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初めてのサイン会まで


◯こだまさんのトークイベント&サイン会に行くまでの記録




 
 読書家ではないわたしも、本を読みたくなるときがある。中でも、こだまさんのエッセイは読もうという気持ちになりやすい。



こだまさんはエッセイや小説を書かれている覆面作家だ。


・2017年に『夫のちんぽが入らない』でデビュー

・Yahoo!検索大賞小説部門を第3回(2017年)・第4回(2018年)の2年連続受賞

・2作目『ここは、おしまいの地』で第34回講談社エッセイ賞を受賞



こだまさんのエッセイはするっと読める。
読みやすくて、おもしろい。
言葉選びが巧みで、スポッと自分のツボに入る。
くすっと可笑しい。かと思えば、ジーンと涙が滲んでくる話もある。



こういう文章を書けるようになりたい。



怒りが主成分のようなわたしが、まったく嫉妬せずに思った。
どういう方なんだろう。
お人柄は文章にも表れているだろうけれど、この目で姿を見てみたいと思った。同じ空間にいることで、実在している方だという実感がほしくなった。





Xを見ていたら、4月にこだまさんのトークイベント&サイン会があるとの情報を得た。

行きたい!!!



心臓がどくんとした。
わたしはイベントの予約方法を熟読した。
予約はとある日の0時からと書いてある。
頭を抱えた。
もともと睡眠をとらないと顕著に体調に影響してしまうタイプだったのに加えて、単純に起きていられなくなったからだ。眠くなってしまう。
目が覚めたら、きっと満席の表示がされているだろうなぁと、告知ページを見ながら思った。




その日はイベント予約日だ!と意識しながらも、0時を待たずに布団に入った。



目が覚めた。暑い。少し汗をかいていた。
布団の中がもやんと暖かい空気で満たされすぎている。
冬と春のはざまにいるような気候だった3月中旬。
冬の布団では暑すぎる日だった。

えーもう朝?
スマホの時計を見る。


                     2:12



まだ2時じゃん!途中で起きるなんてやっちまった…と思っていると、頭をよぎったのだ。


       こだまさんのサイン会



……もしかして、申し込めるんじゃない?



明かりが漏れないように布団の中でスマホを使う。祈るようにページを見ると、予約の入力フォームが開けた。開けるということは、まだ申し込めるということだ。
いざ行けるとなると、本当に?どうしよう!とオロオロした気持ちになってきた。



いやいや。覚悟を決めろ。
目が覚めたのも、チャンスをくれたってことじゃないの?都合よくとらえても、いいんじゃない?




わたしは入力した予約フォームを何度も見直し、送信した。


スマホ画面はわたしの呼気で濡れていて、七色に光っていた。





もしサポートいただけたら、部屋の中でものすごく喜びます。やったーって声に出します。電車賃かおやつ代にさせていただきます。