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Photo by
ajimai3
春の外干し部屋干しにぼし
花粉を感じると、部屋干しにする。
鼻水が垂れてきたら。
目のキワが痒くなってきたら。
花粉が飛んでいる証拠だ。もう外には干せない。
晴れている。暖かい空気が気持ちいい。それでも、外干しは避けたい。洗濯物には申し訳ないが、部屋の中で密になりながら揺れていてもらう他ない。
わたしもできれば外に干したいんだよ。陽にあてて、からっと乾かしたいんだよ。
でも、花粉が。だって、花粉が。
部屋から恨めしく外を眺める。
生乾き臭がしないを売りにしている洗剤が多いが、そうはいってもなにかの「におい」がするときがある。
部屋干ししたバスタオルなんか、あまり好きではない。
いちばんエアコンの風があたる位置にバスタオルを干す。においがする前に乾いてくれ。頼む。
バスタオルというだけあって、乾かす範囲が広い。大部分は乾いているのに、ある部分はしっとりしたままだったりする。そんなときわたしは、エアコンの真下でタオルを高々と掲げる。神に恵みを乞う村人みたいになる。いつまで温風にあてれば乾くのかわからない。腕がつりそうになる。それでも、気持ちの問題だ。気の済むまでタオルを温める。
部屋干しで水分がなくなったバスタオルは、カピカピとした肌触りがする。
にぼしみたいだ。
水分が無くカラっとしていて、かさかさした感じとか。イワシやアジなどの稚魚を煮ているわけではいないけれど、水の中でぶくぶくされたところとか。
出汁はでないけれど、においはするところとか。
あんまり嬉しくない「にぼし」だな。
早く外干しできる日が来ないかなぁと思うけれど、春はこれからなのだ。
今日は一段と鼻水が垂れる。
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