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エンジニアキャリアの明日は、どっちだ

取材をしていると、20代後半から30代にかけて自分のキャリアについて考え、転職をするエンジニアが多いように思われます。(ここでいうキャリアは、出世やポジションアップという意味であり、詳細なスキルについては言及しません)

megamouth氏が語る内容は、SIerあるいはSESを前提に語られています。

こんな給料じゃ、所帯も持てないだろうから、出世させて管理職にしてやろう、なんてことを言ってくれる経営者はどこにもいなかった。35歳の熟練プログラマがやるべきポジションといえば、マネージャーとかリードテックといったものがあったが、それはたたき上げのプロパーが狙うポジションというよりは、LinkedInとか転職ドラフトとか、経営者仲間とか、そういういった伝手から立派な経歴を持った人たちを落下傘で降下させる場所だった。

出世においてプロパーより外部から優秀なエンジニアを持ってきて、組織やビジネスをなんとかしよう、という意識は昭和型の古い経営陣に多く見られます

「自前のプロパーが無能だから」とまでは言わないまでも、話を聞くと「プロパーのメンバーでは難しいなぁ」と口数が少なくなるのは、共通した特徴です。

社内インフラの管理、メールアドレスの発行、サーバーの管理保守。そうやって私はいつのまにか35歳になった。

典型的な運用・保守の仕事で、ストックフローを得ているビジネスモデルだと推察されます。このような企業でのキャリアはメンバーを管理するリーダーのポジションしかありません(本当は違うのに、PL/PMと名乗っているケースも)。

キャリアの選択肢がなく、運用・保守を担当するプログラマーを大量生産することになります。当然、利益が低いのでプログラマーの給与は上がらない。

しかし、転職しても上記のようなスキルで35歳では、他社は「スキルが低すぎる」と判断し、転職することができません。できたとしても、同じようなSIerやSESに限られます。こうしてIT土方が拡大再生産されるわけです。

あるプログラマが怒って、あなた方は私たちの経験を過小評価している、少しは給料を上げてくれても、労働環境を良くしてくれてもいいじゃないか、と訴える。

(中略)

リーマンショックとか、今回のようなコロナみたいな不況が来ると、正社員でなくなった彼らの多くは一斉に契約を延長できずに会社を去ることになる。放たれた不景気の荒野に他に仕事はなかったから、多くのものが、SESや人材派遣のような非正規職についた。
やがて嵐が去って、景気が戻ると、生き残りのプログラマたちを、経営者がニコニコ顔で迎え入れる。「やはり安定が一番だろう?」

そして、上記のような経営者が訳知り顔でドヤるわけです。しかし、このような状況を生み出しているのは、この経営者自身です。そこにIT業界の闇を感じるのは私だけでしょうか。

一方、Web・インターネット業界のキャリアの未来は明るいものの、取捨選択が非常に難しい。技術が日進月歩で変化し、それに伴うポジションやキャリアを選択しなければならないからです。

というのも、Web・インターネット企業は技術力の上にサービスやビジネスが成り立っており、技術の成長がなければ淘汰されるからです。

その意味で、本当は技術的なキャリアとビジネス的なキャリアがある、はずなんですが、、、、

どうしても技術的なキャリアによってしまい、ビジネス的なキャリアを思考するエンジニアは多くありません。そのため、エンジニアに対してビジネス的なキャリアを用意している企業は少ないと言えるでしょう。

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ただ、スライド表示されていた「自身の仕事のモチベーション、仕事の価値観を探る・知る」の、7つの分類は自身のキャリアを考える上で、非常に参考になります。

この全てを叶えられる会社はないかもしれません。しかし、優先順位を決めれば、不本意なキャリアや転職を防ぐことができます。

■エンジニアが描くべきキャリアとは

SD資料のtoshimaru氏が語っているように「自分の道は自分で決める」は正しい。

しかしながら、自分で決めるためには情報や指針が必要です。指針は自ら決めるにしても、情報を得なければ、それが妥当なのか可能なのかはわかりません。

SIer、SES、Web企業では明らかに描けるキャリアは異なります。もちろん、ITコンサルタントや社内SE(情報システム部)も異なります。技術的なキャリアを描くのか、ビジネス的なキャリアを描くのか、あるいはプロマネ的なキャリアを描くのか。選択によって得られるものと得られないものがあります。

本当は「エンジニアのキャリアとは、これだ!」と明確に答えられるとよいのですが。取材をすればするほど、エンジニアは細分化されており、共通するキャリアは存在しない、と感じます。

技術が革新されるたびにキャリアも変化しています。だからこそ、今、自分がどこに立っているのかを明らかにすること、それは間違いなく必要です。

良いのか悪いのか、会社が用意したキャリアではなく、自らキャリアを切り拓かなければなりません

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似非教授
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