「コミュニケーションスキル」って言うけど、ホントは職種や会社によって違う
ここ数回、「求人の具体性」について語ってきました。具体的に書かれていない一例に、対象欄にコミュニケーションスキルやそれに類する言葉が書かれていることがあります。
それは野球選手募集に「スポーツ経験をお持ちの方」と言っているようなものです。間違いではないものの、もっと具体的に「野手経験」とか「投手経験」「セカンドを守っていた経験」など書いたほうが、より欲しい人材を説明しています。
同じように、コミュニケーションスキルも職種や企業によって求めているものが異なります。たとえば、無形商材の営業の場合、コミュニケーションスキルとは「相手のニーズを引き出すスキル」を表していることが多く、一方、商社営業だと「お客様と仲良くなれる/可愛がられるスキル」を表していることが多いです。
しかし、これらのスキルは、例えばホテルスタッフやケータイショップスタッフのコミュニケーションスキルでは、必ずしも必須ではありません。彼ら・彼女らに求められるコミュニケーションスキルは「ホスピタリティ」に紐づくスキルです。
もちろん、同じ職種であっても企業(業界)によっても求められるコミュニケーションスキルは異なります。
確かにふわっと書くと、なんとなく合っているかなと思ってもらえる可能性はあります。10名も20名も未経験を採用するのであれば、それでもよいでしょう。しかし、2~3名ほどしか採用しない、あるいは経験者を採用する場合は、ふわっとした表現はおすすめしません。
的が絞られているほど、「自分のことだ」という自分ごと化が必要だからです。
もし、求人を出しているのに対象の人物からの応募がない、という場合は「対象欄」を再考するのも一つの手です。特に経験者募集で、ふわっとした表現ばかりであれば、なおさらです。
ただし、詳細に書けばいい、というものでもないのが難しいところ。職種名もそうですが、詳細に書けば書くほど、解像度が上がれば上がるほど、対象が明確になる一方、少しでも外れると「自分には無理だ」となってしまうからです。
そのサジ加減がプロの腕の見せどころでしょう。
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