群馬クレインサンダーズ、赤字の要因は何か。1年目と2年目の決算から見つける。
結論は「スポンサー収入の激減」による売上減少と「選手・スタッフ人件費の高騰」による支出増加
群馬の2年連続赤字、何の項目が原因で赤字なのか、1年目、2年目の決算を見てみる。
Bリーグ規約「3年連続で赤字を出したチームは、Bリーグライセンスが認められない」、Bリーグ3年目の今年、この規約に抵触しているチームはB2の6チーム。
つまり1年目赤字の2年目赤字でリーチがかかっていて、今年は黒字にしないと3年連続赤字を達成して降格してしまうチーム。
福島、群馬、金沢、西宮、奈良、島根。すべてB2のチーム。
先日、群馬クレインサンダーズをピックアップしてnoteを書いたが、今回も群馬を取り上げて、1年目と2年目、何の項目が原因で赤字だったのかを想像してみる。
私も見ている皆さんも、チームの中の人でも数字のプロでもないと思うので、決算のグラフを見てあくまで素人レベルで「これじゃないか」「ここのマイナスが多い」などの想像するだけだ。正しいかは知らない。
もし数字のプロならば、さらにプロの目線での原因や可能性を見つけ出せるかもしれない。
Bリーグ1年目(2016-17)の群馬の売上/支出を、B2平均と相対的に比べてみよう
下の図は、売上/支出の各項目、群馬の数字、B2平均の数字、3つを抜き出したもの。
群馬の数字について何を感じるか。赤字になった原因は何だと思うか。何のマイナスが多いか。何のプラスが少ないか。何が見えますか?
ちなみに、1年目の群馬の平均観客動員数は1228人。
簡潔に言うと、今シーズンの数か月の間で、1億8400万の売上、1億9600万の支出、よってその差分の1200万が赤字だ。売上<支出の状態。
ただしB2平均も同じく売上<支出になっている。1つ1つ、B2平均の数字と比べていっても、特に群馬が突出して悪い点は見受けられない。
パッと見思ったのは、スポンサー依存気味。合計売上のスポンサー収入の比率が高い。チームが法人営業を頑張っていると言ってよいのか、チケットでは稼げていないと言ってよいのか。確かに群馬は観客数が多いチームとは言えない。
1年目は別に悪い数字はない気がする。B2平均自体が、売上<支出の赤字なのだから、群馬も赤字でも普通のこと、いたって平均並みだ。
Bリーグ2年目(2017-18)の群馬の売上/支出を、B2平均と相対的に比べてみよう
さきほどと同じく下の図は、売上/支出の各項目、群馬の数字、B2平均の数字、3つを抜き出したもの。
1年目とは違って、B2平均と比べていろいろ原因が考えられそうな数字に見える。
ちなみに、2年目の群馬の平均観客動員数は1355人。去年よりは増えている。
B2平均の売上/支出と群馬のそれを比べると、支出は平均並みに高いが、売上は平均には全く及ばず。
コストは他チーム並みにかけたものの、それに見合った売上あげられませんでした状態。
1億7300万の売上、2億7000万の支出、その差額が今季の赤字額。売上<支出の幅が大きい。群馬の赤字の幅は、1年目が1500万円に対して、2年目が9200万円と倍増。
しかも今季は、B2平均は売上>支出と好転している。平均が黒字なのだから、赤字のチームは平均以下となる。
群馬は、1年目の赤字が1500万円に対して、2年目の赤字が9200万円。
何が見えるだろうか。
1年目と2年目の2つを比較してみよう。
群馬の1年目と2年目の決算を並べて比較して、その増減を見てみる
次のグラフは、さっきの2つの決算グラフを並べてみたものだ。
縦の欄の数字は、①が1年目、②が2年目、③はその2シーズンの差分(②-①)。
注目すべきは水色の部分、収入合計、支出合計の2つ。左側の数字、1と2の場所だ。
2年目の売上が、1年目を下回っている。1100万ほど。
それに対して支出は大きく上がっている。7300万ほど。
通常は1年目よりは2年目の方が売上が増えていてほしい。それが減少してしまっている。
収入の欄を見ると、その大きな原因はスポンサー収入の減少。1年目では1億1600万あった広告費が2年目では9200万と減少。1年目の数字のときにスポンサー収入依存度が高いと言ったが、そのツケがきたのかも。
さらに支出の欄を見ると、選手への人件費、販管費(スタッフなどの人件費)が大幅UP。両方が爆上げだ。社員を多く雇ったか、スタッフを増やしたか、今のところ売上にはつながっていない。
ただこれは、このスタッフへの人件費を増やしたことは将来に向けての投資と言えるかもしれないが、群馬にはそんな数年後のビジョンがなどと言ってる余裕はない。目先の今シーズン黒字にすることが大事。目先優先。数年後への投資の話は今はいらない。
ちなみに左側に1~6の数字をつけた。1が売上、2が支出、その差分が3の営業利益、3に営業外収入/支出を加えれば経常の4になる。経常に特別収入/支出を加えれば5の税引き前の当期利益。税金引けば6の当期利益。簿記や商業の学校で習った人は、グラフのイメージが付く人もいるかもしれない。
今期の群馬に欲しいのは、6の当期利益の黒字。ここがマイナスになるとまずい。今季の数字はわからないが、観客動員数が減少していることから大きく好転しているとは考えられない。
今回群馬を参考に使ったが、2年連続赤字の6チームを1つ1つやっていくのもいいかも。チーム毎に数字は違うし原因もその理由も違う。プラマイの項目も違う。
群馬のチームの中の人へ、現状について情報発信すべき
今余裕で黒字にできそうなのか、頑張りどきなのか、もう無理な数字だと諦めているのか、進捗状況は細かく情報発信した方がファンのモチベはあがる。観客の増加、来場のモチベ、Bリーグファンからのチームの応援、しいては売上UPに繋がると思う。
「嘘でもいいので聞いて嬉しい情報発信をしろ」「ファンの気休めをしろ」と言っているわけではない。悪い内容、ネガティブ、最悪な内容であってもいい。情報発信がないのが一番悪い。シーズン終わって突然「結局ダメでした」の後ではファンはどうしようもない。ファンは応援や手伝いをしたくても何もできない。既に終わったことだから。
情報発信が全くない状態でファンもよくわからないままシーズンが終わり「結局ダメでした」と報告だけはきっつい。進捗の情報が早くから何度も行われて、ファンも応援した努力した、そのうえでの「結果はダメでした」の方がまだマシだと思う。
運営もファンも、チームがB2にいる間にできる努力は、今しかない。
今回、群馬を話題に取り上げただけで群馬の熱いファンでもないし、群馬に固執しているわけでもまるでない。全く関係ないのでほっといてくれと言われればその通りだが、先日のnoteの通り群馬を応援しているのは間違いない。しかもまだ群馬について思っていた考えていた意見や書こうと思っていたネタすらある。当たり前だが、別に群馬に特化したnoteを作りたいわけじゃない。ここは群馬ファンのブログじゃない。それなのにこのくらいは思いつく。そもそもある程度熱い応援の気持ちがないとそのチームに対して何も思わないし文章も書けない。情報を発信せよ、運営の中の人にこの通りにしてくれというつもりはないがファンのために一考してくれとは思う。
リーチがかかっている、福島、群馬、金沢、西宮、奈良、島根。各チームの今シーズンの進捗状況はわからないが、1つ言えることは全チーム今シーズン黒字を達成してもらいたいし応援している。率直にそう思っている。
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