星来 香文子(ほしな かやこ)
創作大賞2024 ホラー部門応募作品
「これだからゆとりは…」と言われないように、頑張ってきたけど、もう限界でした。
タイトルそのままです
本日発表された中間選考結果にて、ホラー小説部門に応募していた「そこに、君の死体が埋まっている」が通過しました! ありがとうございます!! このところ、コンテストに応募しても中々思うような結果が出ていなかったので、本当に嬉しいです。 それに、本来ならもう数話番外編を書くつもりでいたんですが、身内に不幸がありまして書く時間がなくなりまして……少し不完全燃焼のままのエントリーとなってしまっていました。 大丈夫だろうかと不安になっていたんですが…… 残れて本当に良かったです!!
カクヨムコン10に向けて、新連載『痘痕の光』という和風異世界×ホラーを開始しました。 月和国という和風異世界を舞台にした、怖くて少し不思議な短編連作ホラーです。 カクヨムコン10にはホラー部門もあるのですが、和風異世界が舞台の話なので、ライト文芸部門にエントリー予定です。 4〜5本くらいの同一世界が舞台で、主人公がそれぞれ別々になっております。 応援のほどよろしくお願いします。 また、先月note創作大賞2024の最終結果が発表されましたね。 中間選考に残っていた拙作『そ
『その溺愛、過剰です!?』コンテストにエントリーした中編『ヴァンパイア・ドールズ』と、第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞にエントリーしている長編ミステリ『類を惹く』が無事に完結しました。 これで長編は18作品完結させたことになりますね。 どこか出版社の編集の人、早く私を見つけてくれ(涙) さて、実はこの他、カクヨムで連載中の作品が5作(エッセイ、短編集は除く)あるのですが、この5作は、リメイクして新たにやり直そうと思ってます。 先々週か先週の大河ドラマ『光る君へ』でも、
その1『月宮殿の王弟殿下は怪奇話がお好き』完結今年の4月よりカクヨムにて連載していた『月宮殿の王弟殿下は怪奇話がお好き』が完結しました。(全61話/約14.9万文字) もともと出そうと思っていたコンテストの応募規定の文字数をオーバーしてしまったので、ネトコン12にエントリーしています。 カクヨム版 小説家になろう版 https://ncode.syosetu.com/n1462jf/ その2 第23回角川ビーンズ小説大賞 一次選考通過!! 先日、第23回角川ビーンズ
9月末締め切りの 第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 にミステリを応募しております。 今回もカクヨムからエントリーしておりますので、読んでいただけたら嬉しいです。 タイトルは『類を惹く』。 去年初挑戦した、第44回の反省も含めまして、普段より極力改行を減らし、文字詰め詰めして書いているので、はっきり言って読みづらいです。 私自身、横書きで改行少ないの見ると、私でもマジで読みづらいなと思ってつい飛ばしてしまうので…… 縦書きだとちゃんと読むんですけどねぇ…… 謎ですね
私は怖くて、その後、どうやって家に帰ったのか覚えていません。 そのことを誰にも話せずにいました。それまで、兄が羨ましくてつい、辛く当たっていたこともあったのですが、私は態度を改めました。 兄は、あんなことをして、あんなことをさせられて、私たち家族の生活を守ろうとしているのだと知ったからです。できるだけ、兄には優しく接するようになりました。 けれど、兄は高校二年生の時、突然死にました。警察は遺書が残っていたので自殺と判断しましたが、その内容は嘘ばかり。私はすぐに兄の
昔から、この町の町長は世襲制でした。 堀さんという方が、古くは戦国時代からこの辺の土地を持っていたそうで、大工だった私の父は、よく堀さんの依頼でこの町の色んな建物の建築に関わっていました。代々そうなのですが、この町では堀さん一家に誰も逆らえないんですよ。 もし、何か堀さんの機嫌を損ねるようなことでもしてしまえば、この町で普通に生活するのは難しいといわれていました。今は、だいぶ人口も減って、時代も変わりましたから、そういう圧力みたいなものも昔ほどはありませんが、一応、まだ
