Webエンジニアって人気だけど、ホントにいいの?
最近、未経験界隈で人気のWebエンジニア(未経験界隈って何だよ)。なんでもそうですが、人気だからといって飛びつくと、痛い目に遭ってしまいます。
改めてWebエンジニアを解説し、本当に自分のやりたいことなのか、転職してもよいのかの判断としてください。
■Webエンジニアにも種類がある
世の中でWebエンジニアで呼ばれている職種は、正確にはいくつかの職種をまとめて呼称しています。具体的には以下のとおりです。
コーダー/マークアップエンジニア
フロントエンドエンジニア
サーバサイド(バックエンド)エンジニア
スマホアプリエンジニア
クラウドエンジニア(インフラ)
THEエンジニアとイメージできるのは、サーバサイドエンジニアやスマホアプリエンジニアでしょう。しかし、フォーカスされているのはコーダーやマークアップエンジニアのスキルです。
というのも、(言い方が悪いですが)コーダーのスキルのほうが簡単なんです。おそらく、世の中のWeb記事やスクールでは最初にHTML/CSSを教えるはずです。HTML/CSSを使ってコードを書くのが、コーダー/マークアップエンジニアです。
簡単な部分だけを見せて、「こんな簡単な仕事で、年収○○万円も夢じゃない!」と、世の中はあおってます。それは不誠実ではないでしょうか。
そもそも、HTML/CSSとは?という方へ。今見ているWebページを表示させるためのスキルだと考えてください。20年ほど前だと、デザイナー系職種として注目されていましたが、今はフロントエンドエンジニアやWebデザイナーがコーダー/マークアップエンジニアの仕事も兼ねており、この仕事だけで成立することは少なくなりました。
では、そのフロントエンドエンジニアとは何者か。簡単に言えば、さきほどのHTML/CSSに加え、JavaScriptやPHPを使って、動きのあるWebページを制作するエンジニアです。
今の時代、動画が流れたり、アイコンの上にカーソルを置くと変化するWebページは当たり前です。Amazonのサイトをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。フロントエンドエンジニアは、そのようなコードも含めてHTML/CSSを書いています。
ECサイトの買い物かご・決済システムといった画面には見えない部分を開発しているのが、サーバサイド(バックエンド)エンジニアです。
スマホアプリエンジニアは、その名の通り、スマホアプリを開発しています。
クラウドエンジニアは、上記のエンジニアが開発したWebページやシステム、スマホアプリを動かすために必要なインフラを構築するエンジニアです。
■本当に求められているのは、Webエンジニアではない
ここで結論を言いますが、世の中に求められているのはWebエンジニアではありません。デジタル技術を使ってDXを実現できるエンジニアです。AIやIoTといった技術はWebやスマホアプリと連動するので、Webエンジニアが注目されているに過ぎません。
もちろん、技術的なことを言えば、十分Webエンジニアのニーズは高いのですが、世の中が言っている言葉を鵜呑みにしてはいけません。さきほど述べたとおり、コーダー/マークアップエンジニアの需要は高くなく、今から転職したところで、高収入にはなれないでしょう。
デジタル技術系のエンジニアとごっちゃにして「今、Webエンジニアがイケてる!」と喧伝するのは、詐欺に等しいと言えます。
また、サーバサイドエンジニアも仕事内容によって注意が必要です。特に自社サービスの運用フェーズに入っている企業に入社すると、PHPあたりを使って運用保守が中心となり、新しい技術を磨けません。
難しいことを言えば、運用フェーズであってもDevOpsやSRE、ITサービスマネジメントなど、今後求められるスキルを身につけられるのですが、未経験という視点から考えると、それらを見極められるとは思いません。
■Webエンジニアという言葉に、踊らされていませんか
改めて聞きます。本当にWebエンジニアになりたいですか?
やりたいことがある方はぜひとも頑張っていただきたいですが、世の中の風潮やトレンドに乗っかっているだけなら止めたほうがいいです。
なぜなら、Webの世界は本当に技術の変遷が早く、特にフロントエンドは追いかけきれないほどです。JavaScriptのフレームワークであるjQueryは一斉を風靡しましたが、数年で零落し、新しいフレームワークに取って代わられつつあります。
ITエンジニアは勉強し続けなければならない、と言いましたが、その最先端がWebエンジニアです。クラウドエンジニアなんてAWSやGCPなどのサービスのなかでも新しいサービスが出ており、いったいどれだけ追いかければいいのか、と感心するほど。
一回技術を身につけたら、新しく覚えたくないという方はITエンジニア以外か、ITエンジニアだったらCOBOLやVB.NETなど技術的な頂点を迎えた言語をオススメします。(それも失礼な話ですが)
重要なことはキラキラしたイメージ”だけ”で転職しないこと。本当に自分ができるのか、将来性があるのかを調べることです。