人間界からお邪魔します④-2〜小泉八雲旧居・松本城など〜
◯島根・鳥取旅行をしたときの記録
小泉八雲記念館の次は、小泉八雲旧居にやってきた。2つの施設は隣同士なのですぐ着く。旧居は国指定史跡となっている。
小泉八雲は14年間を日本で過ごし、松江・熊本・神戸・東京に住んでいた。松江で暮らしていた期間は1年2ヶ月と15日だから短く感じるが、この土地で妻のセツと出会っていることを思うと、大切な場所だろう。八雲が住んでいた当時のままで保存されているのは、現在は松江の旧居だけだという。
有名な方の家といえば、広い。小泉八雲の住まいもめちゃめちゃ広いのではないか。そう思って入ってみると、意外にこぢんまりしている印象を受けた。だからといって、狭いわけではない。セツとの2人暮らしならちょうどよく、余裕がある。八雲の居間、書斎の他にセツの部屋があり、妻専用の部屋って用意されてるもんなんだ、と思った。セツが大事にされている証だと嬉しい。
当時の雰囲気のまま風情がある部屋と、庭がきれいだ。この家は旧松江藩士の武家屋敷で、庭のある侍屋敷に住みたいという八雲にとってぴったりだったらしい。八雲がとても気に入った庭は、枯山水の観賞式庭園としては高い評価を受けているとのこと。「知られぬ日本の面影」として作品の舞台になった庭は、八雲にとって大きな存在だったんだなーと思う。
続けて武家屋敷へ行く。
江戸時代の屋敷らしい部屋構造と雰囲気がある。観光地などで昔の家に行くと、ついつい釘隠しを見てしまうのだが、この武家屋敷の釘隠しは雀になっていてかわいらしかった。
庭はぐるっと歩けるくらいゆったりとしていて、気分転換に良さそうにみえる。当時住んでいた藩士も、煮詰まったら散歩したのかな、等思った。
小泉八雲記念館、小泉八雲旧居、武家屋敷と歩いてきたが、この通りは塩見縄手と呼ばれる城下町通りだった。わたしたちの進行方向左側が建物、右側には川が流れている。歩いていてとても気持ちがいい。穏やかだ。川には鴨がいて、泳いだり、バシャッと潜っていたりする姿がかわいらしい。大人になってから、川が好きだな〜ということに気づいた。
15時が近づいてきたので、待ちに待ったおやつタイムだ。松江城近くの喫茶に行く。
地図を読むのが苦手なわたし主導で遠回りをしながらも、無事に着くことができた。
興雲閣という明治時代の洋館の中にある。
お城の近くに洋風の建物がある並びは驚くが、和洋折衷とはこのことか(?)。
興雲閣はザ・明治という造りと雰囲気が素敵だった。こういう家に住みたいと思ってしまう。
目的の喫茶は興雲閣の1階にある。
亀田山喫茶室は注文とお会計が先だ。
済ませてから窓際の席に座ると、ちっちゃく書かれた表示を見つけた。
ちっちゃく書かれているだけでかわいい。
言うことを聞きたくなる。
注文したのはメロンクリームソーダといちじくと何かのタルト(うろ覚え)。
夫は空腹すぎてチーズトースト。
空腹がスパイスとなって、より美味しく感じる。わたしも追加で、チーズトーストを頼みたくなった。
少し元気になったところで、松江城へ歩を進める。
松江城の敷地内には神社があるのだが、出雲大社に参拝予定があったので今回は行かず。
チケット売り場から、5分くらい歩くと城が見えてくる。
お城やぁ〜〜〜!!!
少しだけ、長野県松本市にある松本城に似ている感じがした。
中に入り、階段を上がる。
わたしは今まで名古屋城、姫路城、松本城、高島城など、いくつかのお城を見てきたが、毎度お城の階段って急よね〜と慎重になる。降りるときが特に心配。中でも松江城は急に感じた。
お城から街中を見ると、本当に遠くまで見通せる。今はわぁ〜すごい〜なんて思うが、人の姿もはっきり見えると戦の気配を感じてしまう。お城って美しくて、こわい。
何度か振り返ってお城に別れを告げ、本日のお宿へと向かうことにした。
④-3へつづく。