信じられなかった。きっと、何かの冗談だと思った。 そうだろう? だって、僕たちはあんなに愛し合っていたんだから。きっと、恥ずかしいんだ。 「ごめん。でも、こうでもしないと、理くんは逃げるだろう?」 「放せよ……!!」 「嫌だ、ねぇ、教えてよ。さっきの続き」 後ろから君を抱きしめ、肩に顎を乗せ、熱くなっている下半身を君に押し当ててた。それがあの夏の二人を彷彿とさせて、僕は幸せだった。実際に君に触れると、全然違う。君の体は思っていたよりずっと冷たくて、僕の体温で温めて
いつからそこにいたかなんて、そんな昔のことは忘れてしまった。始まりはなんだっただろうね。気づいた時にはそこにいた。ただ、それだけだよ。自分が何者かなんて、知りはしない。ただ、そこにいた。ずっと。多分、この場所に名前すらなかったずっと前から。ずっと、ずっと、そこにいた。 いくつも時間が流れて、誰かがここに住み始めた。それから、死んで、埋められたり、放って置かれて、鳥や虫が彼らをついばんで、腐って、溶けて、土になる。風に流れて舞い落ちて、雨が降って、固まって、揺れて、流れて
日曜日になっても、月曜日になっても、龍起くんは帰ってこなかった。土曜日に一緒に遊びに行ったというクラスメイトは大勢いて、確かにカラオケをしたと言っていた。途中で帰ったらしいが、その後の足取りは、まったく不明だった。田舎のこの町には、防犯カメラなんてほとんど設置されていない。 そして、もう一人、龍起くんと一緒にいなくなったのが、五月に転校して来たという山中理くんという同級生だった。警察署で山中くんの母親と会ったけど、山中くんは小学四年生の秋から小学五年生夏までこの町で暮らし
自然豊かな田舎の町。唯一の小学校は私たちの次の代から一学年一クラスになり、この町の人口のほとんどが今ではほとんどが高齢者。そのうち、人口はどんどん減って、町自体がなくなっていくんだろうなと、子供ながらにふと考えたことがある。どこにでもある田舎。土地は広いから、大型ショッピングモールだけはあって、町外からやってくる人はいるけれど、そこまでの町。こんな町はどこにでもある。 けれど、そんなこの町の中に、唯一、一軒だけ次元の違う家があった。 先代の町長の家だ。まるで洋館のよう
親として、犯罪を犯しているなら、それを正してやらなければならないと、そう思ったからです。母親として当然の行為です。 カメラはその日のうちにネットで注文して、操作も簡単なものを選びました。ペットや小さい子供の様子を離れたところで見守るのに使うものです。今時、みんな使っているもので、買っても何も不審に思われることはありません。 そうして、私はあの子の部屋での様子を監視するようになりました。そうしたら、あの子……やっぱり、変だったんです。学校から普通に帰って来て、部屋で勉強
おかしな話ですよね。 元夫から、息子の遺体が見つかったと聞いた時、最初はとても驚きました。 親権も養育権もすべてあちらにあるとはいえ、あの子は————龍起は高校二年生です。今年の初めに一度会った時、身長は百七十五センチを超えていました。私の身長なんて、もう何年も前に追い越されてしまっていたのに、警察署で見せられたあの子の骨は、どう見ても小さかったんです。多分、私と同じくらいの身長でした。小学生五年生の頃だったと思います。あの子がそれくらいの身長だったのは…… 遺体が
小学校の裏山。六年前の記憶を辿って、腰の高さまで伸びた雑草をかき分けて、たどり着いたのはあの夏よりも荒廃が進んでいた秘密基地。あの日以降、きっと誰もここへ来ていない。南京錠のかかった、錆びついた緑色のトタンの扉。 周りに落ちていた適当な石を掴んで、無理やり鍵をこじ開ける。彼を埋める時に使った大きなシャベルは、雨で洗い流されて、泥も血も残っていない状態だったのを、この小屋の中に放り投げた。とても重たくて、翌日ひどい筋肉痛になったことを思い出した。 埃まみれで転がっていたそ
あの頃から六年も経っている。それも、小学五年生から高校二年生という成長期の真っ只中。まだまだ身長は伸びている。体つきや声も大人へと成長している。別人と思われてもおかしくないほどに変わっているのだから、違うのは当たり前のことだ。その過程で、黒子が薄くなった可能性もなくはない。黒子なんて手術で消すことができる。でも、それでも、これは違う。 俺は、違うと思った。そう、感じた。理由はわからない。ただ、違う。そう感じた。よく似た別人。彼のふりをしている偽物だと思った。 「何するん