アスレティックトレーナーがしてはいけないこと

いろいろ失敗している経験の中で、さらに苦い経験をシェアしたいと思います。

球審が倒れていた
あの初春のまだ肌寒い日の大学野球の試合は延長戦に入り、予断を許さない展開になりました。

しかし、相手チームにホームランを打たれて痛い失点を献上。

マウンド上にコーチと内野手が集まります。

その時を待っていました。

私はトイレに急行しました。

ベンチに戻ってみると、球場は静まり返り、誰かが私の名前を叫んでいます。

何か起こったのかな?

あれ?球審が倒れている!

その球審はオーバーウェイトの方で、目撃証言によると彼は胸を押さえて倒れたとのこと。

心臓発作か!?

その球場が静まり返っているのも理解できました。

あいにく、彼は意識を失っていませんでした。

そして数分後には立ち上がり、何事もなく残りの試合の球審を務めました。

実は、私がベンチから姿を消している間に試合が再開し、バッターが打ったファウルチップが彼の顔のマスクを直撃したとのこと。

心臓発作じゃなくて良かった。

しかし、安心していられません。

その試合には大学の学長やお偉いさん方も観戦していたので、救急時に即座に対応していなかったアスレチックトレーナーとして後日批判を浴びるのも必至と覚悟していました。

翌日のミーティングで明らかになったこと
この緊急時の対応の悪さは、翌日のスタッフミーティングでの議題に上りました。

しかし、ミーティングは意外な方向性へと進みます。

アスレティックトレーナー歴何十年のベテランが、トイレ休憩中に起こった様々なアクシデントを話します。

選手の衝突の結果の脳震盪や別の選手が転んで前十字靭帯断裂など。

そうすると、他のスタッフも彼らのトイレ休憩中に起こった緊急事態を話し出します。

どうやら、アスレティックトレーナーがトイレに行くと、選手たちに何か良からぬことが起きるようです。

そのミーティングが出した結論は、「アスレティックトレーナーはトイレに行ってはいけない」でした。

そうです。彼らはトイレに行くことが許されていないのです。

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