中国伝統医療と肩の障害
リハビリマニアになっていますか?
肩を亜脱臼した選手に施したものは
引き寄せの法則は実在します。
台湾に滞在している間に中国伝統医療を是非一度観てみたい、と強く願っていたところ、知り合いの台湾人が肩を亜脱臼しました。本人が痛みに打ちひしがれている脇で、「じゃあ中医に診てもらおうぜ」と興奮していたのはむしろ私だけだったのでしょうか。その日のうちに台南の中国伝統医(=中医)を訪ねて行くことになりました。
台南で開業しているその中国伝統の医者さんは、その亜脱臼男の前腕部をトンカチなようなものでトントン叩いていました。筋肉で場所を示すなら腕橈骨筋あたりです。その亜脱臼男は施術中に身体をよじって痛がっていましたが、施術が終わると今まで動かなくなっていた肩関節の屈曲・外転の動きが改善しました。完全に痛みなしで可動域が復活したわけではありませんが。
頑張って解説してみた
腕橈骨筋あたりを走っている神経と、肩甲骨の動きの改善の関係を説明できません。神経を刺激したものでないと仮定します。
次に考えられるのが、筋膜です。スパーフィシャル・バックアームラインと言う筋膜パターンが僧帽筋(上部中部下部すべて)から三角筋、そして腕橈骨筋に繋がってます。
これを基に説明をするのであれば、腕橈骨筋の筋膜をリリースすることで、僧帽筋筋膜の余計な張力をなくして肩甲骨の動きをよくする、です。上部と下部僧帽筋は肩甲骨の上方回旋筋ですからね。まああまり説得力ないですが。
もっと観てきた
またその中医は、上腕骨前方グライド症候群のような状態が肩関節前方の痛みを起こすと言っていました。そうです、そのとうりですよ。中国伝統医療と動き過ぎは良くない関節アプローチが初めて同じテーブルに座った感じですね。
その上腕骨前方グライドに対するアプローチは、上腕三頭筋の筋腹あたりを例のカナヅチでトンカンすることです。それで上腕骨骨頭が正常化するそうです。上腕三頭筋が上腕骨を後方にグライドする?
筋膜で説明すると、実は上腕三頭筋はローテータカフを通じて菱形筋と肩甲挙筋に繋がっています。ローテータカフの一つである肩甲下筋は上腕骨骨頭を安定させる筋肉ですが、果たして関連はあるのでしょうか。
確かに、上腕骨前方グライド症候群があると疑われている患者さんの上腕三頭筋をトンカチで打ったところ、肩の屈曲時に関節前方の痛みが無くなっていました。
肩関節インピンジメントをどう捉える
肩関節のインピンジメント症候群の患者にはどういうアプローチをするのか、と尋ねたところ、 肩甲下筋が肩甲骨についているあたり(肩甲骨の上角)を刺激すると肩甲骨の動きが良くなると言っていました。つまり、肩甲骨の下方回旋筋である肩甲下筋をリリースすると、上方回旋が向上するということでしょうか。
また、肩鎖関節あたりに痛みがあるときは、手首後部をトンカチで刺激すると痛みがなくなると言っております。もうここまでくると興奮状態ですが、説明は不可能です。
まだ書き足りないことがありますので、中国伝統医療(後編)に続きます。
ついでに読んどくブログ -筋膜シリーズ-
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