知っておくべき10のタイプのミソジニスト男性 (見付けたら指摘しましょう!)

10 Types of Misogynist Men We All Need to Know About – And Then Call Out! 

November 27, 2015 by Annah Anti-Palindrome

(訳者はジェンダースタディの専門ではないので、どういった訳が主流なのか知りません。元の英語がかなりくだけた感じなので、原文を忠実に訳すよりは雰囲気重視で思い切って意訳した部分が多いですが、間違いや提案などがあったら気軽にリプください。)

男性特権を享受しながら生きていて、フェミニスト入門は勉強したからそろそろ先に進もうかな、と思ってるフェミニストやアライの人向けの超簡易版チェックリストです。

もしかしたら、貴方はもう既に普段の生活の中で、自分のジェンダーによって不当に利益を得ていることに気付いてる男性かもしれません。経済的なガラスの天井が存在することや、この国(アメリカ合衆国)で起きている女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人達に対する性暴力や身体暴力の割合が許せないくらい高いこと、家父長制の文脈ではgender socialization(社会のジェンダーに関する価値規範を内面化すること)は男性を権威的な立場に就かせるように機能しているといったことを既に知っているのかもしれません。

とりあえず、貴方にはヒステリーやビッチ(訳者注:この場合のビッチは日本で使われるビッチとは意味が違います)といった言葉を使ったり、白熱した議論の際に相手を批判するために生理だからなどと言ったりしないくらいの分別はあると仮定しましょう。

もし貴方がこれにあてはまるなら、幸先がいいですよ。

男性特権とは家父長制社会に生きていることで男性が享受することのできる、不当に得られた権利や利益、そして/あるいは免除のことだと言えます。貴方が女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人だったら、多くの場合どのように男性が家父長制から利益を得ているかは明白です。

でも、もし貴方が男性特権を受けている側の人なら、もっと微妙で分かりにくい例には気付かないかもしれません。

ミソジニスティックな行動にはあからさまで分かりやすいものもあれば、もっと巧妙で日常の意外な所で姿を見せるものもあります。恒常的なミソジニスティックな行動の他にも、同じ位有害な考え方や人との接し方は他に沢山もあります。

貴方が自分にとって可能な限り最良のフェミニストを目指す旅路で、ここに挙げられたような意見が役に立ちますように!!

1.Manterruptor(Man+Interruptor)

どんなワークショップ、コンフェレンス、ディスカッショングループや教室でのおしゃべりといった場面でも、この称号を送られる人は少なくとも一人はいるものです。

マルチジェンダーな状況で、男性が自分の番でもないのに話し始め、他の人が話してるのを遮り、個々の質問やコメントのためにファシリテーターが取っておいた時間を完全に無視して話し続けるといった場面は非常によくあることです。

こういった男性はしばしば会話をハイジャックし、そして/または自分の興味関心に合わせて本題からずれた話をします。

こういった文脈では、男性が自分の知識をひけらかすために(話題になってることを)長い時間をつかってこきおろすといったこともよく見られます。

時折、礼儀をわきまえてることを表そうと挙手をしてから何度もコメントする男性もいます。もう既にその人は他の人よりもずっと多くの時間を使っているのに、です。

「これがミソジニスティック?」と疑問に思うかもしれません。これって単に物凄く失礼な行動ってだけなのでは、と。

答えはもちろんイエスです。貴方がどこの誰であっても、こういった行動は礼儀がなっていません。でも、ここで聞いてみたいのは「そもそも何故この人達はこんな行動を取るのか。このように場を支配しても気不味い思いをしない(あるいは無頓着な)人というのはどういう人なのか」ということです。

私の意見ですか?ミソジニスティックな権利意識が、男性に自分の発言は誰よりも重要で価値があると思うようにさせているのだと思います。

2.Emotional Labor Dodgers(感情労働逃れをする人)

つい最近も、感情的なサポートに関して、男性との関係は一方通行だと感じることが多いと友人と嘆いていました。

男性間の関係では感情を共有することは推奨されないので ——そもそも感情を持つことすら推奨されませんが——彼らにとって女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人との友人関係が、否定も肯定もされることなく自分の感情を表現し処理することの出来る、ある種のデフォルトで安心できる場所になる傾向があります。

誤解のないように言っておきますが、こちらが了解しているのなら話し相手になるのは構わないんです。私にとって大切な人が悩み苦しんでいるのなら、安心して話すことの出来る場を喜んで提供しますよ。

でもね。問題はここからですよ。多くの場合男性は女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない友人には、こちらがセラピストにでもなったのかと思うような形で感情を吐露しますが、逆の立場になった時同様の感情労働を返してくれないんです。

