急性のケガの診断はこうする

急性のケガの診断のマニアになっていますか?

 

ケガの直後の診断
 

何年かの経験からわかったことなのですが、 怪我の診断は 急性の場合は直後にしない方が良いというのが結論です。

もちろん、スポーツの現場で急性の怪我に対処できればそれに越したことありませんよね。

ACLや他の靭帯損傷、半月板損傷、関節唇の痛みやらですが、あなたはどの程度正確に診断できますか。

もちろん医者が現場にいて、レントゲンやその他のイメージを即座に撮ることがができるような施設があれば文句はないでしょうけど。

では、現場で怪我の直後に診断を行わない方が良いという理由を挙げます。

 

理由その一:診断テストが全て陽性になる
 

急性の怪我の場合、選手は激しい痛みに襲われます。当たり前ですけど。

その場合、 何の診断テストを行っても、陽性となる場合が多いです。特に痛みを陽性の指標にしているテスト(骨折の診断など)は、ほぼ全ての項目で陽性になります。

そのため、間違った診断を下す可能性がとても多くなります(=偽陽性)。骨折していないのに骨折と診断したり、半月板が損傷しているテストが偽陽性になっていたりと全く正確性に欠けます。

正確性に欠けるテストを行う意味はありません。

 

理由その二:選手がビビる
 

それでは 実際に怪我をした選手や患者の立場からはどうでしょうか。

ただでさえ痛みに襲われているのに、そこでいろんなテストを実施されてさらに痛みが増した場合選手の心理的状態はどうなりますかね。

その場合、何々テストをして陽性になったとなった場合、選手はおそらく普通の状態ではいられないでしょう。「膝のこの部分が痛いってどういうこと?半月板が損傷している?」→「ギャー(パニック)」

これが、選手の立場から考えた急性の怪我を即座に診断しないほうが良い理由です。

 

じゃあどうするか
 

では、急性の怪我に対処するのはどうすればよいでしょうか。

明らかに緊急を要する状態(救急車で病院行き)でない限り、あるいは監督やコーチやチームが即座の診断を必要としない場合は、翌日に診断するようにします。 アイシングでも処方して、「では明日診断しましょう」と伝えて家に返します。

監督やコーチ、選手の父母には、翌日より正確な診断を下します、と正直に伝えます。

 

そしてその翌日には、患部周辺から余計な痛みが引いて、本当に問題がある部位の痛みのみが残ります。選手も一夜明けて落ち着いています。

そのため診断の正確性が圧倒的に上がります。選手本人はもちろん、監督やコーチにもケガの正確な情報を伝えることができます。これが急性のケガに対するプロセスです。

 

一見すごく怠慢に見えるこの方法は、実は誰にとっても楽で、しかも最小限の痛みを伴うアプローチでもあります。

悟っているように書いていますが、実は急性のケガを即座に診断して、たくさん失敗をしてきた経験からの結論です。

みなさんは、私の屍を踏み越えて行ってください…。

 

診断を大切に。

 

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