「醤油の魔人と塩の魔人」がバズった8つの理由
4月11日に放送された『史上空前!!笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ2020』(TBS系列)。お茶の間で大人気な芸人が相方をシャッフルし、即席コンビを組んでネタを披露するというドリームな企画。
6年ぶりの開催となったこの日、本当に夢のようなバズり方をしたコンビがいた。
言わずもがな、その才能に嫉妬すら覚えるほど尊敬しているハライチ 岩井勇気さんと、日本から海外へと活躍の場を広げている、エンターテイナー渡辺直美さんのコンビである。
本来なら仲の良い友達を呼び出して、「ね〜〜〜〜〜〜〜昨日のドリームマッチ見た???あのねっ!あのねっ!」ってお酒を飲みながらご機嫌に語りたい。が、そうもできない昨今。「どうせならバズりたい」と言った漢、岩井勇気の言葉通りの結末となった理由をnoteで勝手に語りたいと思います。(※個人の見解です。)
〜「醤油の魔人と塩の魔人」がバズった8つの理由〜
理由1:リズムネタ
まずはこれ!リズムネタはやっぱり強い。老若男女みーんな理解しやすいし、耳に残る。朝起きてもまだ耳の中に魔人がいたし、ボンゴレのロッソを作ろうと台所に立とうもんなら換気扇から音が聞こえてくる。「リズムネタは劇薬」とも言われるが、一夜限りのコンビであるのならばそんなの関係ねぇ!岩井さんは過去にもリズムネタを提供していたり、ラジオでもオリジナルソングを歌い出したり、あとバンドもやってるか。音にのせるの、好きなんだろうな。
さらに、リズムネタは子どもたちにも大人気!既にSNSには真似をするお子さんの動画がめちゃくちゃ上がってる。可愛い。。。癒されるんだこれ。。。
放送の3日後には公式の音源がYoutubeに公開された。これにより、もう少し盛り上がりは継続しそうな予感...?
理由2:誰もが知ってるものがテーマ
「調味料、料理にかけたら美味しくなるよね!」というご飯を食べたことのある人なら誰でも理解できる究極の内容。さらに「塩と醤油」という、THE シンプル調味料。この春一人暮らしを始めた若者も、きっと塩と醤油は持っていることだろう。誰も置いてけぼりにしない優しさと、暮らしの隙間に入り浸ろうとする賢さ。一度覚えたあの優しさを、明日も明後日も私たちは思い出してしまうのです。
理由3:写真を撮りたくなるビジュアル
写真を撮りたくなるものって、すなわちシェアしたくなるわけですよ。「#ドリームマッチ」のハッシュタグを追ってみると「醤油の魔人と塩の魔人」の写真がたくさんアップされている。少し不気味さもありながら、クセになる可愛さ。外出自粛が続く中、しばしの間、タイムラインは夢の国に行ったような多幸感に支配されていた。
理由4:イラストにしたいポップさ
今回特徴的だったのがこれ!放送後、Twitter上には「醤油の魔人と塩の魔人」のイラストが大量発生!どうしたの急にー?
直美さんのファニーさと、不気味さを際立たせるヒョロッとした岩井さんのコントラストが、キャラクター化を促進させたように思う。唯一の男女ってのもよかった。これぞドリームなマッチ。
このnoteのアイキャッチも、美大生であるりこちゃん(@tabetaranemui31)がネタを見て描いてくれたもの。
理由5:「塩の魔人」「醤油の魔人」というネーミング
「塩の魔人」「醤油の魔人」というわかりやすいネーミングにより見事トレンド入り!!!「魔人」表記と「魔神」表記で割れちゃってたらしく、そこだけ残念だったな。岩井さんもTwitter上で「魔神」って間違えちゃうんだもの!可愛いかよ!
理由6:思わず応援したくなる「塩の魔人」
注文された料理に最後に「醤油」もしくは「塩」をかけて料理を完成させるというネタ。しかしながら、一向に「塩の魔人」の出番はない!初めは不気味に思っていたのに、だんだんと拗ね始める「塩の魔人」がめちゃくちゃ可愛く見えてくる。気づけば「今度こそ!塩!塩!」ってテレビの前でドキドキしていた。
その結果、Twitter上では「ゆでたまご」「スイカ」など、「塩」の活躍する場を得たイラストも生まれていた。「醤油の魔人」を引き立てていたはずなのに、結果的にファンをつけちゃうんだから。ずるい。このネタ作った人、絶対モテるやろな。
理由7:「クラウス・ノミ」のオマージュ
今回のネタは、唯一無二の音楽性と奇抜な衣装で、短い生涯を終えた後でも愛され続ける「クラウス・ノミ」のビジュアルがオマージュされていた。これがまぁ絶妙な選択でした。オマージュは賛否が起こりやすいところではありますが、クラウス・ノミのファン界隈からはとにかく喜びの声が多く上がっていた。同じ白塗りでも「ウィリー・ウォンカ」じゃこうはならなかった気がする。
理由8:「岩井勇気」に対するイメージのギャップ
実はこれが一番大きかったんじゃないかなぁ。かつては「じゃない方芸人」と言われ、最近だと「腐り芸人」と呼ばれる岩井さん。今回見せたクリエイティブでクレバー、それなのに愛嬌のあるイメージはまだ世間に届いていなかったように思う。このギャップこそが大きな刺激を生み、お茶の間をドッと沸かせたのではないかと考える。twitterを見ていても「意外だった」という声が多数上がっていたし、岩井さん自身が「塩の魔人」となることは私にとっても予想外だった。ファンにとっても、新たな岩井勇気を見せてくれた。
「ピカルの定理」を暗黒の時代と言っていたあなたが、ピカルのエースであった渡辺直美さんとともに輝いている姿を見て、私は号泣しました。(嘘でしょ)(嘘じゃない)
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ラジオやエッセイでも垣間見られるように、「誰も置いてけぼりにしない」というのが岩井勇気の真骨頂だと思っている。その魅力が地上波で爆発し、たくさんの反響があったことがいちファンとしてただただ嬉しい。ここまで長々と語ってしまったが、これは本当に、ただただ嬉しい気持ちが抑えきれなかっただけの文章である。
自宅に篭りきりの日々が続く中、久々にお腹を抱えて笑った3時間。運動不足の体には負担が大きかったのか、番組が終わる頃にはベッドに横たわっていた。やっぱりお笑いは必要だ。早く、また劇場で笑いたい。その日が1日でも早く訪れることを願う。