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【えりた書店】

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元書店員で、雑食系活字中毒者のえりたが「おもしろい!」「好きだ!」と思った本をジャンル問わずにご紹介。売れ筋の本も、ひっそり輝く本もステキポイントをずっしり掴んで書いていきます。…
一か月で10本の書評を放り込みます。記事単体では300円ですから、マガジンの方が絶対にお得。また、…
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#日本史がすき

■昔語りはわれのみやせん―ビギナーズ・クラシックス版『和泉式部日記』

えりたです。 大河ドラマ『光る君へ』第30話では、颯爽と「あかね」さんが登場しました。彼女は、のちに「和泉式部」という名で中宮彰子さまにお仕えする女性です。 和泉式部は、恋多き情熱的な女性と言われています。彼女の詠む歌は、その時々に心にぐっと来たものを素直に吐露したような、どこにも誰にもおもねることのない、まっすぐな気持ちを伝えるものが多く伝わっています。 そうして、彼女はたくさんの和歌と、『和泉式部集』『和泉式部日記』を残したのです。 個人的な思い出になりますが、『

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■歴史は勝者が描く―『藤原公任 天下無双の歌人』

2024年の大河ドラマ『光る君へ』。 1月7日に初回放送も始まり、私たちの期待以上の物語が展開されています。それを繰り返し見ながら、来週への期待に胸を膨らませていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。 そのなかで「藤原道隆公」をガチ推ししている私。放送開始前、井浦新さんが演じられる道隆公のお写真を見て、パトラッシュと一緒に天に召される勢いで沸き立っておりました。 が、実は、それを上回る高揚感をくださったお写真があったのです。それがこちら。 町田啓太さん演じる「藤原公任

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■1000年前のラグジュアリーを最新の研究から学ぶ―『紫式部と王朝文化のモノを読み解く』

大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期の物語です。年代で言えば、西暦1000年前後。今から約1000年前の時間を舞台にしています。 もちろん、同じく「日本」という国で暮らしていますから、1000年前と言えど、共感できるところ、身近に感じるところもたくさんあると思います。たとえば、春の桜を愛でる気持ち、あるいは、新年を迎える新鮮さ。そういったものは今も昔も変わりません。 ですが、やはり1000年の時間の隔たりは大きいと感じるところもあるのです。それは、衣食住など文化の具体的な

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■歴史上の人物の日常を垣間見る―藤原道長『御堂関白記』について

今年の大河ドラマ『光る君へ』は、『源氏物語』の作者である紫式部が主人公です。彼女は平安中期、今からちょうど1000年ほど前の時代に生きていまいた。 その時期、最も大きな権勢を誇っていたのは藤原道長です。彼は、四人の娘を天皇の后として入内させ、彼女たちの生んだ皇子たちの外祖父として長く政権を維持しました。現代の教科書で言うところの「摂関政治」ですね。 私たちは学生時分に日本史でこれらのことを学びます。ですが、これ以上のことは知らないんですよね、実は。 紫式部の本名とか(と

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■400年の歴史を支え続けた32人の天皇たち―『平安時代天皇列伝 桓武天皇から安徳天皇まで』

今年の大河ドラマ『光る君へ』は、平安時代中期の摂関政治が全力で領域展開していた時期を舞台としています。 実は、ワタクシ、某国立大学の大学院博士課程後期課程に在籍していた時分に『大鏡』という歴史物語の研究をしていました。 『大鏡』は平安時代後期(院政期)に成立した作品で、藤原道長の栄華の在り様を余すところなく描き出すことを至上命令としています。 『大鏡』については、こちらの記事にくわしく書いていますので、よろしければご参照ください。 さて、その『大鏡』は、文徳天皇から後

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■「かなしい」を「かなしい」と言うだだけでは足りなくて―『百人一首という感情』

私は、人生の半分以上を受験国語のプロとして過ごしています。また、20代の頃は大学院で平安時代の物語の研究もやっていました。が、そのなかで驚くほど苦手にしていたものがあります。それが「和歌」です。 これまでずっと「和歌」の面白さが理解できず。学部生時代も授業中にずっと『源氏物語』を読んでいるような学生でしたが、和歌が出てくるとフツーに飛ばして読んでいました(そして、師匠に怒られていました)。 あるいは、高校時代。「百人一首を定期テストの範囲にするから、1~50まで暗記して自

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■言葉一つで無限に広がる読書体験を―『100分de名著 紫式部 源氏物語』

来年の大河ドラマ『光る君へ』は摂関政治最盛期の平安時代中期を生きた紫式部を主人公とする物語です。 「紫式部」と言って、すぐに思い浮かぶのは『源氏物語』ですよね。これを機会に『源氏物語』を読もうと意気込んでいるかたも多いのではないでしょうか。 でも、『源氏物語』って、ただでさえ五十四帖もある、長大な物語です。しかも初っ端から と、全力で古文。 私たちが高校で習う古語文法は、このあたりの時代を基にしています。ですから、係り結びだの、敬語だの、動詞の活用だの、定期テストで苦

