B2バンビシャス奈良、3年連続赤字にリーチ。1年目と2年目の決算を見る
1年目の当期赤字額はわずか40万円、たったこれだけのせいで「1年目赤字」にカウント。ここがもったいなかった
群馬クレインサンダーズを見たが、バンビシャス奈良も同じように決算を見てみる。
繰り返すが、Bリーグ規約では「3年連続で赤字を出したチームは、Bリーグライセンスが認められない」、Bリーグ3年目の今年、この規約に抵触しているチームは奈良も含むB2の6チーム。
福島、群馬、金沢、西宮、奈良、島根。
バンビシャス奈良の1年目の決算を見てみると、赤字額はたったの40万円。
結果論だが、今年3年連続赤字のリーチに頭を悩ますくらいなら、1年目にあと41万円の売上をあげて、1円でもいいので黒字で終了しておけば、などと後付けで思った。
奈良のBリーグ1年目、2016-17年シーズンの決算。
各項目、奈良の決算、B2平均の決算、3つを並べたものだ。
売上2億4200万、支出2億4300万、差額は-100万円。100万の赤字。
まずは収益の欄を見てみる。
前回の群馬と比べて、まず売上の額がそこそこ大きい。決して観客動員数が多いと言えない奈良だが、B2平均を大きく上回る数字。
しかもスポンサー収入に頼らず、チケット収益/スポンサー収益のバランスの良さ。悪い数字どころか、バランスも取れていてとてもいい数字の並びに思える。赤字だったのはたまたま運が悪かっただけのような。
次に支出の欄を見てみる。
B2平均と比べて、販管費(スタッフの人件費)が大きい。それが尾を引いて結果赤字になっている。この辺はチーム事情なので数字は語れるが良し悪しは語れない。
パッと見、たまたま僅か40万だけ赤字が残ってしまったものの、全体的にはバランスの良い数字の並びだ。
奈良のBリーグ2年目、2017-18年シーズンの決算。
さてBリーグ2年目はどうだろう。下の図を見てみよう。
売上2億2400万円、支出2億5100万円、差額はおよそ-2700万円。2700万円の赤字。
まず売上を見てみる。1年目と異なり、B2平均を下回る売上。スポンサー収益が平均に比べて圧倒的に低いので、他のチームよりスポンサーが足りないと言える。逆に言えばまだまだ伸び代があるともいえる。
次に支出を見てみる。すべての項目にB2平均より低い数字が並んでいて、無駄遣いをしたわけでもなく、バランスは良いように見える。
よって、使いすぎやコストかけすぎというよりは、単純に売上が思いのほか伸びなかったのでその分赤字になってしまったように思える。
しいて言えばスクール費がかさんだくらいか。B2平均(他のチーム)の3倍以上の支出があるようだ。なぜかはわからない。
1年目と2年目の決算を並べて、比較してみよう
縦の列、①がBリーグ1年目、②がBリーグ2年目、③がその差分。前回の群馬のグラフと全く同じ。
前回の群馬と同様、2年目より1年目の方が売上が高い。2年目は売上が下がった反面、支出は上がっているという良くないパターン。
何が原因で2年目の売上が下がったのか。それは入場料収入。つまりチケット収入だ。
1年目の奈良の観客動員数の平均は1087人、2年目は1007人。確かに下がっている。観客数が下がっても客単価や有料入場数が増えれば入場料収入は増えるが、どうやら奈良はそうでもないようだ。
2年目の支出が増えたが、具体的に何が増えたのか。数字を見ると、選手人件費。ただし大きく増えているわけではなく、B2平均に比べればたいしたコスト増加でもないので、支出どうこうよりも売上が予想以上に伸びなかったことが赤字に繋がったと言えるだろう。
バンビシャス奈良が15000人プロジェクト。目標まであと8157人。
公式が発表した進捗を見ると、6試合が終わった模様。このままのペースでは達成できない。チームも選手もイベントをしかけたり努力をしている。
奈良の地理に詳しくないので、ならでんアリーナの具体的な位置やアクセスはわからないが、お寺巡りや奈良公園の鹿をうまく組み込んで、試合含めての奈良旅行としてアウェイ動員も十分に増やせる可能性はありありだ。
奈良にとって1360人平均は簡単ではないが、何度も達成したことのある数字。それをあと6連続するだけ。是非クリアすることを願っている。
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