
レイダリオのPRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則 単行本 – 2019/3/21の本を昔買いました。
全世界100万部突破!
世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者が、独自の哲学をすべて明かす。
私はいま、自分の成功よりも、
他人の成功を手伝いたいと思う人生のステージに来た。
これから、私の人生に役立った
「原則」をお教えしよう。
世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であり、世界の経済界が注目する偉大なる投資家が「人生と仕事の原則」を明かす。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
イントロダクション
私の考えを伝える前に、私は、知っているべきことに比べたら知らないことばかりの「馬鹿なヤツ」だということをはっきり言っておこう。人生で成功と言えることがあったとしたら、私が何かを知っていたからというよりも、知らないことにどう対応するかを知っていたからだ。私が学んだいちばん重要なことは、いくつかの原則(Principles)に基づいて人生にアプローチすることだ。それは、何が事実で、それをどうするかを知るのに役立った。
これから、この原則をお伝えしていこう。それは、自分がもっと成功するよりも他人の成功をお手伝いしたいと思う人生のステージにきたからだ。この原則は私や周りの人の役に大いに立った。だからあなたに伝えたい。ほんとうに原則が役に立つか、役に立つとしてどう使うか、すべてはあなたが決めることだ。
原則は、人生で望むことを手に入れるための基本的な行動に役立つ基本的な事実だ。同様の状況下であれば、何度も繰り返し目標達成のために使うことができる。
毎日、対応しなければならないことが嵐のようにやってくる。原則がなければ、人生でぶち当たるすべてのことに、初めて遭遇する経験であるかのように、いちいち対応せざるを得なくなる。そうする代わりに、状況をタイプ分けして、それらに対応する原則を持っていれば、もっとよい判断をもっと早くできる。その結果、もっとよい人生が送れる。よい原則のパッケージを持つのは、成功のレシピを持っているようなものだ。成功した人はみな彼らを成功に導いた原則を持っている。何に成功したいと思うかは、じつにさまざまだから、原則もさまざまだ。
原則に基づくというのは、明確に説明できる原則を使って、一貫して動くことだ。残念ながらそうできない人が多い。また、原則を書き出して、人に伝えようという人は稀だ。これはまったく残念だ。アルバート・アインシュタイン、スティーブ・ジョブズ、ウィンストン・チャーチル、レオナルド・ダ・ヴィンチなどが、どのような原則に導かれていたのか知りたいものだ。そうすれば、彼らが何を求めていたのか、どのように達成したのかをよく理解できただろう。そして、異なるアプローチを比較することができたのに。政治家がどんな原則をもっとも重視しているのかがわかれば、投票するのに役立つ。私に影響を与える決定をする人すべての原則を知りたい。家族、コミュニティ、国家、そして世界各国の友人たち、みんなを結び付ける共通の原則を私たちは持っているだろうか? あるいは、私たちを分裂させるような対立する原則を持っているのか? それは何か? 具体的に言おう。原則をはっきりさせるのが今はとりわけ重要なときだ。
本書を読んであなたがベストと思う原則を見つけ、できれば書き留めてほしい。そうすれば、原則を明確にでき、相互理解が深まるだろう。より多くの経験を重ねじっくり考えていけば、原則に磨きをかけていくことができる。それはよりよい決断をするのに役立ち、あなたはよりよく理解してもらえるようになるだろう。
自分自身の原則を持つ
私たちはさまざまな形で原則にたどりつく。自分自身の経験や反省から。あるいは両親のような周りの人の原則を受け入れることもある。宗教や法体系のような総合的パッケージを適用することもある。
