フランスの発言はなぜ叩かれたのか
こんにちは
投稿からまだ時間も経ってませんが、前々から気になっていたことがあり、勢いで書かせていただきます
本当に勢いと記憶だけで書いており、参考文献を調べる余裕がなかったので、間違いなどございましたらご指摘ください。ご容赦くださいませ
さて、去年の年末に、2003年に福岡で一家4人を殺害した中国籍の男性を日本の法務省が死刑を執行したニュースを覚えていますでしょうか？
この出来事も、色んな意見があると思いますが私は法律に聡い訳ではないので、置いといて
今回取り上げたいのはこの件に関する駐日フランス大使館のこのツイートです
中国人死刑囚1人の刑が今日執行されました。フランスはヨーロッパ連合のパートナー諸国と同様に、いかなる場所、いかなる状況においても死刑に反対しています。不公平、非人道的かつ犯罪抑止効果がないこの懲罰の世界的な廃止を呼びかけます。
— フランス大使館 (@ambafrancejp_jp) December 26, 2019
文章を見る限り、先進国として人権主義の立場から言っているな、またフランスは死刑廃止国なので、全うな意見を言っているだけに見えるかもしれません
しかしこのツイートのリプライを見ると、「なに言ってんだ（意訳）」と否定的な意見が多い気がします
死刑がない国なのに、なぜこんな言われようなのでしょうか？
これは、フランスの法制史を見ると分かります
さて、ここで読者の皆さんに問題です
フランスの処刑方法といえば「ギロチン」が有名だと思います
＊ギロチン、Wikipediaより
フランスにおいて、「ギロチン」による処刑が廃止されたのはいつだと思いますか？
ちなみに、フランス革命は1789年〜1799年までです
1799年？19世紀半ばくらいまで？
残念。正解は…
１９８１年
なんとわずか40年くらい前
ちなみに、ギロチンが最後に使われた例は１９７７年
しかも当時の世論調査でも６２％が「死刑支持」と答え、死刑廃止が憲法に明記されたのは２００７年…
死刑に関しては人のことあれこれ言えた立場じゃねえだろ！
余談ですが、公開処刑も最後の執行例は１９３９年６月
＊ルイ16世の処刑光景。こんな光景がたった80年前まで行われていたとは…（Wikipediaより）
第二次世界大戦が始まるのが同年９月のポーランド侵攻なので、その3か月前まで執行されていたことになります
しかも公開処刑廃止の理由が…
公開処刑の様子を何者かに撮影され、その模様を映画館で公開されたり処刑の写真が新聞にの一面を飾ったから、というもの
公開しといて上映・記事にするのはNGなのかよ！
……などとツッコむのは野暮ってものでしょう
ちなみにこのとき多くの観衆がつめかけ、「群集が臆することはなかった」と言われるほどだったとか…
フランスって華やかなイメージがありますが、他方このような残忍性も秘めていたということですか
ところで、なぜギロチンが使われ続けたかと言うと…
それはギロチンを使用したほうが人道的だから
？？？となった読者も多いでしょう
ギロチンが死刑執行の手段として認められたのが1791年
それ以前の処刑方法は…（閲覧注意）
斧を持った執行人が死刑囚の首が取れるまで何度も振り（自主規制）
四肢と馬や牛とを縄で繋ぎ、馬や牛を叩くと暴走して死刑囚の体が（自主規制）
車輪に体をくくりつけ、四肢が粉砕（自主規制）
…こんなことがつい230年前までまかり通っていた訳です
それらに比べたら、一瞬で首が落ち苦痛を感じないで確実に死に至る断頭台はいい！となった訳で
ちなみにこの「ギロチン」、一般にはジョセフ・ギヨタンの名前がつけられたと言われておりますが…
彼は議会で「残酷な処刑は控えるべきだ！」と発言したに過ぎず、実際に設計・開発したのはアントワーヌ・ルイという人物で
ですがギヨタン博士のほうが有名になってしまい、彼の一族はこれを恥として姓を変更したのだとか
…ホント、フランス革命ってロクなことありませんわ
最後に、フランス革命でギロチンの露と消えた人物について
フランス革命で処刑された人物といえば、ルイ16世や王妃マリーアントワネットが有名だと思います
しかし革命では王族以外にも処刑された人が大勢おり、その犠牲者の数は一説に200万人、革命後のナポレオン戦争による被害者も含めると500万人近くが犠牲になったと言われます
それがどれほど酷いって、「質量保存の法則」を提唱した化学者のラヴォアジェを
「革命に科学は不要」
と言い捨て処刑したり（は？）
＊ラヴォアジェ（Wikipediaより）
フェミニズム運動の先駆けといわれるオランプ・ド・グージュを
「オレたちのやり方に反対する奴は女性でも容赦しないぞ✨」
として弁護士すらつけさせずに裁判＆即日処刑
＊オランプ・ド・グージュ（Wikipediaより）
ルイ16世とマリーアントワネットとの間の息子、ルイ・シャルルに対しては
・王族なんだから平民の気持ちを味わせてやる！と靴屋に派遣され毎日DVと虐待
・王族の品位を落とすため自慰を強要
・売春婦と無理矢理性交させられ性病感染
・両親処刑後はトイレのない部屋に監禁（どうやって用を足したかは御想像にお任せします）
＊ルイ・シャルル（Wikipediaより）
いかがでしょうか。こんなに非人道的なことしておいて、まあそれは200年以上前のことだから大目に見るとしても、西側ヨーロッパの中で一番最後に死刑廃止して、つい数十年前までギロチンや公開処刑してたような国が他国の死刑にあーだこーだ言うな！という訳なんですよ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました