神経より伝達手段が速い組織
神経伝達の速さは?
皆さんは、神経伝達が身体のシステムの中で一番速い速度を持つと教育されていると思います。
そのスピードは時速10-270㎞と言われています。
ズキズキする痛みはその中でも一番遅く伝達される感覚で、およそ秒速1mだそうです(身長が180mある人は足の指の痛みが1.8秒かかって脳に伝わる)。
神経より早い伝達組織とは?
筋膜の圧迫や張力は振動としてを時速1100㎞で筋膜のネットワーク上を伝達されます。
神経伝達の3倍強の速度です。
筋膜ネットワーク上を伝達された圧迫メッセージは一秒もかからずに他の部位の伸張を生みます。
これは同じ筋繊維内にあるゴルジ体や筋紡錘などの神経機能を指していません。
例を挙げると、足底の筋膜の圧迫・収縮がハムストリングや脊柱起立筋などの遠方の伸張を及ぼすと考えられます。
速い伝達で気が付かない
凄い機能だ、と喜んでばかりいられません。
筋膜ネットワーク上の伝達は上記のように高速で行われるため、人間が察知することはあまりありません。
その筋膜の圧迫や伸張が同じところで繰り返し生じると、それに伴って代償運動に発展したり、痛みにつながります。
痛みのある部位は、だいたい筋膜が伸張してしまっているところです。
ハムストリングのケガが足底筋膜の収縮に起因するのは、このメカニズムで説明できます。
筋膜がどこで圧迫・収縮されていて、同じ筋膜の配列上で伸張が起きているかを見極める目が必要になりそうです。
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