男性の友人の多くが、私に延々と自分の人生について話したり意見を求めたり、違うアングルからのトラブルシューティングを手伝ってくれと頼んで来たりしました。でも、さあ向こうの話がまとまって来たからと私の仕事での1日を話し出そうならとんでもない!退屈で目はどんよりと濁り、話を聞いてもらっているというよりは独り言を言ってるような気にさせられるのです。

こういう態度は本当に傷付きますし、利用された、大切にされてないと相手に感じさせます。

このように、男性は無意識の内に相手が自分のケアをすることを当然のように思っていますが、これは明確にミソジニーに基づいたものです。女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人は皆、ただで自分達に母性的な感情労働を提供する義務があると考えているのです。

3.The Manspreader(Man+spread+er)

遂に出来ましたよ!男性がいかに自分が周囲のスペースを占有しているかに無自覚で無頓着なことを表す言葉が!!

この言葉は元々地下鉄での状況に関して作られた言葉ですが、色々なシナリオに当てはまると私は考えています。個人の持ち物を同居人との共有スペースの至る所に散らかす男性、同僚と共有している仕事場に終わっていないプロジェクトを広げっぱなしにする男性などなどなど。

manspreaderの定義は、自分の身体や持ち物によって多くのスペースを取るために、そのスペースを使う平等な権利があるべき人達にそのスペースを使えなくさせてしまう男性全てに適用できると思います。

貴方はそのスペースに関して所有権があると感じているのだというメッセージが、manspreadeingを通して伝わってきます。

どうせだからおしっこでもかけた方がよっぽど分かりやすいのでは?(冗談ですよ!)

4.Gotye Manbabies and Accidental Manipulators

Gotyeのヒット曲Somebodyでは、多くの人が男性と付き合う中で経験し、苛立たしいと感じる典型的な状況を歌っています。とりあえず歌詞のおさらいをしてみましょうか。

曲の初めでは、男性主人公が、付き合っていた女性のことはそんなに好きではなかったと歌っています。別れた時はほっとしたとも言っています。

“When we found that we could not make sense / You said that we would still be friends / But I’ll admit that I was glad that it was over.”

(自分達はうまくいかないと分かった時、君はそれでも僕たちは友達だと言ってくれた。それでも僕は二人の関係が終わって嬉しかったんだ。)

別の部分では、女性の視点も歌われています。

“Now and then, I think of all the times you screwed me over / Had me believing it was always something that I’d done / I don’t wanna live that way, reading into every word you say.” 

(今でも時折あなたが嘘を吐いていた時のことを考える。いつも私が悪いのだと思わせて。私はあんな風に生きたくない、あなたの言葉全部を窺いながら。)

コーラスが始まると、男性は女性ほど二人の関係に真剣でなかったにも関わらず(そりゃ彼女が傷付くのは当然です)、男性は別れる前と同じように連絡を取り合うべきだと思っていることが分かります。

男性は女性が彼と距離を取りたいと思っていることや、しばらくの間連絡を取りたくないと感じる気持ちを理解できないのです。

しかも、二人の関係に真剣だった女性側にとっては、どれだけその別れが辛いのかということに共感するどころか、自分を被害者だと言い出すのです!

“You didn’t have to cut me off / Make out like it never happened and that we were nothing / And I don’t even need your love / But you treat me like a stranger, and that feels so rough / No, you didn’t have to stoop so low / Have your friends collect your records and then change your number / I guess that I don’t need that though / Now you’re just somebody that I used to know.”

(僕から完全に離れなくてもよかったじゃないか。まるで僕達の間には何も無かったみたいに。僕には君の愛なんて必要ないのに。君が僕を赤の他人のように扱うのはとても辛い。そこまで堕ちることはなかったじゃないか。友達にレコードを取ってきてもらうように頼んで、電話番号を変えて。もう僕には君の番号はいらないんだろう。今では僕にとって君は昔の知人でしかない)

ああああ、いらいらする!!(訳者もいらいらしました)

二人の関係において感情的に無責任であるという事実や、自分の思い通りにことが進んだにも関わらず(だって別れたかったんですから)、この男性はずうずうしくも彼女を悪者に仕立て上げているのです(訳者注:原文ではhave the gaul toとなっていますが、これはgallのミススペルだと思います)。

私ならこう言いますよ。あんたが傷付いてるのはお気の毒だけどね、私に甘えすぎなんだよ。私はあんたの母親でもセラピストでもないし、これからの人生であんたと関わりを持つ義務も無い!

