A15:シール・フロイヤー
《Untitled(Static)》
最終日、名残を惜しみに芸文へ。何で締めくくりたいかなあと考えた結果これを選んだ。透明のドームの下は不思議に静か。何はなくともまず作品の前に足を運び“ひとりで”知覚に向き合わなければ始まらないという現代美術鑑賞の基本に帰らせてくれる。
(10/18 なお)
©竹内久生
シール・フロイヤー
1968年生まれ英国籍
ベルリン(ドイツ)拠点
コンセプチュアル・アーティストである彼女は、映像やインスタレーションによって、作用と推測、文字と意味のずれを試すような方法で日常の些細な状況に対して巧妙な演出を介入させる。例えば《Light》(1994)では、電源から外された電球を4つのスライドプロジェクターによって点灯しているように見せかけたり、また《Fallen Star》(2018)という作品では、部屋の真ん中に置かれたスライド映写機から天井に向けて投射した星を、鏡に反射させて床に落としたりする。鑑賞者は思わず2度見をして、独特のユーモアを伴った彼女の簡潔かつエレガントで詩的な仕掛けに魅了される内に、世界に対する認識を新たにする。(あいちトリエンナーレ2019公式サイトより抜粋)
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