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【島日和】かなしい心

ゴールデンウイーク中は島に帰省をした。
33歳、家庭なしの独身女であるから身軽に帰って地元でやることはひたすらに読書と食事を作るだけ。あとは親のスーパー買い出しの付き添い。
こんな生活をだらしないとか、他にやることがあるだろう!と憐れむ人はいるかもしれない。
だが私は年に数回、地元に帰って両親とコミュニケーションが取れたら他に用事はないのだ。

さて、今回は終始穏やかなものではなく、お金(私の保険)の話で母を責めてしまった。少し前から母親が私名義で契約している定期満期共済があるというのは聞いていた。その支払額、月額1.2万円だそうで、私は60歳までの30年間プランらしい。
残念ながら私は保険に関してはものすごくネガティブである。掛け捨ては嫌いである。月額1.2万円なんの得がある。もしもの時、とは言うが入院したとしても高額療養費として申請したらいいのだ。事前申請だってできる。

むろん、親は知らない。保険屋さん。なにかあったときでは遅い、早い方が良い、不安を駆りたててきたのだろうか。そしてなぜ私に相談なしに契約をして自分たちが払ってきて、定年だし家計はコロナ禍で収入も減って、だから毎月1万お願いできないか?と相談された。
1万円を納得した上で払うのは問題ない。今回の帰省では契約書を見てプランの見直しをしよう、ということで話を持っていったのだが、どうやら契約書がないそうだ。
「そんなことあるか!?」「大丈夫か、ここ?」あーだこーだと議論をぶつけても母親は萎むばかりなので、途中でやめた。答えられるわけがない。
解決策を話せる相手はこの家にはいない。
では、その契約した場所にプランの見直しをしたいから、契約書の控えをコピーして、とお願いするしかない。となって、私の滞在最終日に組合に行きました。

その空気感は都会のそれとはまるで違っていた。
両親はその組合と長年取引があるし、狭い世界だ、自分の知っている人が働いているのだ。
情で進められるままに加入してしまうほどの空気感がものすごく漂っていた。
正直、わたしはこういう空気感が嫌いだ。自分が納得をするまで質問したいし聞きたい。。。こちらの要望をきっぱりと伝えるには母親には重たすぎるので出る幕ではないのかもしれないが、私が言う。
無機質に、淡々と。
PDFデータでは送れないというらしいから、見直しのプランと契約書、当初の設計書コピーを後日わたしの住む場所に送ることで今回は落ち着いた。

島特有の空気。どこに出掛けても知っているひとがいる関係性。温かさと静けさ。
そこから一度出て、年に数回の帰省では、自分は段々と外の者になっている。
曖昧で終わらせない。私を知らない不特定多数の場所に身を置きたい。都会の生活音。
島を出て私は変わってしまったんだな、と感じる。だけどそれは、かなしい心なのかは分からない。

田舎暮らしに憧れる、と思う人は密接な繋がりを求めているのかもしれない。SNSではなく、リアルな人との繋がりで簡単には切れない縁。
どうかこれからも地元には活気づいて欲しいし、綺麗な大自然はそのままであって欲しい。願うばかりで申し訳ないが,,,。

まあ今回の保険の話はいつか話さないといけないことを先延ばしにせずにさっさと済ませたってだけであって。問題でもなにもない。

他は穏やかに過ごした。最終日は家族でピクニックして海と丘をドライブして、子ども時代より出来ることが増えていて嬉しいと思うのである。

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