今日も大きなリュックサック
私は外出する時、大体大きなカバンを持って出掛けます。中身もぎっしり。
年中肩こり人間なので、出来ればハイブランドの公式インスタアカウントで見かけるような、とても小さくてキュートなカバン(あれってリップケースじゃないよね?)を斜め掛けして出掛けたいのですが、大体の場合、そうは行かないのです。
ハンカチティッシュに始まり、モバイルバッテリーに化粧ポーチ常備薬、カイロ、マスクポーチマスクの予備、アルコール消毒液、イヤホン、折りたたみ傘、飲み物、文庫本…この辺まではスタメン。
ここにその日の行き先別で必要なベンチメンバー達が加わります。
大荷物の中には正直言うと、自分で使った回数よりも、必要になった誰かに貸した回数の方が多い気がするものもあるのですが、必要性に気がついてしまった以上はメンバーから外すことができないのです。
自分を助けるものは、誰かを助けることもあると知っているので。
私の中で持ち続けている【「カバンでかっ!何が入ってんのw」と誰かを笑ったことのある人はいつも誰かに充電器やティッシュを借りている説】には今日は触れないことにして。(笑)
よくよく考えると、わたしが大荷物なのは、何も物理的な事だけではない気がします。
自分が背負っている目に見えない荷物も割と多い。
考えすぎと言われる思考回路も、いまだに夢に出てくる意地悪なクラスメイトの悪行メモリーも、何かと鼻につくコンプレックスも。
考えてみると、大荷物です。
ただこれってもしかして、誰かの足を靴擦れから守るとか、急なバッテリー不足を充電してあげるとか、汚れを拭き取ってまっさらな形にしてあげるとか、見えない方の大荷物もそういう誰かの「助かったわ〜」みたいなことに実はなっていたりするんだろうか。
そういえば私も、誰かの見えない大荷物に助けてもらって生きている気がします。
誰かが惜しみなく差し出してくれる絆創膏で止血をして、良かったら入りませんか?と差し出してくれた折りたたみ傘に入れてもらって、その人の肩を半分濡らし、わたしも肩を半分濡らすことで目的地に辿り着けるとか。
そういうことって、ありますよね。
世界中の優しさの中身は、誰かの見えない大荷物が詰まっているのかも知れない。
それからわたしの見えない大荷物を、「半分持つよ」「今日は全部持ってあげるよ」と言ってくれる人のおかげで、スキップできちゃう日があることもここに書き記しておこう。
春の大雨の日に、「大荷物なの悪いことばかりじゃないな」と思えた静かな海が今週火曜もお届けしました。また来週。