《葛宇路》
北京市内の命名されていない道路に、末尾が「路」である作家自身の名を付けていく。案内標識を建てるとweb上の地図が連動して、正式名称として登録していき、標識は撤去されてもweb上にはしばらく情報として残るところまでを客観的に追ったドキュメント。
(8/19 武藤 隆)
©️mayu.h
葛宇路(グゥ・ユルー)
1990年武漢(中国)生まれ
北京(中国)拠点
湖北美術学院影像媒体芸術系卒業、中央美術学院実験美術学修了。公共空間における個人の抵抗を題材に作品を制作する。《葛宇路》は、作家の名前の末尾が「路」であることを利用して、北京市内を通る複数の名もなき道路に自身の名前を命名。道路名を示す案内標識を勝手に設置することによって、2015年中頃には中国のオンライン地図サービスが次々と「葛宇路」を道路の正式名称として登録した。公共とは誰のものか。そこではどのような目的でどのような機能が存在し、どうやって管理されているのか。世界はどのように形作られ、そこへの私たちの参加はいかにして認められるのか。事の顛末を追体験することで、鑑賞者は掴みどころのない「公共のメカニズム」に触れる。(あいちトリエンナーレ2019公式サイトより抜粋)
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