動き過ぎは良くない関節アプローチ ー逸話その壱一

今日、深刻な表情をしている女性が来ました。

何でも、彼女の娘の膝の痛みが治らないそうです。

娘さんは膝にサポーターをつけていました。

彼女に訊くところによると、普段は水泳の競技選手なのですが4月に陸上競技に参加して以来、膝を痛めたそうです。

ってことは、約半年も膝の痛みに苦しんでいることになります。

2か月のリハビリで改善なし
整形外科医が膝のMRIを診たところ、診断は「骨挫傷」とのこと(母親による)。

その後の2か月間の理学療法では改善がみられなかったそうです。

どういうリハビリをやっていたかを娘さんに訊ねると、腿の外側(腸脛靭帯のあたり)と大腿四頭筋のマッサージが主だったようです。

因みに、整形外科医が「骨挫傷」と診断しましたが、娘さんは転んだり膝を何かにぶつけたりしたことがありません。

さあ、この情報からあなただったらどうしますか?

動き過ぎは良くない関節アプローチでの診断
娘さんは走ったりスクワット時に膝のお皿の周り(膝蓋靭帯も含む)やその裏側に痛みがあると言っています。

その症状から、おそらく膝のお皿(膝蓋骨)がうまく大腿骨の上をスライドしていなく、大腿骨の軟骨部に損傷が出ているものと勝手に解釈します。

この場合、膝関節が動き過ぎです。考えられる可能性としては、大腿骨と脛骨がねじれていたり、膝のお皿がずれていたり…。

診断確認テストの結果は
娘さんがスクワットをしたとき、膝のお皿を内側に押しました。

その状態では、彼女の膝の痛みが無くなりました。

このことから言えるのは、膝のお皿が常に外側にシフトしてしまっている状態で膝の曲げ・伸ばしが行われていることです。

動き過ぎは良くない関節アプローチの診断は「膝蓋骨外側滑り症候群」。

股関節の内旋が相対的に彼女の膝のお皿を外側にシフトさせています。

リハビリの目的は、歩く走るなどの動作中に股関節の内旋を無くすことです。

動くべき(機能すべき)関節は、股関節なんですね。

リハビリの結果が楽しみでしょうがない
診断確認テストでバッチリ原因が特定されているので、リハビリはうまく行くと思います。
嗚呼楽しみ。趣味と仕事の一致というのはこういうことなのでしょう。

リハビリの結果は追って報告します。

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