テクスチャーキング「チョコモナカジャンボ」
僕は、森永製菓株式会社の「チョコモナカジャンボ」が好きだ。冬でも食べる、夏も食べる。春も秋も食べている。しかし、好きで食べていても「なんか今日のチョコモナカジャンボは、いつもと違うな」と感じるときがある。
なぜだろうなぁと、思って食べ続けていると、なるほど、表面のモナカがシナシナなときがあるのだが、その時の満足度が、自分のなかで明らかに低いことがわかった。
「ははーん、自分はこのザクッとしたモナカのテクスチャー(食感)が好きなんだな」
それに気づいたとき、「待てよ、そもそも、チョコモナカジャンボってテクスチャーだけで、食べさせてないか?」という仮説が思い浮かんだ。
チョコモナカジャンボ基本データ
話しを始める前に、まずはチョコモナカジャンボの基本データをまとめておこう。
商品名:森永アイスチョコモナカジャンボ(半角アキなどなし)
種類別:アイスミルク(無脂肪乳固形分8.0%、乳脂肪分3.0%、植物性脂肪分5.0%)
原材料:チョコレートコーチング、砂糖、モナカ(小麦・卵を含む)、乳製品、植物油脂、水あめ、デキストリン/加工デンプン、乳化剤(大豆由来)、セルロース、安定剤(増粘多糖類)、香料、アナトー色素、カロテン色素
内容量:150㎖
※デキストリン、セルロースは食物繊維の一種。
ここで、チョコモナカジャンボがアイスミルクであることに注目したい。ミルク入りのアイスは、乳脂肪分の含有量によって種類が異なることはよく知られている。
乳固形分 乳脂肪分
アイスクリーム 15.0%以上 8.0%以上
アイスミルク 10.0%以上 3.0%以上
ラクトアイス 3.0%以上
チョコモナカジャンボの選び方
先にも触れたように、テクスチャーキング「チョコモナカジャンボ」の本領を120%発揮するための絶対条件は、モナカの新鮮さ(ザクッと感)である。
しかし、まれにモナカがシナシナな時がある。これにあたると、同じ150円を払っても、まったく別モノを食べた気になる。
どうしてもザクッとしたチョコモナカジャンボだけを食べたいので、いろいろな実験をしたのだが(コンビニとスーパーのを食べ比べたり、定点で同じ店で買い続けたり)、どうしてもどんなときにシナシナになるのかがわからなかった。
そこで、これだけは申し訳ないのだが、じっさいにモナカの袋の上から、端っこを爪で少し押して判断している。指先にチリッとした感覚があれば、ザクッとな新鮮モナカである。
チョコモナカジャンボの姿
チョコモナカジャンボは、3×6の18等分にわけることができるが、僕は3×2づつ割って、3回に分けて食べる。
もし、手元にチョコモナカジャンボがあるのであれば、一緒に食べてみてもらいたい。
3×2のかたまりをまず口に入れてみよう。購入時にモナカの状態を確認していれば、まずザクッとモナカの食感を感じるだろう。そして、すこしやわめのアイスミルクが一瞬前歯をくぐりぬけた瞬間、再びパリッとした板チョコをかみ砕くことになる。
ザクッ、スゥ、パリッ。
ひと口目のテクスチャーはこんな感じだと思う。
その時、板チョコをかみ砕いくまでの一瞬の香りに注意してほしい。おそらくその瞬間は、モナカの香ばしい香りがしないだろうか?
そう。ひと口目は、モナカの食感と香りが一気に押し寄せる、モナカアタックが押し寄せるのだ。
そのままです咀嚼を進めてていくと、次にくるのは、板チョコのパリッとした食感が溶けて消えて、香りと甘味を感じることになるだろう。
チョコレート自体は、甘味にも、苦味にも、それほど個性を感じない。最初のパリッとした食感が、もっとも衝撃的で、それ以降は並みである。
以降は、口内での調理の経過、つまり、アイスとチョコが溶けていくバランスがひじょうにいいことを意識したい。
偉大なる3番手、アイスミルク
賢明な読者であれば、すでに気づいたであろう。アイスミルクの名脇役ぶりを。誤解を恐れずにいうならば、チョコモナカジャンボにおいてアイスミルクは、モナカと板チョコを支える偉大なる3番手なのだ。
すべては、ダブル主演のモナカと板チョコのテクスチャーを引き立たせるため。
もし仮に、アイスミルクがミルク感の高いアイスクリームだったらどうだろう? おそらくファーストタッチの印象は同じでも、そのあとの口内滞在時にミルクの香り、油脂によるまとわり感でて、パリッから変容していく板チョコの変化に気づきずらくなるだろう。
仮にラクトアイスであれば、もうチョコの存在が強まってしまうはずだ。
食感といい、わざとらしい香りのなさといい、とにかく、このアイスミルクが絶妙にモナカと板チョコのテクスチャー、そしてその感覚を助長させる香りを際立たせているのだ。
このアイスミルクのずっと3番手でいつづける感じ、すごいんだよな……。
チョコモナカジャンボに学んだ「おいしさ」の感じ方
チョコモナカジャンボのテクスチャーキングぶりから、テクスチャーと香りを最大限にコントロールできれば、ものすごい満足感を得られることがわかるだろう。
この体験は、「おいしさ」が、かなりの大部分で味覚以外の感覚に左右されることを語っている。
実は、僕自身が、味だけをおいかける「おいしさ」に疑いをむけるきっかけになったのは、チョコモナカジャンボのおかげなのである。
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