【EDH・統率者】《策略の龍、アルカデス》と《欠片の壁》【MTG】

 《欠片の壁》というカードがある。

 2マナ1/8という驚異的なP/Tに加え、何と飛行も持っているクリーチャーだ。
 そのデメリットとして、防衛と、累加アップキープを持っている。
 ただ、防衛を持っていることで《策略の龍、アルカデス》を統率者にしたデッキに採用が可能となり、2マナで8/8飛行という驚異的なスペックで活躍できるようになった。
 もう1つのデメリット、累加アップキープとは、自分のアップキープごとに経年カウンターが乗っていき、その数だけ何かしらのコストを払うというものだ。
 一般的には(1)を支払わされ、2、3ターンも維持できれば上等という状態になる。
 ところが《欠片の壁》の支払うコストは対戦相手1人に1点のライフを与えるというものだ。マナを支払うことがないため、非常に維持しやすい。
 経年カウンターの数だけ1点のライフを与えるので、2点3点と増えていき、いずれ《策略の龍、アルカデス》の能力によって得た打点、8点を超えてしまうが、多人数戦であるEDHでは累加アップキープの機能が味方する。
 累加アップキープのコストは選択肢がある場合、1回ごとに選択を行い、その後すべてのコストを支払うか、あるいはすべて支払わないかの選択を行う。《欠片の壁》の場合、いずれかの対戦相手とあるため、多人数戦であれば選択肢が生えてくる。そのため、例えば8回分のライフ回復を3と3と2のように分割し、《欠片の壁》自身の打点よりも低く抑えることができるのだ(多分)。そのため、理論上は21回分のライフ回復までなら殴り先に対してダメージを与えられるようになる(他2人が7点ずつ回復しているのは見ないものとする)。
 加えて、他者のライフを回復するということは、全体のライフを均等に保つことができなくもないということだ。極端に凹んだ相手を回復することで恩を売ったりできる。もっとも、《欠片の壁》の打点の高さでヘイトを買い、大抵は自分のライフが一番凹んでいたりするのだが。
 先述の通り、《欠片の壁》の累加アップキープは見た目以上にデメリットにならない上に、自身の打点が2マナ8/8飛行相当なのも非常に強い。
 飛行という回避能力はなんだかんだ強力で、よほどのことがなければ戦闘を制し、確実に8点を叩き込める。
 2マナという出しやすさも《策略の龍、アルカデス》を出すまでの壁としての頼もしさに繋がっているだろう。先に出しても《策略の龍、アルカデス》を順当に4ターン目に出すことができれば多少の回復は誤差だし、後から引いても2マナという軽さで8/8飛行は頼もしい。
 欠点としてはあくまで戦闘ダメージを与えることができれば累加アップキープによるライフ回復はなかったことにできるということなので、戦闘を妨害されるとやや厳しい。《欠片の壁》が棒立ちになる、あるいは戦場が膠着している状態だと《欠片の壁》は対戦相手のライフを回復しづつける置物と化す。
 ただ、これに関しても本当に気になるなら累加アップキープを支払わずに生け贄に捧げることが可能だ。2マナで実質8/8飛行という優秀さに加え、デメリットである累加アップキープも多人数戦ではより気にならない。
 《欠片の壁》は《策略の龍、アルカデス》を使うなら採用して損はない1枚である。

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