同様に、もし女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人が貴方との関係に居心地の悪さを感じると言ったり、貴方の行動で傷付いた心を癒すために距離を取りたいと言って来たら、傷付いたというようにふるまうことや、慰めてもらいたいと思わないことです。

貴方の傷付いた心が常に最優先されるわけではないのです。

女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人に自分の悪い点を指摘された時、貴方の傷付いた心をその人達に癒してもらおうなどと甘えるのはやめることです。

自分を見詰め、責任を持ちなさい。境界線を守って欲しいと言われたら、そうしなさい。辛いのなら辛いと友人に言いなさい。

5.Unauthorized Advice Givers (知識もない癖に聞いてもいないのにアドバイスしてくる人)

オーマイガー!!!こういう人ありとあらゆる場所にいるよね!!

思い付く限り一番身近な例は、私のフェムのミュージシャンとしてのソロ活動経験でしょうか。音楽家としてソロ活動を十年近くしているにも関わらず、私のセッションが終わった後にはいつも必ずお決まりといっていいほど、「私の楽器の扱い方」や「どうすれば音の質を上げられるか」のアドバイスをしにやって来る男性がいます。

ショーで音響調整をするのが男性だったら、マイクの音量を上げてほしいという私の要請を無視したり、「何が一番いいのか自分が知っている」からと勝手にモニターの音量を上げたりします。

私の演奏を聴く前に、ループペダルのブランドについて延々と話すわ、私のペダルは時代遅れだと言うわ、「私には使い易いだろう」と他のタイプのペダルについて私に言ってくるのです。

ほとんどの女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人は、こういったパフォーマンスの文脈外で似たような状況を思い浮かべることが出来るでしょう。

金物店で一人で買い物する女性になってみてください!金物点はUnauthorized Advice giversがうじゃうじゃいます!

たとえ私が何が欲しくてどこにあるのかちゃんと知ってる時でも、「手助けが必要そうだな」と思った親切な男性客に呼び止められる可能性があります。

こういったことは男性以外でもしてしまうことがありますが、話をする前から相手が無知だと決め付けられると、本当にalienatingだと感じます。(alienatingは疎外という意味ですが、相手から同じ人間だと扱われていないというか主体性を認められていないとか、そんな感じの意味だと思いますが、ちょっと自信ないので詳しい人教えてプリーズ)

6.The Mansplainer(Man+explainer)

No.5はmanspllainingの問題に移るにはうってつけです。

男性はどんな状況でもある程度の自信や権威、権力を振るうことを期待されています。こういった特性を発揮できないことは男らしさに欠けるとされます。

もしこういった社会的なプレッシャーの中で「私」(注:筆者Annah Anti-Palindromeのこと)が生きていたら、混乱したり答えが分からない時にはどうするでしょうか。その場で適当にでっちあげるに決まってます!後で間違いを指摘されても、自分が何を言ってるのかちゃんと理解しているように「聞こえる」方が、自信のない様子を見せて男らしくないと思われるよりはマシですから。

私はただ何故男性がこういった振る舞いをするのか文化的に理解できると言っているだけです。

でもね。大事なのはここですよ。実際貴方は何でも知ってる訳じゃないんです。何でも知ってるふりをするべきでもないんです。

答えを知らないと認めることが出来たら、もしかしたら新しいことを学べるかもしれないんですよ。もし黙って聞いていたら、誰か答えを知っている人がすぐ傍にいるのが分かるかもしれないんですよ。

もうひとつのよくあるMansplainingの例として、もう疑問の余地も無く完全に道に迷ってるのに絶対に道を尋ねない態度を挙げておきましょう!

7.Manarchists, Mactivists, and Brogressives (Man+anarchist, Man+activist, Brother+progressive)

最も基本的には、これらの単語は活動家・運動家コミュニティに属するけれど、自分達の革新的な理論を実践に移すことに失敗している男性を指します。(口ではフェミニズムにリップサービスをしたり立派なことを言ったりしても実践が伴っていない男性のこですね。)

彼等は資本主義やヘテロ家父長制(heteropatriarchy)、白人至上主義、セクシズムやエイブリズムといった抑圧のシステムに対抗することを掲げたコミュニティに従事している男性です。

Manarchist的な行動は、運動内の女性に圧力をかけて自分とセックスさせるような堕落した指導者だけでなく、もっと巧妙な形をとることもあります。

Manarchistsは「女性の仕事」とされるような運動内での活動(子育て、医療活動、パンフレットの製作、distro(雑誌やパンフレットの配布)、料理、人間関係の構築等)の価値を貶めたり、不可視化したりする傾向があります。

