肩の関節唇損傷について、もう一度

肩関節マニアになっていますか?

 

キタ――、「関節唇損傷」診断
 

何週間か前に、 ヘッド スライディングをして 肩を亜脱臼した選手がいました 。

その選手は、 整形外科医に診てもらった結果、MRIの画像が決め手となり、「関節唇損傷」と診断されました。

しばらく休んでいたそうですが、二週間前からはPRP療法を始めたそうです。 もし、そのPRP療法が症状を改善しなかった場合は、関節唇を修復する手術に踏み込む予定だったそうです。

以前のブログで示したように、 関節唇の損傷は、肩の痛みと直接関連性が低いケースが多いようです。

痛みの原因は他にあります。例えば、肩関節のインピンジメント症候群であったりです。

その良い例がこの選手でした。 PRT 療法より、肩甲骨の動きを改善することに焦点をおいたリハビリで、彼の肩の痛みは消えました。

 

関節唇の手術に踏み込む前に
 

彼の肩の痛みの原因は、動き過ぎはよくない関節アプローチで言うと、「肩甲骨不十分上方回旋症候群」です。

肩甲骨の上方回旋が十分ではなかったため、肩峰下でインピンジメントが生じていたと考えられます。

「診断確認テスト」では、彼の肩甲骨を徒手で上方回旋させたときに痛みが出るかどうかを診ます。この状態で、彼の肩が最大屈曲でもホーキンス・ケネディー・テストのポジションでも痛みが生じなければ、肩甲骨不十分上方回旋を診断と確認できます。そうです、関節唇が痛みの原因ではないのです。

PRT療法や関節唇修復手術は、肩甲骨の動きを改善する可能性が低いので、このケースでは術後の経過が良くなるとは思えません。皆さんにの周りにもこういう例があるのではないでしょうか。

もう一度言います。「関節唇損傷」と診断されたら、まず本当の痛みの要因を探すことを勧めます。時間も医療費も全て節約できますし、なにより貴方の株があがります。

 

肩を大切に。

ついでに読んどくブログ

投球肩のケガの診断にMRIは必要か?

動き過ぎは良くない関節アプローチ 逸話其の四

動くべき関節、動きすぎは良くない関節

電気療法と動き過ぎは良くない関節アプローチ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?