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密になっていた甲州ぶどうが教えてくれたこと。

おうちでじーっと過ごす日々が続く私達とは裏腹に、大好きなワインのもととなるぶどうたちは広い空の下で太陽の恵みをたくさん浴び、日々すくすくと成長し、あと2か月くらいで収穫というところまできています。

7月上旬の週末、3密を避け、山梨県勝沼町に甲州ぶどうの栽培のお手伝いに行ってきました。世の状況とは相反して、今年のぶどうたちは育ちざかり。今のところ豊作の予感です。

さて、今回私が行った作業は「房づくり」です。この季節、育ち盛りの甲州ぶどうは、実や房だけでなく葉やつるの成長も旺盛。勢いあまって実がつるに絡まったり、房同士がくっついて密になっていたり。それを解きほぐし、密な状態から風通しのいい状況にして、収穫までなるべく健全でおいしい葡萄に育つように。また、本来の方向に向きをなおし、収穫時に収穫しやすいようにしてあげる作業です。

密なぶどう

そう。今は、ぶどうたちも密な状況になりやすい時期だったんです。畑に入ると、満員電車の中を彷彿とさせるような、密接したぶどうたちもいて、早く離してあげたくなる衝動に駆られながら作業開始です。自分の背丈ほどの棚上の房に手を伸ばし、房がもげないようにやさしくつかんで絡まりをとっていきます。窮屈な状態から、風通しがよくすっきりして本来の向きに向くと、心なしか、ぶどうたちが笑顔になった気がしました。

甲州ぶどう

実の大きさは既にある程度の大きさになっていたので、少しは甘くなっているのかな? と実をかじってみたら、超酸っぱくて野菜のようでした笑。これから2か月で糖度を一気に上げ、さらなる急成長を遂げるのですね。

ぶどうをたべる

密から解放され、うれしそうに風に揺れるぶどうをみていたら、これまで常に密が当たり前だった、何十年も乗り続けてきた窮屈な通学・通勤電車から解放された自分が重なりました。立っているのも精いっぱいだったあの空間は、やっぱり尋常じゃなかったなあ。でも、回避できないこと。どうにもならないこと。会社に勤めている限り一生乗り続けなければいけないと思ってました。でも今回コロナ状況下で、それが当たり前でなくなりました。

通勤電車だけでなく、働き方、友達との付き合いetc。コロナ状況下に入ってから、当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなくなることの連続ですよね。ワイナリーに行けなくなったり、大好きなお店でワインが飲めないのは本当に本当につらいこと。でも、通勤時間が減っておうちでワインを楽しむ時間は確実に増えたのも事実。ネットや飲食店でワインを買っていたり、オンライン飲み会やwebセミナーなどでワイン仲間と一緒にワインを楽しんだり、発信したりという新たな発見もたくさん。with コロナでは、バランスを取りながら、ポジティブに今まで以上に充実したワインライフを楽しんでいきたいものです。

さて。今年は長期予報では好天候が続くようで、グッドヴィンテージが期待できるかもしれません。ワイン用ぶどうも豊作となれば、新酒も発売されることになるでしょう。その時には、自然の恵みに感謝し、皆で新酒を飲んで応援したいものですね。いずれにせよ、コロナよ、どうか収束してくれ~。と願ってやみません。

ちなみに私事の勝手な余談ですが、この4か月くらい在宅勤務が続いて身体をあまり動かしていなかったせいか、「房づくり」作業の翌日、目覚めた瞬間、身体が壊れたかと思えるほどの激しい筋肉痛に見舞われました泣。飲んでるだけの毎日はダメですね。適度な運動、適度な飲酒で、コロナが収束しているはずの秋に備えなきゃです!



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