【EDH・統率者】Lv6:《策略の龍、アルカデス》/Arcades, the Strategist、あれから【MTG】


はじめに

 大体一年ちょっと前に《策略の龍、アルカデス》を統率者にしたデッキをnoteに投稿した。

 この頃はまだ敬体で書いてたんだな……。
 およそ一年という期間はEDHのデッキを改良するのに十分な時間であり、当然、《策略の龍、アルカデス》も無縁ではない。
 とはいえ、この一年で実用的な壁あるいは防衛持ちのクリーチャーの追加は碌になく、防衛を持たない《床岩の亀》がギリギリ、全体除去に巻き込まれる《突撃陣形》の亜種として使えるかどうかと言ったレベルだ。
 そのため、新規カードで強化されたというよりも、対戦を通してデッキの見直しを図った結果、改良が進んだだけと言える。
 要するにあれからデッキ弄ったのでまた見てほしいってことです。

デッキリスト

 見ての通り、前回の記事から採用しているカードはさほど変化がない。
 特にクリーチャーに関しては不作の一年だったため、ほぼ代わり映えしないのがわかるだろう。
 そのため以降の解説は大きく変わった点についてのみ説明する。

変更点

大型クリーチャーの採用

 そんな変化の少ないクリーチャー枠の新人として、新たに《E. Honda, Sumo Champion》と《誓いを立てた巨人》が入った。

別名《Baldin,Century Herdmaster》
重厚デッキならではの採用

 Lv6くらいの戦場だと当然クリーチャー戦がメインになるため、それに強くなるためにこの2枚を採用した。
 《誓いを立てた巨人》はシンプルに打点上昇をしてくれる上に警戒で隙も減らしてくれるナイスカード。パワーが3でなければ……と思うことが多いが、パワー3だからこそ良いこともあった(後述)。
 E本田の方は自分のターンの間、すべてのクリーチャーを重厚(パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る)にして、E本田の攻撃時に自分の手札分+0/+Xする(この強化能力は最大100体しか対象に取れないが100体も並ばないので気にしなくて良い)。
 相手ターンに6マナ0/7バニラになる上に自身が攻撃しなければ能力が誘発せず、更に修整値が手札の枚数依存という、コラボにしてももう少しなんとかなっただろと思う性能をしているが、なんだかんだ手札2枚程度でも圧はある……と思いたい。アルカデスはドローしやすいし、ね!

門の採用

 前回のデッキからの最も大きな変化が、門の採用だ。

これのために門を採用

 《門の維持》は自分の門の数だけ、+0/+1修整を与えるカードで、タフネスが増えるということはすなわち《策略の龍、アルカデス》のような重厚デッキでは打点も上昇するということである。
 そのため、バルダーズ・ゲートで大幅に増えた門とギルド門を採用している。パワーが上昇するからと《バジリスク門》だけ採用しておらず、全部で9枚しか門が入っていないので《迷路の終わり》は採用できていない。
 しかし、とある理由から《バジリスク門》(を入れることで門が10になるので《迷路の終わり》も)を入れて良いのではと思い始めている(後述2)。

強力なアド発生カードの採用

 主に《現実チップ》、《翼套の司祭》、《野生のつがい》、《Rammas Echor, Ancient Shield》を指す。

壁ですって言ったら多分騙せる
実質2体目のアルカデス
これを利用してうまくコンボパーツ揃えられると気持ちが良い
アルカデスと非常に相性が良い

 《現実チップ》は防衛を持たないクリーチャーだが、換装によって装備したクリーチャーに《未来予知》と同じ、ライブラリトップからカードをプレイできる能力を持たせてくれる。《斧折りの守護者》や《草茂る胸壁》で大量にマナを確保できるが吐き先がないという状況が多かったので吐き先の一つとして採用した。
 安定性で言えば換装の手間がなく、エンチャントである《未来予知》の方が破壊されにくくて良いのだが、3色デッキなので最速での青トリプルシンボルの確保が困難そうなのと、《突撃陣形》や《厳戒態勢》、あるいはE本田などの非防衛クリーチャーも重厚にするカードの影響下で戦闘に参加できるためこちらを採用した。

 《翼套の司祭》は個人的なポリシーから前回のデッキに入っていなかったカードで、1/1の鳥・トークンでも勝てればいいか……となって入ることになった。
 アルカデス同様に防衛持ちクリーチャーのエントリーに反応するため、このデッキにおける2枚目のアルカデスとして振舞う。
 《跳ね橋》がいればETBで出た鳥・トークンが速攻で動けるのと、《突撃陣形》のような非防衛クリーチャーも重厚にするカードがあれば《門の維持》などによるタフネスへの修正がそのまま打点に変換されることは覚えておきたい。

 《野生のつがい》はこのデッキにおいては多種多様なカードを引っ張ってこれる優秀なサーチカードだ。
 手札からクリーチャーを出したときに誘発し、そのP/Tの合計値が同じクリーチャーをライブラリから戦場に出せる。
 壁・クリーチャーのP/Tは0/3、0/4、0/5などで固まっている上に、戦場に出ればアルカデスで1ドローできるため、連鎖させやすい。
 楽しい動きとしては、0/3には、マナがあれば速攻を持たせられる《歩く防壁》と防衛持ちの数だけ好きな色マナを出せる《斧折りの守護者》がいるため、どちらか片方からもう片方を持ってきてすぐにマナを引き出せるというものがある。
 また、コンボパーツだけでなく、2マナ0/7の《ガラクタの壁》から上述の3/4であるためP/Tの合計値が7である《誓いを立てた巨人》やE本田のような戦闘面に強いクリーチャーを持ってこれたりもするので柔軟性が高い。

