映画健忘録:SRサイタマノラッパー/入江悠
自分のやりたい・好きを追い求める、心はいつまでも少年。埼玉でラップをやってるオトナ青春劇。2009年の作品。
2020年122本目。えり(@errnzabesu2)です。
コロナの影響で交友関係が断捨離され、もっぱら映画が友達。映画から学び、事故理解を深めるような社会派映画が好きな舞台女優。好きな監督の映画に出ることが目標の映画健忘録。
私の過去、現在も身近にラップをやってる人はいません。音楽グループの『リップスライムや『ケツメイシ』のドライブや夏に聞きたい曲として程度です。
ラップのプレイヤーに対するイメージも、反抗的な態度やアウトロー的な…渋谷のセンター街にいそうな騒ぐ人たちという、知らないからこそ勝手なイメージを作り上げていました。(私の主観)
本当のラップとは何か。外見や独特な雰囲気こそ抵抗感はあるものの、私たちが知らない深みを見せて従来のイメージを覆す…という作品ではありませんでした。
劇的なことは起きないけれど、監督の社会や夢を志す人間との対比やメッセージも伝わり、観賞後は作品内容ではなく、低予算を感じさせる荒削りな作品自体が輝いているような作品。
ラップがテーマですが、表現活動を職業にするということでは同じことが言えます。
認知度が低い、無名である、食べていけない、フリーターであるetc人様に迷惑はかけていなくても、社会的に一定の理解や納得するような条件を満たしていなければ、認められない。もしくは肩身の狭い思いをする。
一方、主人公の同級生役の女の子はAV女優という一つの職業を手に入れたが(本人が目指していたのかは定かではない)、悪いことは何もしていないのに違う理由で肩身の狭い思いをする。
私の社会的な肩書きは、専門学校を卒業してからずっとフリーターです。あっ、2019年末から個人事業主になりましたが、主にウーバーイーツの配達業としてなので、職業としての女優は程遠いです。
「好きなことを目指していていいね」と言われことが今までに沢山あります。私の人生において、やりたいことが演劇・表現。
安定した生活・収入を手に入れるための仕事よりも、オシャレや贅沢するよりも。好きなことに費やす優先順位がものすごく高くて、他人と比べるものではありません。
話がそれましたが、どんな境遇や状況であっても、好き・やりたいは生きる希望や原動力。
技術的に未熟であっても、目的に向かってその人がその時に考え得ることを全力で取り組む。その姿に人は心動かされるのだと思います。
それがこの作品のクライマックスのシーンでした。
人間だから楽したいし、だらけちゃう。本当はやりたいけど言えない、強がって弱い自分を受け入れられない。怖い。曖昧すぎる交友関係や人間味がリアリティがあって好感。田舎とウダウダ感と日常のテンポ感より、観てる人が追い越してしまう。私の性格かな?ちょっと中だるみしました。
テレビでよく見るような俳優でないところも良いです。
深夜ドラマのサイタマノラッパーにエキストラで出たことがあります。顔と名前の売れてるアイドルや俳優さん。その時と比べても、無名であるがゆえ人物に余計な先入観なく見れます◎
社会的立場の弱者、知性や外見が劣っているからと受ける理不尽な暴力、そんな主人公が熱い想いを胸に一発逆転を狙う王道ロードムービーではないところが良いです。
似てるオトナの青春作品
『ボーイズ・オン・ザ・ラン/三浦大輔』
冴えない内向的な主人公が、恋愛をキッカケにわずかな男らしさを奮い立たせ、恋敵を討ちに行く。大人なのに汗と童貞感あふれる、笑って泣ける話。
『百円の恋/武正晴』
実家引きこもりニートが、100円ショップのバイト先で出会った恋愛をキッカケにボクシングへ目覚めて、恋愛も生き方も変わってゆく自分磨き燃焼系ムービー。
この二作品は日常にあることだけれど劇的だし、作品としての完成度も高いです。
私の感想を自身の経験を交えて書いていきます。
マガジン登録してください!(無料だよ)