【EDH・統率者】黒い《沈黙》こと《夜寄せ》【MTG】
素直に《沈黙》を使おう。
《夜寄せ》というカードがある。
黒2マナのインスタントで、ターン終了時まですべてのクリーチャーが黒になり、すべての土地が沼になるカードだ。
効果自体はこのカードの登場以前に存在したエンチャントなどで実現可能なものなのだが、置物と違ってインスタントなので奇襲性に優れ、ヘイトを稼ぎにくい。特にすべての土地を沼にする効果の方は《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》のような沼の土地タイプを追加するのではなく、《血染めの月》のように実質基本土地の《沼》と同様の状態にするので、土地から黒以外の色マナが生み出されなくなる。そのため、適切なタイミングで使えば黒を含まないデッキをほぼ機能停止に追い込め、《沈黙》と同じような挙動になってくれるだろう。
すべてのクリーチャーを黒にする効果の方はプロテクションがほとんど使われなくなった現代で役に立つかは怪しいが、《アクローマの記念碑》などのプロテクション(黒)を持たせる効果との相互作用が見込める。あと畏怖と威嚇が機能しなくなる。 欠点としては黒がらみのデッキに対して完全なロックにならないことと、EDHという環境では土地タイプの変更がさほど致命的ではないところか。
土地をすべて沼にすると黒マナしかでなくなるわけだが、逆に言えば黒マナは出るので黒いデッキに対して《夜寄せ》はほとんど妨害にならない。例えば、青黒のようなデッキであれば打ち消しが飛んでこなくなるが、黒の除去が飛んでこない保証はないだろう。
また、意図的に隠していたが《夜寄せ》を唱えるのに対応してマナは出せるため、引き出すだけ引き出してそのフェイズやステップ中に（つまりマナが消失する前に）インスタント・タイミング限定とはいえ、黒以外の色マナを使うことは可能である。
もっと言えばEDHではマナを生み出すアーティファクトがそれなりに使われるため、《夜寄せ》を撃ったからと言って黒がないデッキが色マナを必ずしも出せなくなるわけではない。印鑑なりタリスマンなりから色マナが出てきて動かれる可能性は大いにある。
斯様に抜け穴はいくつかあるものの、ハマった時の強さは《沈黙》同様であると思うので、白を含まない黒がらみの統率者デッキを使っていて、黒マナで動くことの多い構築をしているのであれば、採用してみてはいかがだろうか。
固有色に白があるなら素直に《沈黙》入れたほうが強いと思います。