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人間界からお邪魔します④〜足立美術館・小泉八雲記念館〜


◯ 島根・鳥取旅行をしたときの記録



 島根・鳥取旅行3日目。
この日は9時14分に出発。
途中で1カ所寄ってから、島根県松江市へ向かう。雲は多いが、秋晴れ。この日も気持ちがいい天気だ。


車を走らせること20分くらい。思いの外早く目的地に着いた。9時開館だけれど、駐車場には観光バスも一般車も多く停まっている。やっぱり、噂に違わず人気の観光名所だ。はやる気持ちを抑えながら歩く。


デデデン!!!


駐車場から見えた建物
入り口にもプチ庭園が!


 訪れたのは島根県安来市にある足立美術館である。庭園が21年連続日本一に選ばれており、絵画のような庭園だということで見てみたかった。あと、横山大観の絵も見られるということで、欠かせない場所だと思った。
絵画のことはよく分からないのでフィーリングだけだが、横山大観の絵が好きなのである。

館内は既に人で溢れ、みんな庭園に見入っていた。目を向けると、ガラスを挟んだ向こう側に、時が止まったかのような庭園があった。きれいすぎて、幻みたい。

↑ここはガラスなしエリア
有名なアングル
ちっちゃく亀鶴の滝です

 

みんなスマホを構えている。
なんか悔しい。
わたしはなんとか目に焼き付けたくて、まぶたを全開にしたのだが、見たそばから忘れていく。景色を吸収していくかのように、覚えていられない。内心葛藤しながら写真を撮った。


 足立美術館は庭園だけではない。数多くの展示品があり、それだけでも見応えが充分だった。

秋季特別展をやっていました

・本館展示室(近代日本画)
・新館展示室(現代日本画)
・魯山人館
・童画


館内には庭園を見ながら休憩できる喫茶室もある。わたしも行く気満々だったのだが、順番を待つ時間が惜しかったので諦めた。
(+飲み物・食べ物が特別というよりも、調理提供のしやすさ重視で、庭園を見られることに重きを置いた価格だと感じたため)


 サッと鑑賞するにしても、足立美術館を回り切るのに2時間くらいはかかった。午前中だけで、1日の満足を得てしまったかのような気持ちになる。


わたしは横山大観の「無我」に魅かれているので、鑑賞できて良かった。



 足立美術館を出発後、ちょっとしたトラブルに見舞われたため、13時前に島根県松江市へ着いた。松江城近辺にある蕎麦屋などでお昼をと思ったが、どこも満席・売り切ればかり。お昼は我慢して、おやつを食べることにした。それまで施設見学をする。

スッキリとした空ときれいな紅葉


はじめに小泉八雲記念館にやって来た。
わたしたちは3館共通入場券(松江城+小泉八雲記念館+武家屋敷で1,100円)を購入。


 子どもの頃に、ドラマか何かで「耳なし芳一」を見て、衝撃を受けた。体にお経を書く発想とお経を書かれた体にびっくりしたし、亡霊に気づかれるかどうかのハラハラドキドキが印象的だった。それから、怖い話で思い出すものの1つが耳なし芳一になった。(他は蜘蛛の糸など)
当時は名前からして日本人だと思っていたので、小泉八雲が海外の人だと知ってさらに驚いた。

そんな記憶がある小泉八雲の記念館に行けるのが楽しみだったし、来秋の朝ドラが小泉八雲の妻・セツが主人公の『ばけばけ』だと知ってから、より必須の場所となっていた。

 小泉八雲は、パトリック・ラフカディオ・ハーンさんといい、ギリシャ西部のレフカダ島で生まれた。両親が離婚し大叔母に育てられたり、16歳の頃に左目を失明したりと困難がありながらも、だんだん文筆で認められるようになっていく。
(2日目に訪れた鳥取県境港市出身の水木しげるさんも、戦争中に左腕を切断していたことを思い出し、ぬわぁとなった)

・1890年4月に来日 
・1890年8月30日から91年11月15日までを松江で過ごす
・1896年 松江の士族の娘、小泉セツと正式に結婚
     日本に帰化

 記念館には八雲の詳細年表が展示されていたり、愛用の煙管、法螺貝があったりして、不思議な気持ちになった。有名な方の遺品を見るたびに、実在した人物であるという痕跡を目の当たりにして、うわ〜すごいな〜などと感動してしまうからだと思う。

訪れたときには「小泉セツ―ラフカディオ・ハーンの妻として生きて」という企画展もやっており、わたしはこれも楽しみにしていた。士族の娘というだけで興味がそそられるのに、セツがハーンの妻となり、怪談話をつくる夫の手助けをしていくという関係もおもしろいと思ったからだ。当時は外国人と夫婦になることはとても大変だったはずだから、そんなところからもセツの強さや自分の意志が感じられた。
 セツの展示品には、セツが幼少のころ外国人(ワレット)にもらった虫眼鏡があり、これがその虫眼鏡か!と感慨深くなった。なぜならセツが、

私がもしもワレットから小さい虫眼鏡をもらっていなかったら、後年ラフカヂオ・ヘルンと夫婦になる事もあるいはむずかしかったかもしれぬ。

『思ひ出の記』小泉節子 p119-120


と書いていたからだ。小さな虫眼鏡であったが、とてもきれいで、何が人生を変えるほどのものになるのかは分からないなと思う。
他には、セツが使っていたという鏡台があり、わたしは自分を鏡に映してみた。物語の題材にもなる鏡って、神秘的な力がありそうだなーなんて思っている。昔セツが姿を映していたであろう鏡に自分が映ることは、大それたことである気がしながらも、なんだかとても嬉しい気持ちがした。あなたの鏡にわたしが映ったことは、永遠に記憶されますか?どこかで繋がりますか?なんて。

2階へとつづく階段の壁には、セツが八雲との生活を回想したときの言葉が展示されていて、とても素敵だった。「思ひ出の記」として出版されているので、ぜひ読んでみたい。(旅行後、購入しました)



もう少しじっくり見ていたかったが、松江城まで回りきれなくなるので、キリのいいところで退館。



外に出ると、八雲とセツに日が当たっていて、とても運命を感じてしまった。

とても素敵な2人でした



④-2へつづく



 

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えりぱんなつこ
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