体幹トレーニング:腹筋運動の真実

今も昔もウェイトルームや治療室で見られる風景の一つに、腹筋運動があります。

エクササイズのバリエーションは色々ありますが、共通している体の動きは、上半身を前方に屈曲する動作です。

これは、主に体幹の安定を目的に行われていると思います。

本当に体幹は安定するのか

そのエクササイズに一石投じたのが理学療法士の故フローレンス・ケンダルさんです。

ケンダルさんは、著作「筋:機能とテスト―姿勢と痛み」において、以下のように述べています。

腹筋を収縮させて腰椎を屈曲させる運動は、…(中略)後部外腹斜筋を伸ばす副作用がある。後部外腹斜筋は骨盤を安定する機能があり、伸びてしまうと骨盤の安定を失う。(注:外腹斜筋とは、脇腹の筋肉です。)

上半身を前方に屈曲する動作は、間接的に骨盤の不安定を招き(詳しく言うと骨盤の前傾)、腰痛をもたらします。

体幹の安定のために、腹筋運動を行う場合、本末転倒になる可能性があります。

この動きをしないでも、体幹を安定させる手法やトレーニングは他にたくさんあります。
脇腹の筋肉(後部外腹斜筋)へのアプローチもあります。

え?この腹筋運動をしていて腰が痛くなった?
別のトレーニングに代えるときかもしれませんよ。

腰を大切に。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?