自然栽培を成功させる育苗土の作り方
「自然栽培」をやってみたいのだけど、「育苗土」はどうすればいいのかな?
市販のモノはみんな化学肥料が入っているので使えないし・・・
自然栽培の農家はどうしているのだろう???
この記事では、そんな「自然栽培」を始める多くの人がぶつかる育苗土の問題について解説します。
著者について
2011年に自然栽培の農園「ナチュラルハート」を開業して10年の専業農家です。
この記事では、私が試行錯誤の末にたどり着き、現在も愛用している育苗土の作り方について説明します。
育苗土とは
「育苗土」とは、畑ではなく、ビニールハウスの中などで苗を育てる(つまり育苗する)時に利用する土のことです。
なぜ畑に直接種を蒔かないのかというと、理由はいくつかありますが、1つはまだ寒い時期に寒さに弱い夏野菜をビニールハウスの中で育てることによって、寒さや霜にあたって野菜が死んでしまうのを避けるためです。
ビニールハウス内で育苗された夏野菜の苗は、霜が降りる心配がなくなる時期に畑に移植されます。このことを定植といいます。
ところで農業の世界には、「苗半作」という言葉があり、「苗の出来でその作物の出来の半分が決まる」と言われていて、農家は育苗にとても気を使っています。だから「育苗土」もとても大切なんです 。
私が新規就農時に使っていた育苗土
新規就農時は育苗土のことでとても悩みました。なぜなら「自然栽培」は肥料も農薬も使わないので、市販の育苗土はみんな「化学肥料」が入っていて使えません。
ならば自作しようということで、「山の土をふるいにかけたもの(写真)」に、「市販の腐葉土」や「赤玉土の小サイズ」をミックスして使いました。「山の土」にはその土地にずっといる菌が含まれるため、近くの畑で野菜を育てるのにも効果があるのではないか?と考えたからです。
結果は今から思うとダメでしたね。特に赤玉土は水を何回もあげていると固まってしまい、水はけが悪くなり、苗の生育にも悪影響が出ました。
また、土のパワーが足りないというか、苗を畑に移植する前に生育が止まったり、枯れてしまうものがあり、「良い苗」にはほど遠い状況でした。
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