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【えりた書店】

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元書店員で、雑食系活字中毒者のえりたが「おもしろい!」「好きだ!」と思った本をジャンル問わずにご紹介。売れ筋の本も、ひっそり輝く本もステキポイントをずっしり掴んで書いていきます。…
一か月で10本の書評を放り込みます。記事単体では300円ですから、マガジンの方が絶対にお得。また、…
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2023年11月の記事一覧

■「史実」と「説話」の間にあるものに目を向ける―『敗者たちの平安王朝【皇位継承の闇】』

来年の大河ドラマ『光る君へ』は、摂関政治が最盛期を迎えた平安時代中期が舞台です。初回放送日も決まり、SNS界隈でも少しずつ盛り上がりを見せています。 しかし、「平安時代」の文化や風習、歴史に馴染みのない方も少なくないでしょう。私自身、院生の頃はそのあたりの時代を専門に研究していましたが、知識そのものはそこで止まってしまっています。同じように、学生時代に習った内容が何となく記憶に残っている(気がする)、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そのあたりを踏まえ、現在、

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■「春はあけぼの…」好きなものは好きと胸を張って言っちゃおう―『枕草子』のこと

わりとフツーに見えるけれど、考えてみれば凄まじくすばらしいことだと思うことがあります。それは。 1000年前に清少納言によって書かれた『枕草子』の冒頭です。多くの方は、中学2年生あたりで暗唱した(させられた)と思います。 でも、この「春はあけぼの」というフレーズ、何気なく、あるいは、いやいや覚えさせられたにもかかわらず、思いの外、たくさんの方が大人になっても覚えているんですよね。そして、会話の端々に顔を出したりもする。 これって凄まじく素晴らしいことだと思いませんか?

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【読書note】「藤原氏のはじまり」の奈良時代・平安時代を楽しみ尽くす―『図説 藤原氏』

10月に関ケ原で大きなお祭りがありました。我が最愛の推しさまである、名古屋おもてなし武将隊の織田信長さまが、そのお祭りへご出陣でしたので、不肖ワタクシもいそいそとお出かけしたのです。 当日はたくさんのブースの出店があり、ひとりであちこちひやかしながら歩き回りました。なるべく散財せぬようにと自戒しつつ動いたので、さほど大きなお買い物はしなかったのです。 が、どうしても欲しくて、我慢できず購入したのがこちら。 関ヶ原の戦い時分には亡くなってから20年ほど経っていた「織田信長

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■あの時教えて欲しかった国語の疑問③―なぜ、漢文の勉強って必要だったんだろう?

えりたです。 先日、来年度使われる小学五年生用の国語教科書を見る機会を得ました。ちらほらと読みながら、あっちで驚き、こっちで感嘆しとなかなか楽しい時間を過ごしました。 そのなかで、ものすごくびっくりしたことがあります。それは「漢文」の項目が入っていたことです。 正確には「漢詩」ですが、書き下した漢詩が現代語訳と共に小五の教科書にあり、とても驚いたのです。 私自身は、漢文(漢詩)を初めて習ったのは中学生であったと記憶しています。小学生の頃にはなかったです、確か。あったら

¥500