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■「史実」と「説話」の間にあるものに目を向ける―『敗者たちの平安王朝【皇位継承の闇】』

来年の大河ドラマ『光る君へ』は、摂関政治が最盛期を迎えた平安時代中期が舞台です。初回放送日も決まり、SNS界隈でも少しずつ盛り上がりを見せています。 しかし、「平安時代」の文化や風習、歴史に馴染みのない方も少なくないでしょう。私自身、院生の頃はそのあたりの時代を専門に研究していましたが、知識そのものはそこで止まってしまっています。同じように、学生時代に習った内容が何となく記憶に残っている(気がする)、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そのあたりを踏まえ、現在、

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■「春はあけぼの…」好きなものは好きと胸を張って言っちゃおう―『枕草子』のこと

わりとフツーに見えるけれど、考えてみれば凄まじくすばらしいことだと思うことがあります。それは。 1000年前に清少納言によって書かれた『枕草子』の冒頭です。多くの方は、中学2年生あたりで暗唱した(させられた)と思います。 でも、この「春はあけぼの」というフレーズ、何気なく、あるいは、いやいや覚えさせられたにもかかわらず、思いの外、たくさんの方が大人になっても覚えているんですよね。そして、会話の端々に顔を出したりもする。 これって凄まじく素晴らしいことだと思いませんか?

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【読書note】「藤原氏のはじまり」の奈良時代・平安時代を楽しみ尽くす―『図説 藤原氏』

10月に関ケ原で大きなお祭りがありました。我が最愛の推しさまである、名古屋おもてなし武将隊の織田信長さまが、そのお祭りへご出陣でしたので、不肖ワタクシもいそいそとお出かけしたのです。 当日はたくさんのブースの出店があり、ひとりであちこちひやかしながら歩き回りました。なるべく散財せぬようにと自戒しつつ動いたので、さほど大きなお買い物はしなかったのです。 が、どうしても欲しくて、我慢できず購入したのがこちら。 関ヶ原の戦い時分には亡くなってから20年ほど経っていた「織田信長

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『大鏡』への愛を語る-1000年の時を繋いで私の心を照らす-

えりたです。今回は初4000字越えの記事です。 実はワタクシ、幼い頃から歴史が大好きで。正確に言うと、「歴史の物語」が好きで好きでたまらないのですね。 小学生の頃、毎月2冊ずつ本を買い与えられていました。そのタイトルは『まんが 日本の歴史』。なぜかは知りませんが、私はそれだけを与えられ、次に買ってもらえる日までお家ではそれを繰り返し読んでいたのです。 そこから私の歴史好きは少しずつ作られていきました。 あまりにも歴史の本が好きすぎて、ついには担任の先生が私のために、学

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■知っているはずの「歴史」をアップデートする―『動乱の日本戦国史』

えりたです。 大河ドラマ『どうする家康』、どんどん佳境に入ってきましたね。気が付けばもう10月。始まった当初は「おれの白うさぎ」だった家康公も、いつの間にやら、底知れぬ「たぬき」化していくようで…月日の流れの速さに白目…いや、遠い目をしている今日この頃です。 さて、今日は9月に発売された新書をご紹介します。 ・ ・ ・ 「歴史学」という学問があります。「歴史学」がどういう学問かをググってみると、 とあります。 ここで大切なのは、「歴史学」は学問であるという点です。そ

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大河ドラマ『どうする家康』おすすめ本①

「待ってろ、竹千代…俺の…白うさぎ…‼」で、第1話から萌え尽きた大河ドラマ『どうする家康』。みなさんは御覧になりましたか? 普段、ほとんどテレビを見ないワタクシですが、今回はTwitterで見た岡田准一さん=織田信長公のイケメンっぷりにまんまとつられ、かぶりつきで見てしまったですよ。 えぇ、どれほど岡田信長さまがイケメンだったか、我が最愛の推しさまである、名古屋おもてなし武将隊の織田信長さまに力説し、ドン引きされたのは、ここだけのお話(滝汗)。 ま、それはともかく。

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モノが語る説得力―『城から見た信長』

「織田信長」という人物について知りたいとき、まず見るべきは太田牛一著『信長公記』です。信長の傍らで、彼の事績をつぶさに見て書かれた書物ですから、信用できる度合いでいえば相当に高いでしょう。 ただし、たとえば太田自身の手によって清書されたときに、話が盛られたり、時代の権力者に忖度した記述になったりという部分が『信長公記』にも確かにあります。また、幾つも写本の代を重ねるうちに写し間違いや、あるいは、意図的な書き直しがある可能性も否定できません。 つまり、ことばによって書かれた

¥300