ハロプロとBBBBBBBの馬鹿馬鹿しい表層、そしてその全ての高潔さについて
基本的にハロプロのMVなどはすぐ見つかるが、
見て欲しいのでこちらに公式のリンク貼っておく。
2個目に貼った
BBBBBBBの車に乗って海に行く
ライブ映像(?)も必見なので、ぜひ
ハロプロとBBBBBBB(https://x.com/BBBBBBBofficial)、
モー娘。などでご存じつんく♂プロデュースのアイドルプロジェクトと、
愛知県在住の、西園寺流星群、MRO、澤の3人で活動しているVICTORY HARDCOREユニット。
前者も後者も、上記のMVやライブ映像を見ていただいたら、説明するよりどういった存在であるか分かってもらえると思う。(注意!2組、特にハロプロに関してはこのような雑な語りが続きます。)
見た通り二つともでたらめで、いたずらにポジティブな存在。
レゲエやガバ、ロシア民謡や沖縄民謡、気になったものは全て飲み込んで
咀嚼して魔改造して排出して大騒ぎ。
めちゃくちゃにカッコいい音楽にのせて、見せつけられる本当に過剰な
変な動き。
西園寺流星群(BBBBBBBの髪が短い方)さん曰く
「動き大喜利」らしい。
その表現はもちろんハロプロにもかかっていて、どう考えてもダサすぎるけど大喜利で考えた?という振り付け多数。
何人もの大人が関わっているとは思えない形。まさに「あえて」の象徴。
自分が高潔だと思っているのは、
クオリティの高い音楽(主題)を下敷きにしつつ、本人たちが本気でそう思ってはいないのに、あえて馬鹿馬鹿しいまでのポジティブさを全力汗だくで「やる」こと。
いかに疲れていようとも、いかに辛くとも、いかに馬鹿馬鹿しくとも、
ただ単なるウケ狙いだとしても、全く同意できなくとも、嫌々でも、
「ポジティブをやる」ということ。
言葉としてそれを発していること。態度としてそれを形にしていること。
わざと自分がどう見られるか、消費のされ方を、
そういった馬鹿馬鹿しい形に誘導しているということ。
つまり自分達の「表層」を、
わざとそういうでたらめな姿にしているということの、高潔さ。
クオリティの高い主題と、でたらめすぎる表層。
もちろんクオリティの高い主題に関して正当に評価するのは当たり前、それがあるからこそ成り立っている存在で。
でも、表層だけを取り上げて語ることは敬意に欠ける、馬鹿にしていると言われたら少し待って欲しいと思う。表層と主題は切っても切り離せないし、表層は主題になりうる存在。
人類は絶対にルッキズムから逃走できないけど、でも、人はファッションで、行動で、表層で意思・思想の表示をすることができるようになった。
音源を出すだけじゃなく、自分からステージに立って、ライブを、見た目と行動を、つまり表層を観客に見せる表現をするということは、プロデュースされた意思表示の発露に他ならない。続けていく中ででたらめな形がいつのまにか形成されていて、自分の見せたい表層と見られる表層の形が違っていて、それが自分のコントロール外の出来事だったとしても、観客は丸ごと、見たまま体験したまま消費する。
ハロプロとBBBBBBBは、ある程度成り行きの傾向は強いと思うが、結果的に表層と主題を作るのがうまいと個人的に思う。
自分達の形を自分のコントロール下においている。どう消費されたいか、
どう思って欲しいかをすごくストレートに形にして馬鹿馬鹿しいことをしつつ、下敷きにされている主題の素晴らしさは誰もが知るところにある、というバランス。「あえて」彼ら、彼女ら(彼女らをプロデュースする存在)はそうしている。それに価値を見出していて、観客もそれに共鳴している。
その表層は、本人たちにとってはただのウケ狙いの形かもしれない。
こんなに全力でポジティブをやったら面白いでしょ?という、ちょっとした思いつきの精神から生まれたものかもしれない。叫んだり、歌ったりしている内容を、本当にどうでもいいと思っているのかもしれない。
アイドルなんて特にプロデューサーが管理して、作詞家・作家の書いているものを咀嚼して、振付師の通り、納得してるかどうかは別として全力でパフォーマンスするものだし、BBBBBBBも、そんなこと思ってるわけないんだから、ということしか言わない。小岩BUSHBASHで「広げていこうぜ恋の輪!」とか。ふざけて景気のいい、でかい声で、面白いことを言う、
というパフォーマンスでしかないと思う。
しかし、その嘘の中に、演技の中に、ただのパフォーマンスの中に、
眩しいまでの高潔さと、泣きそうになるほどの希望が潜んでいる。疲れている時、悲しんでいる時、絶望している時、退屈している時、それが嘘で演技だと丸わかりでも、爆発するような明るさ、面白さを本気の全力でおこなってくれることの尊さを感じながら、いつも見ている。
過剰な体の運動、過剰なポジティブ、過剰なものが、強烈な陽性の存在として、全てを照らす。それは何の意味もない。何の解決にもならない。ただの気まぐれ、ただの嘘。
現実はマイナスなことでいっぱいだ。政治不安、戦争の危機と戦争の現実、今も殺されている人たち、その中で、今の所安全地帯でのうのうと馬鹿面晒して生きる自分、ホルモンの分泌や気圧配置による単純な鬱。精神疾患。根深いトラウマ、人間同士の不和、諸々。本当に諸々の。
こんな状況で本当にポジティブなことを真実信じてる奴は、ただのバカとしか言いようがない。
そんなのどこを探してもないんだから。希望なんてないんだから。人は死ぬし、物は壊れるし、世界は滅亡に向かっているんだから。でも、そこで絶望しか見ていない奴は、たくさんいる。絶望を直視している人は、当たり前のことをしている。
でも、それを全て分かった上で、そんなこと全く信じていなくて、
ただの馬鹿なことだと分かった上で、ただのウケ狙いで、ただの景気の良さで(あるいは本気だとしてもふざけにまぶして)大きな声で、
ポジティブなことを叫び続ける、歌い続ける、その類まれなる高潔さ。
すごいよなって、思います。(小並感)
最後に二組に捧げる詩を書きます。
2組のおすすめ曲一覧
BBBBBBB
「SHIN GOD」
「SHIN GOD2」2曲ともMV必見
ハロプロ
「愛の園 〜Touch My Heart!〜」モーニング娘。おとめ組
「As One」℃-ute
「cha cha SING」Berryz工房
追記:(分かりやすいようにハロプロで括ったが、娘。の話しかしなかったことを申し訳なく思います。)