とろ日記(春に)
谷川俊太郎さんが、11月13日に老衰で亡くなった。
わたしは詩に造詣が深いわけではないが「あの谷川俊太郎!?」と驚いた。
わたしにとっての谷川俊太郎さんと言えば、
「この気持ちはなんだろう」のフレーズである。
わたしの通っていた中学校では、毎年校内の合唱コンクールが開かれていた。1年のときは先輩たちの合唱に圧倒され、2年、3年と学年が上がるにつれて、本気度が増していく。みんな賞をとるために真面目に練習し、実力が確かなものになっていくのだ。
合唱コンクールに向けてのスケジュールでは、まずどの合唱曲を歌うのか決めることから始まる。当然クラスはざわついた。人気曲は他のクラスでも票が集中し、抽選やじゃんけんで決められていったように思う。
合唱曲はどれもメロディが良くて、聴いていると壮大な気持ちになったり、胸が締め付けられるような感覚になったりした。中でもわたしは、谷川俊太郎さんが作詞した「春に」を歌いたいと思った。でも、わたしのクラスでは選ばれず、他のクラスで歌うことが決まった。放課後、「この気持ちはなんだろう」と聞こえると、耳を澄ませていた。
合唱コンクール当日。歌われた「春に」はそれはそれは見事だった。わたしはやっぱり、この合唱曲を歌いたかった。
この気持ちはなんだろう
この気持ちはなんだろう
目に見えない エネルギーの流れが
大地から あしのうらを伝わって
今聴いても、気持ちがぶわあっと溢れ出していく。
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