貨幣の変遷
経済を語るのに貨幣を外すわけにはいかないので、最初にざっと変遷をおさらいしときます。
①貨幣の誕生
物々交換ではいつも欲しいものが欲しい量だけ交換できるとは限らないので、貝殻・石・骨・布・米・家畜・穀物等が物品貨幣として機能した時代があります。その後金属貨幣が登場しますが、腐らず加工が容易で規格化がしやすく比較的頑丈なので蓄積するのに向いているという特徴があり物品貨幣は廃れて行きます。
②紙幣の誕生
物品貨幣に代わって金、銀、銅等の貴金属が貨幣として使われ始めますが、嵩張るし重いし持ち歩くのに不便なのでいつでも正貨と交換できる保証つきの兌換紙幣が登場します。ところがこの紙幣が流通し始めると、正貨(金等の貴金属)を出回っている紙幣と常時同額を持ってなくても良いことに気づいた人がいました。銀行は通帳に数字を書くだけでお金を創造できてしまうわけですね。逆に、銀行に経営不安があると預金者が一斉に押しかけて預金を下そうとする、いわゆる取り付け騒ぎのリスクがあります。
③キャッシュレスへ
最近、お札やコインを使う機会がめっきり減りました。クレジットカード、ICカード、QRコード決済がどこでも使えるようになったためです。もはや貨幣はデジタルデータになってしまいました。その発展系としてビットコインをはじめとするいわゆる仮想通貨・暗号資産が出現しました。特徴はdecentralized、つまり中央で管理している人がいないこと、です。当初はドル等法定通貨の代替を狙って設計したものと想像しますが、値動きが激しく物品を買ったりするには適してないことがわかってきました。よって最近は仮想「通貨」というより「暗号資産」という言い方が増えてきたように感じます。
番外。通貨の出現からしばらくは商人が自身の儲けの手段として利用していましたが、国家がこれを取り上げて中央銀行が通貨発行権を持つようになった歴史があります。リンカーンやケネディの暗殺の背後には通貨発行権を巡る争いがあったとの憶測も根強いです。
通貨の歴史は解説本が幾つも出ていますが、ここでは1ページで要約してみました。
ここまで
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