私たちは誰しも自分の目標を持ち、異なる性格を持つから、それに合った自分自身の原則を選ばなくてはいけない。他の人の原則を使うのは必ずしも悪いことではない。だが、深く考えずに使うと、自分の目標や性格にそぐわない行動となるリスクがある。同時に、あなたも私と同様、知るべきことすべてを知ってはいないだろう。その事実を受け入れるほうが賢いというものだ。オープンに、冷静に、何をするのが自分にとってベストかと自分の頭で考え、それを実行する勇気を持てるのなら、あなたは人生を最大限謳歌することができるだろう。それができないのなら、それはなぜかを考えよう。人生で望むものを手に入れようとするときに大きな障害となる可能性があるからだ。
そこで、私の最初の原則となる。
●自分で考え、
1)何を望んでいるのか
2)何が事実か
3)2 に照らし合わせて1 を達成するには何をすべきか、
決めよう
それを謙虚に、オープンな気持ちで行おう。そうすれば可能な限りベストな考えを得られる。原則を明確にすることは重要だ。原則は1 日に何度も生活のあらゆる局面で影響を与えるからだ。新たな人間関係を築くとき、どう付き合うかは、あなたの原則とその人の原則で決まる。価値観と原則が同じであれば、仲良くやっていける。さもなければ、つねに誤解と衝突に悩まされる関係になる。身の回りの人を考えてみよう。価値観は同じか? そもそもその人の価値観や原則を知っているか? 人との付き合いでは、相手の原則がはっきりしないことが多い。これは組織においては問題だ。成功するためには、同じ原則を共有する必要があるからだ。だから、本書の文章1 つひとつで私の原則が明確になるように努力した。
どのような原則を選ぼうとかまわない。それが本物であれば。つまり、あなたのほんとうの性格と価値観を反映していればということだ。人生では山のような選択をしなければならない。自分の原則に照らし合わせて選択するだろうから、あなたはどのような原則に基づいて行動するかを周りの人はすぐにわかるようになる。最悪なのはまやかしだ。まやかしだったら人の信頼を失い、あなたも自尊心を失うことになる。だから原則を明確にし、「言行一致」させねばならない。整合性に欠けることがあれば、説明すべきだが、それを書き留めるのがいい。そうすれば、自分の書いた原則に磨きをかけることができる。
私自身の原則をこれから伝えていくが、よく考えもせずにそれに従わないでほしい。それははっきりしておきたい。1 つひとつ疑問を抱き、それから選んでいってほしい。そうすればぴったりの原則を得られるはずだ。
以下アマゾンの感想
「高次元の思考」を使って、「感情的な低次元」の自分をコントロールする
レイ・ダリオが成功した理由は、マルチ・タスクをこなす上で、個人の特性や能力の理解を徹底的に研究して、原則(プリンシプル)という形で、組織とAIに補完的に融合させていった結果のようです。
つまり人間という対象をとことん探究していった足跡がこの本です。
どんだけ完璧主義者なんだろうと思うけど、65歳にして海外で投資している私として、学ぶべき点を抽出してみました。
失敗から学べとか、シェイパーズを見習えとか、この歳で無理な部分はともかくとして、私が注目したのはレイが、脳科学の研究成果を応用している事実です。
人間のファースト思考が扁桃体の「不安・恐怖・怒り」の感情から影響されている、一方で、スロー思考は大脳新皮質前頭前野の「合理的思考」によるという行動経済学の成果を応用しています。
>高所に立ち、自分や他人の状況を客観的に見る能力を「高次元の思考」と私は呼ぶ。高次元の思考により、因果関係が人生にどのような影響を与えているかがわかり、それによって望む結果を得ることができるようになる。
>よい習慣は「高次元の自分」が望むことをする。
>習慣は脳を「自動操縦」モードにする。神経科学の用語では、大脳基底核が大脳皮質に取って代わり、まったく考えなくても行動ができるようにする。
>最大の課題は、思慮深い高次元の自分が感情的な低次元の自分を管理するようにさせること。
>「おおよそ」の概念を理解し、近似値を使おう。たいていのことは「おおよそ」で理解すれば済む。
