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Story of eri Pancake

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えりが所属していたバンドでの出来事を綴った全8回の連載をまとめてあります✨
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記事一覧

Story of eri Pancake(001)

Story of eri Pancake(001)

毎週日曜日の夜は、わたしが所属しているバンドのミーティングです。油断するとすぐサボってしまうわたしのためのルールです。たとえ練習や作曲をしていなくても、ミーティングにはちゃんと出て、来週こそは進捗を報告できるよう、自分自身を戒めるために。

バンドなんて、やりたくて好きでやってる活動のはずですよね。なのにどうして油断するとサボってしまうのでしょう。その理由は、わたしがこのバンドに参加することになっ

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Story of eri Pancake(002)

Story of eri Pancake(002)

前回からの続き(前回を読まないと話がわからないかも)です。音楽とか歌とは無縁の人生だったわたしに、とつぜん舞い降りた不思議なご縁。みんなが「えりちゃん、歌はね、心だからw」と苦笑交じりに感想をくれた、わたしの人生初の歌のようなものに対して、たったひとりからの意外なメッセージは、こうでした。

「実にいい!上手いとか下手とかいうレベルを超えています。心がある!茶化す人はなんか勘違いしてるね。歌ってこ

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Story of eri Pancake(003)

Story of eri Pancake(003)

前回からの続き(前回を読まないと話がわからないかも)です。とにかく、まわりの人達が飛びつくものには例外なく全て拒否反応の天の邪鬼なわたしです。流行とか、国民的とか言うもの全部が嫌い。集団行動も苦手だしグループでの活動もできません。どうしてなのか、わからないけれど。

小さい頃からそうでした。いつもひとりで絵を描いたり、空想して、自分だけのオリジナルの遊びに夢中になっていました。誰も立ち入ることがで

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Story of eri Pancake(004)

Story of eri Pancake(004)

前回からの続き(最初から読まないと話がわからないかも)です。ひとりのひとの言葉がきっかけになって、なんだか思いもよらなかった方向に、とつぜん吹き始めた追い風に戸惑いながら、恐る恐る帆を張ろうかなと思い始めたわたし。その風は、実は思い悩んでいたわたしに差した、一筋の光でもありました。

3年前、わたしの父は、人生まだまだこれからという年齢で急逝してしまいました。その直後、わたし自信も突然、指定難病に

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Story of eri Pancake(005)

Story of eri Pancake(005)

前回からの続き(最初から読まないと話がわからないかも)です。色々あって辿り着いた、YouTube Liveでの生配信という舞台で、スポットライトを浴びながらも、実はどこへ向かうべきなのか、霧の中で道を見失って悩み苦しみ、途方に暮れていたわたし。迷走という名に相応しいお散歩の日々。

振り返るとそれは、コミュ障で陰キャ、からのお水の花道、父の急逝と自らの病気、からのVtuber?のようなものという、

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Story of eri Pancake(006)

Story of eri Pancake(006)

前回からの続き(最初から読まないと話がわからないかも)です。そのひとはこう言いました。「えりちゃん、歌がうまくなったらつまらない。」どういう意味ですか?せっかく練習しているのに。そしてさらに、こう付け加えられました。「商業路線から大きくはずれるところが持ち味、そこが魂。」

うん、なんだかまるで、ここにこう書くことで、わたしの歌声についての免罪符というフラグを今、立てているような気もしないでもない

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Story of eri Pancake(007)

Story of eri Pancake(007)

前回からの続き(最初から読まないと話がわからないかも)です。わたしの歌詞と鼻歌をちゃんとした曲にしてくれるバンマス。けれど、不完全なものからは、不完全な曲しかできません。わたしの鼻歌で足りないところは、伴奏だけが虚しく響きます。音楽の神さまが降りてくるまでは。

なので何度も何度も、繰り返し聴きながら、声を合わせます。その日の体調とか気分も大きく影響します。なので曲づくりは、基本いろんな人にご迷惑

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Story of eri Pancake(008)

Story of eri Pancake(008)

毎週日曜夜のミーティングをお休みしてしまいました。新しいお仕事を請け負うことになり、その準備作業に取り掛かっていて、もう完全に忘れていました。バンマスがログインして、それに気づいてわたしもインしたけれど、そういう(お仕事の)事情なら、今日はなしでということになり。

懸案だったピアノソロのところだけ、やり直しておくね、お仕事がんばってーとだけ言い残し、バンマスは去っていきました。ほんとはわたしにも

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