導の仕方だった。
こういったことは、日常生活の中で非常によく見られる会話、そして光景である。
ごく普通の会話、普通の行動に何か潜らせることで、相手を思い通りにコントロールする。
それが現代催眠の考え方なのである。
この暗示のタイミングは、オフビートと呼ばれる相手の警戒心が薄れている瞬間、打ち合わせ前の雑談、他愛もない立ち話のときがベスト。
エリクソンの催眠誘導は、様々なパターンがあるので、是非調べてみるといいだろう。