人間の脳もAIもいろいろな可能性を探ることで予測を立てる、ベイズ予測分布を応用している筈です。
>普通、勝利に導く決定は、プラスの期待値を持つ。すなわち、得られる報酬と確率をかけ合わせた数値が、罰則に確率をかけ合わせたものよりも大きくなる。最善の決定は最高の期待値を持つものとなる。
>重要な決定はコンピュータよりも人間が上手にする。並外れた成功を遂げた人たちを見れば、それがわかる。ソフトウエア開発者、数学者、ゲーム理論を構築する人が手柄を得ているわけではない。普通の常識、想像力、固い決意を持つ人たちが成功を手にしているのだ。
>人間とマシンの組み合わせは素晴らしい。人間の頭脳がテクノロジーと働くとき、私たちは前進できる。土地を耕して生計を立てていた経済から、今日の情報時代へと高めてくれた。だからこそ、常識、想像力、固い決意を持つ人で、何に価値を見出し、何を求めるかがわかり、さらにコンピュータ、数学、ゲーム理論を使える人が最高の意思決定者なのだ。
>私自身は、因果関係を深く理解する興奮、リスク低下、教育的価値といったことのほうが、理解しないアルゴリズムに依存するよりもはるかに魅力的だと思うので、そちらの道に惹かれる。
AI投資の先駆者レイ・ダリオが、こんな血の通ったことを考えていると分かっただけでも、わずかな資産を減らさずになんとか生涯運用したいと願っている高齢者の私に勇気を与えてくれました。
世界ナンバーワンのヘッジファンドであるBridgewater創業者の本。
本書はいろいろな読み方があります。
たとえば組織論の教科書としてもよいし、人生をどう送っていけばよいのかという点でも学びがあるし、著者がどのように卓越したファンドを創ったのか知りたい人にとっても役に立つと思います。
私自身にとっては、何事も時代の先端を取り入れるのが重要なのだな、という点が一番印象に残りました。
レイ・ダリオの成功は、コンピュータを積極的に使って投資するスタイルを先駆けて導入した点にあると思います。
彼があそこまで成功したのは、もちろん彼が類まれなる知性と努力を積み重ねてきたからだと思いますが、一番重要なものは何かというと、新しいものを見つけて積極的に投資に生かしてきたからなんじゃないかなと思いました。
(同時に、今の運用業界にそういう新しい何かがあるのかな?というと、あまりないような気もしますが・・・)
とにかく私にとって本書はいろいろ考えさせられる本でした。
投資経験がある程度ある人におすすめ。特にいつかは自分でファンドを作ろうと思ってる人は絶対に読んだほうがいいです。
スペインを始め、西欧にブリッジウォーターがあったら間違いなくダリオ氏は逮捕だろう。
それぐらい、アメリカらしい、さらに上をいく経営哲学を実践している。
気に入ったのが「エゴを捨てろ!」だ。
そしてエゴと盲目が企業を蝕むという金言も素晴らしい。
超越瞑想TM実践者の超越した、まさに地球を惑星として上から見ている如くの高い視点は魅力的だ。
地表しか見ていない二次元的視野の日本の金融およびIT関係者とは大違いだ!
えてして「瞑想」とかいうと、やれスピリチュアルだ、宗教だのとのたまわる多くの金融・IT関係者の実に浅はかなこと。
内省なしには人間は進歩しないのだ。このことを瞑想を通してダリオ氏はよく知っている。
マインドフルネスのような浅いものでは無い、しっかしとした根深い洞察をえれる瞑想が大切なのだ。
本書は一般的なウォール街的視点でないところが、本書の卓越したところであり、大いに学ぶべきところだ。
本書は語り口調で、冗長なところも見受けられるが、アイディア本位主義に慣れるためのトレーニングと理解すれば、脳みそに新たな回路を作るため、短期記憶の反復作業だと思えば、合点がいく。
通常優秀なアメリカ人でさえ、このアイディア本位主義を行動に写すのに18ヶ月の研修と最低経験を積んだ二人のサポートが必要と言っているのだから、一読したぐらいで頭で解ったようになっている人は、まさに解雇予備軍っていうわけだ。
そいういう意味で、本書は座右の書として、いやしなくても、常に手の届く本棚に置いておくべき本であると言える。