彼等は伝統や精神性、感情に基いた戦略を蔑ろにする一方で、前線での策略や、直接行動に関する駆け引きを当然のように優先します。

彼等はシス男性と付き合うことは興味が無いとはっきり主張してるのにも関わらず、クィアな女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない友人達にいっつも恋しています。

彼等が惹かれるのは、運動内の “Anarcho-Punk Barbie” or “Alterna-Grrrl Barbie”(痩せていて障害のない、メインストリームの美の標準にあてはまる白人の女性)だけなのです。

彼等は運動内のシングルマザーをfaux activists(偽者の運動家)として運動から排除することも知られています。彼等が子供の面倒を見ることに協力してあげれば、そのシングルマザーが代わりにラリー/会議/デモに参加できるということが思いもよらないのです。

8. Racist Sexualizers

こういった男性が女性やジェンダーステレオタイプに当てはまらない人々を性的対象化するやり方は、人種的な意味合いを帯びた比喩的語法を広めるのに一役買っています。

例を挙げてみましょう。ラティーナの恋人を’spicy’だという男性、彼女達は「寝室でのボス」だから黒人女性フェチな男性、ネイティブ(原住民の)女性を「悟り」に喩える男性。アジア人女性は常にservice bottom(セックスの際タチや攻めのいうことを何でもきくネコ、受け(ちょっと他に上手い訳が思い付かなくて申し訳ない…))だと思っている男性。

実際にこういった考えを口に出さなくても、貴方がこう考えているという事実は貴方の恋愛生活に影響を与えています。

もう一つのよくある例としては、男性が有色人種の女性はcasual lover, booty-call, non-primary or 'sidepiece'(セックスだけの相手とか、真剣なお付き合いをするに値しない相手みたい意味です)と見なす一方で、白人女性は「真剣な関係に値する対象(more 'serious relationship material’)」と見なすというものがあります。

9.シスセクシスト

誰かのジェンダーアイデンティティを否定することはミソジニーと密接に結び付いています。

誰が「男性」や「女性」であるかを決めるのは貴方ではありません。

もし貴方がトランス女性を「本物の」女性だと思えないなら、貴方は何が「女性らしく」て何がそうでないかをコントロールする家父長的な価値観に捉われているからなのです。

あのですね。私にはあごひげがありますし、足を広げて座りますし、船乗り並に言葉使いが悪いです。絶対に「女性らしい」とは言えないことばかりですよね。だからといってあなたはお前は女性じゃないと私に言うんですか?

その人が自分は女性であると言ったら女性なんです。貴方には女性性について云々言う権限なんてないんです。それ以上ごたごた言わないでください。

それにですね、ジェンダーは二つしかないと主張すること自体がミソジニスティックなんです。Gender binary(個々の人間がもつ多様性を「男性」か「女性」の二つにカテゴライズすること)は家父長制のメイン武器です。全ての人は二つのうちのどちらかのジェンダーに属するべきだという考え方は、多くの人に疎外感を抱かせ、不可視化されたと感じさせ、不安にさせます。

10.Fetishizers of (Non-Consensual) Pain

前回喉頭炎になった時、誰かにすりおろし器で喉をがりがりされてるのかと思うくらい痛かったんですよ。ウイルスを貰ってから数日の内に声は枯れてがらがらになって、最終的には全くしゃべることが出来なくなってしまいました。

完全に声が出なくなる前に、沢山の人が私の声を「セクシー」だと言ってきました。

こうやって女性の痛みをフェティサイズ(Fetishize)するように教えられてきたんです。

もしこれがBDSMの文脈なら話は違います。でももし誰かが意に反して苦しんでいるのなら、その痛みをフェティサイズするんじゃねーよって話です。

大したことじゃないと思うかもしれません。でもね。これ、男性が意識せずにいっつもやってることなんですよ。

同じことは激ヤセした女性に向かってhot(セクシー)だね、と言う場合にも言えます。Fatphobic(太ってる人へのフォビア)なのは言うまでもありませんが、彼女がどうして激ヤセしたのか知らないでしょう!もしかしたら寄生虫にがお腹の中にいて、そのせいで過去半年食事のたびに吐いていたかもしれないじゃないですか。




Annah Anti-Palindrome is a Contributing Writer for Everyday Feminism and a Bay Area-based writer, musician, and queer/femme antagonist who hails from the working-class craters at the base of the Sierra Foothills. For more info on her work, see annahantipalindrome.com. To contact her, you can message her via her Facebook fan page!






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