■6月17日 ほのかに明るく温かく
今日は一日「おやすみ」にすることに決めたので、のんびり準備をして、三重県へ出かけてきました。
きっかけは、先日このようなtweetを見かけたことです。
三重県の仲良しな古書店さんが集まって、古本即売イベントが開催されるとのこと。
このごろは新刊本ばかり読んでいますが、学生時代は古本屋さんによく通っていたのです。あの独特の空気や、時を重ねた紙たちの香りが大好きで、お店の棚をぼんやり見ては、至福の時間を過ごしていました。
tweetを拝見したら、そんなことも懐かしく思い出し、また、今日はおやすみで時間が空いていたこともあり、足を伸ばして、三重県までお伺いすることにしたのです。
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名古屋駅から近鉄に乗り、津の向こうにある「久居駅」へ行きました。この駅は急行か普通、どちらかが止まる駅です。急がないとはいえ、腰に爆弾を抱えている身ですので急行を選び、そのままずんどこずんどこと運ばれていきました。
名古屋からだと1時間10分ほどの電車旅です。本を読んだり、少し眠ったりしながら、のんびり過ごしていました。
そして、無事に久居駅に着いてみると。
会場である「久居アルスプラザ」への矢印看板が、町のあちこちにありました。
「町のあちこち」とは誇張でも何でもなく。曲がるポイント、真っ直ぐ行くポイント、全てに分かりやすく設置されていたのです。
それはもう、絶対に迷子にはさせない!という圧倒的なまでの意気込みが伝わりました。
おかげで、駅から10分ほど歩く会場へ、迷子癖が標準装備されている私が初めて降りた駅にも拘らず、まったく迷わずに着けるという奇跡を起こしたのでした。
中に入ると、こんな感じでした。
それぞれの古本屋さんがそのお店の特色を創る本を選び、所狭しと並べたブースが其処此処にあり。その間の通路を「本が好き」という気持ちが全力でダダ漏れているお客さんが蠢く。重度の活字中毒としては、極楽浄土としか思えない空間です。
…えぇ、本買いたい欲の塊になっていますから、極楽というより、どちらかというとナントカ地獄へネコまっしぐらな気はしなくもないですが(笑)
それでも。
古本屋さんは久しぶりでしたので、初めは本や棚との距離感がつかめず、無心にうろうろ眺めていました。少しずつ、そこにある雰囲気に我が身を馴染ませるとでも言いましょうか。
やはり、本がたくさんあることで沸き上がる高揚感とのバランスを取らないと、今の自分に合った本と出会えないと思ったのです。なので、2周ほど、少々不審者みはありましたが(笑)、会場をぐるりとしました。
その後、一つずつの棚をじっくり検分し。声に(多分)出さず「うわぁ、これ読みたい」「あ~、昔読んだ」と諸々対話しながら、気になる本をぱらぱらめくったりしていました。
いや、もう、どんだけでも居られる。
居るだけで、めちゃくちゃ楽しい。
赦されるなら、一日中眺めてたい。
ほんとに。
それぞれのブースで本を眺めていると、学生時代に古本屋さんで感じていた、ほんのりとした幸せがじわじわ心を染め上げて。「買いたい」というより「お迎えしたい」でしたし、眺めているだけでも心の温度がぐんと上がるのが分かりました。
ただし。先月参加した文学フリマにおける己の所業を念頭に、今日もお財布にさほど現金を入れずに来ましたので、今回お迎えしたのはフツーの冊数です(笑)
そして、購入後、建物のなかをうろうろしていたら、座るところがありました。アイスコーヒーもばっちり買っていたので、そそっと座り、お迎えしたばかりの本を読み始めたのです。
すると、ほんのりとした明るさと、じわっと沁み渡る温かさを持つ「何か」がカラダの奥から滲み出てきました。
出会ってほやほやの本。
おいしいコーヒー。
それは、まさに「今ここ」にいる私に、最も必要なものが、ジャストな温度で、いちばんフィットするカタチで目の前に、手の中に広がっていることの至福。あるいは、多幸感。
そして、この幸せは、おそらく「今ここ」でしか味わえないものだなと。だからこそ、忘れられないものになるのだろうなと。
そんなことを思いながら、愉悦しかない時間を思う存分過ごしたのでした。
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今日もここまで読んでいただき
ありがとうございます。
今日がいい日でありますように。
んじゃ、また。
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