見出し画像

Food HEROesで見つけてほしい「現在地」

日本の人口が将来減っていく。そんなニュースをよく耳にします。

それは将来ではなく、すでに始まっていることでもあります。

たとえば、現在壮年期にあたる38歳(1985年)になる人たちの出生数は、143万1577人でした。それから、15年、この春大学を卒業し社会人になった23歳(2000年生まれ)の出生数と比べると119万547人で17%ほど減少しています。

さらに、5年後の現在18歳になる2005年生まれはさらに11%減少し106万2530人、さらに現在8歳の子どもたちは(2015年生まれ)の出生数では2000年から17%減少して100万5721人になっています。(出典

未来の働く人口が、確実に減ることがわかっているなかで、若い人口の就職率の低さも指摘され、終身雇用はなくなり、社会全体では勤続年数も短くなっています。

さらにコロナ禍でついた外食業界についたマイナスのイメージも深刻です。2019年に420万人いた宿泊業,飲食サービス業の人口は、2020年には391万人(2019年比7%減)、2021年は369万(2019年比12%減)と、もっとも減少した産業でもあります。(出典

もともと離職率が高い外食業界にあって、コロナ禍で離れていった人材を含めると、アフター・コロナの世界を考える上で人材の確保・育成といったことが、店の集客やブランディング以前のベーシックな課題になってくるはずです。

そもそも、外食業界の人材不足は今に始まったわけではありません。長らく慢性的な人材不足の要因を揚げることはいくらでもできますし、その要因を知りながら解決できていないということは、厳しい言い方をすれば、この先も同じ問題に向き合い続けることになるでしょう。

ある種、過酷ともいえる今後の日本で生き抜くためには、これまでのように1店舗のなかだけで教育・指導・キャリア形成をしていくこと自体が困難といえるのではないでしょうか。

人材の育成は、社会全体が行う時代へ――。外食店がグループ・団体になって情報交換や知見を高め合い、あるときには、個店の垣根を越えて人材を流動させながらキャリアを形成させていく。

ーーーーーー

Food Heroes」は、そのなかでいったいなにができるのでしょうか。

オンラインサロン「Food HEROes U-30 COMMUNITY」では、同世代の飲食人との出会いを通して、「隣の人が何をしているのか」を可視化させたいと思っています。

そのなかで、自分の現在の環境がどう恵まれていて、何が自分に足りなく、それは外部リソースでどれくらい埋めることができるのか、という「自分自身の現在地」を知ることができるようになるはずです。

ちょっと話は脱線しますが、26歳で編集プロダクションに入って、同期にどんどん先を行かれて自身喪失していた28歳の僕は、「この会社だから自分の力を発揮できないんだ」とここじゃないどこかを探し、音楽雑誌の編集の募集に何度か応募していました。

ずっとバンドを組んで、音楽を聴いてきたし、もともと知識から入るタイプでもあって音楽雑誌は好きで買いあさっていたから、2年も編集やっていれば、履歴書にも書けるし雇ってもらえるはずと、自分の未来を信じ切っていました。今だからいえますが、こっそり「図書館行ってきます」とかいって就業中に履歴書と課題作文を書いたりもしていたほどです。

しかし箸にも棒にもかからず。1つだけ面接までいった「ミュージック・マガジン」では、採用担当の編集者の方に「君は、音楽は知っているかもしれないけど、他のことを知らなさすぎる。もっといろいろなことを学んだ方がいい」といわれました。

当時の僕はまったくピンときていませんでしたが、今は「ほんとマジそれ」で、あまりにも社会や大人の世界を知らなさすぎで、社会人として未熟でした(このエピソード自体が、恥ずかしすぎる)。

28歳といえど、社会人2年目で、まぁそんなもんだよという反面、その時を思い返して思うのは、自分がもつコミュニティがあまりに少なすぎて物事の視野が狭かったということです。

もし当時の自分にいえることは、同世代の別の編集者に会え、違う会社の先輩編集者に会え、仕事以外の趣味をもてということでしょうか。所属するコミュニティをいくつももつことで、社会性は広がると思うんです。

Food HEROesは、当時の僕にとっての「同じ志をもつ同年代のコミュニティ」になればいいと思っています。あの頃の僕のように所属コミュニティが少ない人たちにとって、視界が広がる場所になれればいいなと。

ーーーーー

「FoodHEROes MAGAZINE」は、メディアの役目を忠実に果たしたいと考えています。

メディアの役目とはなにか。僕は、新しい価値観(カルチャー)を生み出すことだと思っています。

Food HEROesが目指すカルチャーは「これからのフードシーンを生み出していくのは20代の若者である」ということです。

このことを広く多くの人たちが当たり前のように認識して、そのために彼・彼女たちに注目し、ときに批評し刺激を与えながら、刺激的な未来のフードシーンを生みだすことをともに楽しんでいくような世界を実現させていきたい。そうする先に、飲食業界は未来志向の有能な若者が集い業界が活性化していきます。

若い人材が活躍できない業界は、必ず衰退する。それは、出版業界で働いていた僕が感じていたことでもあります。

If you want to be an artist, be a chef.
(君がアーティストになりたいなら、シェフを目指せ)

自分自身を表現する(つまり承認欲求を満たすことができる)ことは、今の時代にとても大事なことだと思っています。

それを含めて、上のような言葉をFood HEROesのサブキャッチにつけたのは、料理人という職業が(もちろんソムリエもパティシエも)、憧れられる職業になるために、もっとも大事なことだと思うからです。

ーーーーー

Food HEROesの情報は、料理人2.0(今後、Food HEROesに名称を変更)でもお知らせしていきます。ぜひLINE登録をお願いいたします。

料理人2.0 LINEはこちら


料理人付き編集者の活動などにご賛同いただけたら、サポートいただけるとうれしいです!