 《Rammas Echor, Ancient Shield》はアルカデスが戦場にいる状態ならば無限にアドを稼ぎ続けられるかもしれない強力なエンチャントだ。
 各ターン、自分が2回目の呪文を唱えるたびに誘発し、1ドローと防衛持ちの0/3壁・トークンを出す。
 トークンが防衛を持っているということは、アルカデスでも1ドローできるので、2回呪文を唱えても手札が減らない。なんなら2回の呪文が両方とも防衛持ちだとその分と合わせて合計4ドローで手札が2枚増える。強い。
 また、自ターンの戦闘開始時に防衛持ちクリーチャーが賛美を持つという能力も持っており、これにより、アルカデスで統率者ダメージを与えて勝つことが現実的になってきた。
 仮に1ターンに2回防衛持ちのクリーチャーを唱えると、壁・トークンと合わせて賛美持ちが3体になり、打点上昇の効率が非常に良いのだ(そして4枚ドローできているので次も同じ動きができる可能性が高い)。
 前述の《バジリスク門》を入れていいんじゃないかと思った理由がこれである。
 この殴りプランをデッキに組み込む場合は《ならず者の道》や《接続トンネル》のようなアンブロッカブル手段も組み込みたいところ。アルカデスのパワーが1以下だったら《逃亡者、梅澤哲子》が適用できて良かったんですけどね……。

回避カードの採用

 《奇妙な幕間》と《信仰の見返り》が該当する。

自軍をブリンク
このターン墓地にいったものを戻す

 このデッキは防衛持ちのクリーチャーを並べるデッキなので全体除去に弱く、その対策として打ち消しをそれなりに入れていたのだが、自分よりも多く展開するプレイヤーや、立っていると困るクリーチャーを除去するためにやむを得ず打ち消しを温存するということが多かった。
 そこで打ち消しを抜き、全体除去を回避する方向にした。

 《奇妙な幕間》は自軍のクリーチャーを望む枚数追放し、終了ステップに戻す、いわゆるブリンクカード。
 自分だけは全体除去の影響を受けず、戻ってきたときにアルカデスと防衛持ちクリーチャーがいれば手札も増えるという一石二鳥である。

 《信仰の見返り》はこのターン、自分の墓地に置かれたすべてのパーマネント・カードを戦場に戻す。
 《奇妙な幕間》と異なりクリーチャーだけでなく、エンチャントやアーティファクト、果ては土地やPWまで戻せるため、柔軟性が高い。基本的には複数のカード・タイプを巻き込む全体除去の復旧用だが、どうしても戻しておきたいカード1枚を戻すために使うこともある。

マナ基盤安定クリーチャーの採用

 《門を這う蔦》と《花咲く蔦壁》を指す。

門を持ってこれる
土地を持ってこれる

 《門を這う蔦》は0/2と貧弱だが、防衛を持ち、門を持ってこれるため、このデッキでは最大2枚分手札が増える。アルカデスが戦場に出ていなくとも、門の要である《ガンド門》をサーチできるのは大きい。
 《花咲く蔦壁》もまたサイズが小さいが、ライブラリの上から6枚を見て土地を持ってこれる。
 土地であればなんでもいいので色事故を時折防いでくれる。
 確定サーチではないので信頼性は低いものの、0/2であるため《野生のつがい》があれば《門を這う蔦》と合わせて最大4枚分のアドになるのが助かる点。
 またマナ基盤の安定という意味では《森の女人像》も入れたいのだが、なんか絶妙な高さで買いたくねえ~ってなってる。

終わりに

 以上が主な変更点である。
 細かい点を見ていくと打ち消しがごっそり減ったり、土地の枚数が増えたり、採用マナファクトが変わっていたりとあるが、伝えたかった変更点はこの記事内に書ききったと思う。
 前回の記事からここまでの間、《策略の龍、アルカデス》を用いたデッキは特に強化がなかった。防衛持ちで低パワー高タフネスの優秀なクリーチャーが刷られることがなかったからだ。
 《床岩の亀》のような重厚デッキそのものに対する強化はあったものの、防衛を持たずアドをもたらさない《床岩の亀》をアルカデスに採用するかは未だ疑問である(追加の《突撃陣形》はあって損はないとは言え)。

 そのため、今回の記事に書いた変更点は前回の記事執筆の時点で自分が気付いていなかったシナジー、あるいはカードがほとんどで、有識者から見ればあまり新鮮味はないかもしれない。
 ただ、これから《策略の龍、アルカデス》を使ったデッキを組みたいと思ったPWへの道しるべになればと思い記事を書いた。
 少なくとも、note上に自分よりも新しい《策略の龍、アルカデス》のEDH記事を書いている人はいない(多分)ので、誰かの参考になれば幸いである。

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