腹斜筋のケガは筋膜が原因か
内外腹斜筋は体幹の側方にあり、主に体幹の回旋を司る筋肉です。
野球の打者のバッティングなど身体の回転を繰り返し行う動作では、おそらくこの筋肉が機能していると考えれます。
アルバート・プホルス選手がこの筋肉をケガして長い間戦線離脱しています(2006年)。
では、この筋肉のケガの原因は何でしょうか?
仮説1 -動き過ぎては良くない関節からのアプローチ
筋肉のケガはほとんどの場合、過度な伸張が起こされていると考えます。
ハムストリングのケガも骨盤の前傾により既に筋肉が伸張された状態から、股関節の屈曲と膝関節の伸展でさらに過度な伸張が起こります。
もし野球選手の股関節が動いてなく、胸椎で身体の回旋を行っていた場合、この内外腹斜筋は過度に動員されると推測されます。
この場合、股関節の動きを良くして、腹斜筋の過度な労働を無くすことがリハビリになります。
仮説2 -最近発見したアプローチ
股関節の動きが良い選手が腹斜筋のケガを患ったケースがありました。
どうやら同じケガが2回起きていたらしいです。
股関節の動きが良い(内外旋角度がともに40度以上)ことから、腰椎が過度に回旋してることはないようです。
彼の肩甲骨は外側にシフト(肩甲骨外転)しています。
彼は朝起きると首の後ろの筋肉が張っているそうです。
シーズン初頭には腰の筋肉が痙攣を起こしています。
それらの情報を総合して分析すると…。
あの筋膜のパターンの一つである、スパイラル・ライン上に彼の全て症状が生じています。
このパターン上のどこかに収縮されて動きが悪い筋膜があるはずです。
その筋膜が腹斜筋や腰の筋肉のケガにつながっていると仮定します。
肩甲骨の位置からして前鋸筋が短く固くなっていると想定しました。
その部位を触診してみると、選手がとても痛がっていました(反対側の前鋸筋への触診には無反応)。
もしその選手の反応を参考にできるのなら、前鋸筋の固さが筋膜上隣に位置する外腹斜筋の過度な伸張を招いたのかもしれません。
リハビリは前鋸筋のリリースとそれに準じて肩甲骨の動きを直すこと、そして首の後ろの筋肉のリリースです。
これはあくまでも筋膜パターンに基づいた仮定です。
結果はどうなるでしょうか?
また追って報告します。
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